筋肉を増やすのにタンパク質はどのくらい摂取すればいいのか?

筋トレをする人がプロテインをよく飲むように、筋肉を増やすにはその材料であつタンパク質を摂取する必要があります。そこで気になるのが、

  • 筋肉を増やすのに、摂取するタンパク質の量はどのくらいまで効果があるのか?

ということ。この問題について、

  • 筋トレをする人のタンパク質の量
  • 筋トレをしない人のタンパク質の量

に分けて、除脂肪体重の変化を分析してくれた最新のメタ分析(*1)があったので、本稿ではその中身を見ていきましょう。

タンパク質の摂取量と除脂肪体重の変化

このメタ分析では、タンパク質の摂取量と除脂肪体重の変化を調べた研究を集めて、それらの結果をまとめてくれています。集められた研究の特徴としては、

  • 2週間以上の実験機関である
  • 大きな病気のない大人が対象である
  • プラセボグループとの効果の比較がされている
  • 実験のデザインがランダム化比較試験である

という感じで、質の良い研究が集められています。

集められたデータの総数としては、

  • 筋トレ+プロテイン摂取の実験形式では、53件の研究におよぶ、2325人分のデータ
  • プロテイン摂取のみの実験形式では、56件の研究におよぶ、3077人分のデータ

が集まっています。

結果1:筋トレをしない場合

まず筋トレをしない場合の結果を見てみると、

  • 筋トレをしない場合でも、タンパク質の摂取量を体重1kg当たり1.3gまで増やせば、筋肉も大きく増えた
  • しかし、筋トレをしない場合では、1.3g/kgを超えるタンパク質を摂取しても、それ以上は除脂肪体重は増えずに逆に低下していた

ということ。

筋トレをしない場合でも、1.3g/kgまでならタンパク質を増やすだけで、筋肉は増やせるようですね。体重1kg当たり1.3gのタンパク質だと、60kgの人なら78gのタンパク質になります。

タンパク質の摂取量が1.3g/kgまでの効果はかなり大きいので、普段タンパク質が不足しがちな人は、ゆで卵(タンパク質約6g)を追加で食べるだけでも、大きな効果が期待できるようです。

結果2:筋トレをする場合

次に筋トレをする場合の結果を見てみると、

  • 筋トレをする人でも、タンパク質の摂取量を体重1kg当たり1.3gまでは、筋肉量は大きく伸びた
  • 筋トレをする人の場合には、タンパク質の摂取量が1.3g/kgを超えても、効果は落ちるものの3.5g/kgまで筋肉は増え続けた

ということ。

筋トレをするとタンパク質を1.3g/kg以上に増やしても効果が伸び続けるようです。筋トレをする人でも1.3g/kgまでは効果が高めになっているので、最低でも1.3g/kgはタンパク質を摂取したいところ。できれば2.0g/kg以上のタンパク質を目指すと良いでしょう。

まとめ

本稿では「筋肉を増やすのにタンパク質の量はどれだけ取ればいいのか?」についてお話ししました。

ポイントをまとめると

  • 筋トレをしない人は、体重1kg当たり1.3gまでタンパク質を増やすと、大きな効果が得られる。ただし、1.3g/kgを超えると逆に低下してしまうので注意。
  • 筋トレをする人は、体重1kg当たり1.3gまでのタンパク質で大きな効果が得られるし、1.3g/kgを超えた分でも上昇率は落ちるが効果が3.5g/kgまで伸び続ける

ということ。

筋トレをする人もしない人も、タンパク質の量を気にしてみてはいかがでしょうか。

以上、本稿はここまで。


[参考文献]

*1 : Dose–response relationship between protein intake and muscle mass increase: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials

Naoto

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