週2回と週3回のHIITで人生の質はどれだけ変わるのか?

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運動は人生の質を高めるためにも大切な習慣の一つ。しかし、運動を習慣として定着させることは意外と難しいもので、なかなか始められずにいる人や、三日坊主で終わってしまう人も多いでしょう。

運動が続かない原因の一つは「時間がないから」。そこで、短時間の運動で健康効果を十分に得るには、HIIT(高強度インターバルトレーニング)という運動方法が有効だと分かっています。

HIITとは全力に近い強度の運動を休憩と交互に繰り返す運動。例えば、20秒の全力運動と10秒の休憩を8セット繰り返すといった感じになっています。この場合はたったの4分しかかかりませんが、健康効果は中程度の強度の運動の20分相当が得られることが分かっているんですね。

そこで本稿では、このHIITに関して、

  • HIITには高い健康効果があるけど、HIITを実践することで人生の質が向上した実感もちゃんと得られるのか?

ということを実験してくれたニコシア大学の研究を見てみましょう。

HIITと人生の質

ニコシア大学の研究では、35人を対象に

  • 週3回HIITを行った場合
  • 週2回HIITを行った場合
  • HIITをしなかった場合

で、8週間の運動期間の後に、どのグループが一番運動の効果の実感を得ているのかを測定しています。HIITの運動方法としては、サイクリングが選ばれていて、1セット60秒の全力サイクリングを10セット行っています。

そして、運動の実感としては、

  • 健康に関する人生の質
  • 運動の楽しさ
  • 今後もHIITを続けたいと思っているか

が測定されています。

結果1:人生の質の実感

早速結果を見てみると、まず健康面に関して人生の質が向上した実感については、

  • HIITをしなかったグループでは人生の質はほとんど変化しなかった
  • 週2回のHIITのグループでは人生の質は向上した実感があった(+7.7)
  • 週3回のHIITのグループでは人生の質は向上した実感が一番高かった(+10.5)

ということ。

HIITは短い時間ですが、高い強度の運動をガッツリと行うので、しっかりと運動した実感があります。HIITを行うと、体を動かすことに自信がついたり、活力が湧いたりして、健康面に関して人生の質が向上したという実感が得られるのでしょう。頻度も多い方が良いみたいで、週3回の方が人生の質の向上も高まっています。

結果2:運動の楽しさや継続しやすさ

続いて、運動の楽しさや、HIITを今後も続けたいと思っているかの測定結果を見てみると、

  • 週2回でも週3回でもHIITに運動の楽しさを感じていて、どちらも同じくらいの楽しさだった
    (7点満点中の6点くらいの楽しさ)
  • HIITを継続したい人の割合は、週3回のグループで100%、週2回のグループで92.9%だった
  • 2ヶ月後のフォローアップで、実際に週1回以上HIITを継続していたのは、週3回のグループで84.6%、週2回のグループで35.7%だった

ということ。

運動は長期的に続けていくものなので、楽しさや継続のしやすさも大切なポイント。HIITはその点でも心配はなくて、運動自体が楽しいし、継続もしやすいようです。特に2ヶ月後のフォローアップでは週3回のグループの方が継続率がかなり高くなっています。習慣の定着にはとにかく繰り返して行うことが必須なので、頻度の高い週3回の方がずっと効果が高かったのでしょう。

まとめ

本稿では「HIITと人生の質の向上」についてお話ししました。

ポイントをまとめると、

  • HIITを実践すると、運動の楽しさや健康面に関する人生の質の向上を実感ができる
  • 人生の質の向上や習慣としての定着率は、週2回よりも週3回のHIITの方がぐっと高くなる

ということ。

HIITは5分もあればできる運動で、全力で運動すれば運動の種類も自由です。スクワットのような家の中でできる運動でも大丈夫なので、その点でも継続がしやすいでしょう。

HIITを定着して人生の質を高めるには、まずはHIITの頻度を高めることを優先しましょう。1回30分とかの長時間の運動は習慣化のハードルが高いので、5分のHIITを週6回を行うみたいな形で、細かく分散して頻度を上げると良いでしょう。

以上、本稿はここまで。


[参考文献]

*1 : Effects of high intensity interval training frequency on perceptual responses and future physical activity participation

Naoto

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