筋トレの重量と回数を毎回変えると、筋力が伸びやすくなるという研究

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筋トレをしていると筋力の伸びが停滞してしまうことに悩むことがあると思います。

そして、その解決方法としてよく言われるのが扱う重量を変えてみることです。例えば、普段10回×3セットで筋トレしている人は、普段よりも重量を重くして5回×3セットにしてみるとか、あるいは少し軽くして15回×3セットにしてみるとかですね。

実はこのように筋トレの重量と回数を定期的あるいは非定期的に変えることは、ピリオダイゼーションとも言われていて、実際に筋力の伸びを向上してくれることが科学的にも分かっているんですね。

それで、ピリオダイゼーションにも色々なやり方があって

  • 月単位で重量を変える方法
  • 週単位で重量を変える方法
  • 毎日重量を変える方法

など様々です。

そこで、カシュテロ・ブランコ大学らの研究(*1)が

  • 4週間間隔で重量を変える方法と、毎回重量を変える方法のどちらがより筋力を向上するのか?

を実験してくれていましたので、本稿ではその中身を見ていきましょう。

重量変更の頻度と筋力の伸び

この研究では、20名のトレーニング経験者に12週間に渡って週4回(上半身2回、下半身2回)のトレーニングを行ってもらっています。このときに重量と回数は2通りの方法で変更していて

  • ①4週間単位で徐々に上げる方法
    1〜4週目は8〜10RM×3セット
    5〜8周目は6〜8RM×3セット
    9〜12周目は4〜6RM×3セット
    と4週間単位で徐々に重量を上げていく方法
  • ②1日単位で波打ち形式で変更する方法
    8〜10RM×3セット、6〜8RM×3セット、4〜6RM×3セットを1日単位で順番に回していく方法

イメージとしては下の図のような感じで、波打ち方式は1日単位で細かく重量を変えるわけですね。

それで12週間後には、それぞれのグループでの筋力の伸びを比較するために

  • レッグプレスの1RMと8RMの重量の伸び
  • ベンチプレスの1RMと8RMの重量の伸び

の2つを測定しています。

結果

それで、結果が次の表の通りになっています

4週で徐々に上げる方式毎回変更する波打ち方式
レッグプレス(1RM)+10% (効果量1.23)+18% (効果量1.55)
レッグプレス(8RM)+17% (効果量1.0)+23% (効果量1.54)
ベンチプレス(1RM)+15% (効果量0.75)+16% (効果量1.02)
ベンチプレス(8RM)+18% (効果量0.93)+19% (効果量1.1)

この表から分かるのは、

  • 重量と回数の設定を毎回小まめに変更する波打ち方式の方が、筋力の伸びが高かった

ということです。特に下半身のレッグプレスでは大きな差が出ていることがわかります。

この結果からすると、筋トレは停滞してから重量を変えるのでなく、停滞を感じる前から小まめに重量を変えた方が良いということですね。重量と回数の設定は筋トレの効果にも影響があって、最大筋力を伸ばしたいときは高重量×低回数が良く、筋肥大を狙いたいときは中重量×高回数が良いということも分かっています。なので、バランス良く上げたい人は、高重量と中重量を交互に繰り返すのも良いでしょう。

まとめ

本稿では「筋トレの重量と回数の頻繁に変えることの効果」についてお話ししました。

ポイントをまとめると

  • 筋トレの重量と回数はずっと固定にしていると筋力の伸びは停滞してしまうので、ときには変えた方が良い
  • 重量と回数の設定を変える頻度は細かい方が効果が高く、1日毎に毎回変更した方が筋力の伸びが早くなる

ということですね。

私も週2回のベンチプレスを、1日目は中重量で10回×3セットにして、2日目は高重量で5回×5セットにしたところ、伸びが少し良くなったように思います。皆さんも特に筋力を伸ばしたい種目については、重量と回数の設定に波をつけてみてはいかがでしょうか。

以上、本稿はここまで。


[参考文献]

*1 : Effects of Linear vs. Daily Undulatory Periodized Resistance Training on Maximal and Submaximal Strength Gains

Naoto

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