行動をすると次の行動のモチベーションが上がるは本当なのか?

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何かの目標を達成するためには、その目標に向かって行動することが必要です。そして、目標達成のために大切なポイントは、「たった1回きりの行動で目標が達成できることは少なく、行動は何回も続ける必要がある」ということです。

例えば、ダイエットを成功させるのには、運動や食事制限といった行動が必須で、体重は数ヶ月かけて徐々に減っていくものです。一回きりの運動で5kg痩せたとかはあり得ませんから、行動を続けなければダイエットは失敗してしまうわけです。

そして、本稿で考えるのは行動の波及効果が本当にあるのかです。行動の波及効果とは、運動した日に「せっかく運動したんだから食事もサラダを増やしてみよう」という感じで、一つ行動が他の良い行動に波及する効果のことです。

この問題について、ベルン大学の研究では

  • 行動の波及効果は本当にあるのか?
  • 逆に行動は次の行動にとってマイナスになってしまうことはないのか?

という観点で分析してくれています。本稿ではこの研究を参考に、うまく行動を続ける方法について学んでいきましょう。

行動の波及効果

ベルン大学の研究では、行動の波及効果がプラスに働く場合と、マイナスに働く場合の両方のケースを想定しています。

  • 波及効果がプラスに働くケース
    「せっかく運動したし、食事もサラダを増やそう」と、行動が次の良い行動に繋がる場合
  • 波及効果がマイナスに働くケース
    「運動したんだから、食事は少し多めに食べてもいいでしょ」と、行動が次の行動を甘くしてしまう場合

現実の生活で考えてみると、確かに両方のケースがあるように思います。

それでは、この2つの違いはなぜ発生するのか?この研究では「目的への関心の高さ」が影響していると考えています。

例えば、環境への関心が強い人は、1回環境に良い行動すると、「自分は環境に良い人間」だという自己イメージが強まって、次の行動も良くなる。環境にあまり関心のない人は、1回環境に良い行動をしても、「前に環境の良い行動して十分満足したし、次は楽していいか」と、次の行動にマイナスに働いてしまうといった感じですね。

分析:行動の波及はプラスとマイナスのどっちに働くのか?

ベルン大学の研究では、上記で説明した内容が本当にあるのかを確かめるために、合計1308人におよぶデータを分析しています。行動の内容としては、健康に良い行動と環境に良い行動の2つで分析が行われています。

その結果を見てみると、

  • 健康または環境への関心が弱い人は、前回良い行動をしたことを思い出すと、次に良い行動を起こす気が低下していた
  • 健康または環境への関心が強い人は、前回良い行動をしたことを思い出すと、次に良い行動を起こす気が向上していた

という結果が得られています。行動の波及効果はその目的への関心の高さによってプラスにもマイナスにも働くことがあるという想定通りの結果になっていますね。

この研究結果からすると、行動を次の行動につなげるためには、その目的に高い関心を持って、自己イメージに結びつける必要があるのかもしれません。例えば、ダイエットを始めて、運動できたときには「今の自分は前よりずっと健康的な人間なんだ」と考えてみると、次の行動も良い行動を取りやすくなるかもしれません。

まとめ

本稿では「行動の波及効果がプラスに働くとき、マイナスに働くとき」についてお話ししました。

ポイントをまとめると

  • 目的に強い関心を持っている場合には、一つの良い行動が、次の良い行動へと波及する
  • 目的に弱い関心しか持っていない場合は、一つの良い行動をしても、満足して次の良い行動は起きにくくなる

ということ。

強い関心は行動していくうちに育まれる部分もあると思うので、最初の関心が低い内は特に行動のマイナスの波及効果に注意した方がよさそうです。特に自己イメージは大切で、環境の良い行動なら「自分はエコな人」とか、筋トレを続けたいなら「自分は強い人」とか、目標が達成できた時の自分のイメージを持っておくと、行動を選択するときの助けになるかもしれません。

以上、本稿はここまで。

[参考文献]

*1 : The Role of Attitude Strength in Behavioral Spillover: Attitude Matters—But Not Necessarily as a Moderator

Naoto

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