筋肉を減らさずに脂肪を減らす!減量中のタンパク質の摂取量はどのくらいがいいのか?
本稿のテーマは筋肉を減らさない減量方法についてです。
筋トレでは筋肉を増やそうとすると同時に脂肪もついてしまうものなので、筋肉を増やすバルクアップの期間と、筋肉の維持しつつ脂肪だけを減らす減量の期間を交互に繰り返すことが勧められています。
なので、減量の最大のポイントは”筋肉を減らさずに脂肪だけを減らすこと”で、
これがみんなが悩みを抱えるポイントでもあると思います。
そこで、本稿では脂肪だけを減らすために、カロリー制限中の食事におけるタンパク質の摂取量をどうすればいいのか?という問題について調べてくれた研究(*1)があったので、その内容を紹介したいと思います。
減量中のタンパク質量の研究
この研究では、カロリー制限中にタンパク質の摂取量を変えた場合に、脂肪の減少量と除脂肪体重がどのように変化するのかを測定した研究6件をまとめています。除脂肪体重は脂肪を除いた体重のことで筋肉や骨などの重さになります。
そして研究の対象者は次の条件を満たしている人で、
- カロリー制限をしている
- 体脂肪が多過ぎない(男性23%以下、女性35%以下)
- 筋トレの経験者(6ヶ月以上)
と、減量中のスポーツ選手や筋トレ好きを想定した実験となっています。肥満体型の人の減量に関する研究が多いのに比べて、このようなアスリート向けの減量は意外と研究が少ないので、非常にありがたい研究と言えますね。
どれだけタンパク質を取るのがいいのか?
それでは、この研究でどのようなことがわかったのかというと
まず、
- 体脂肪率が低くなるほど、筋肉を維持しつつ脂肪を減らすのが難しくなる
- 筋トレの上級者ほど、筋肉を維持しつつ脂肪を減らすのが難しくなる
(初心者は筋肉が増えやすいので、減量中でも筋肉がつきやすい)
ということ。体脂肪率を絞り込むほど筋肉も減りやすくなってしまうということで、バルクアップ期と減量期を繰り返す人は、減量期にそこまで絞り込み過ぎない方が良さそうですね。
さらに、この研究でわかったことは
- 体脂肪を減らすペースが急だと、筋肉も減ってしまいやすい
- 食事のタンパク質を増やすと、筋肉の減りを抑えることができた
ということで、筋肉を維持しつつ脂肪を減らすのには”減量のペース”と”タンパク質の摂取量”が大切ということですね。
それでは具体的にどのくらいがいいのかというと
- 減量のペースは週に0.5kg(または体重の0.7%)以内が良い
- タンパク質の摂取量は除脂肪体重1kgに対して2.3~3.1g
がこの研究ではおすすめされています。他の研究によると、カロリー制限をしていないときのタンパク質の摂取量として体重1kg当たり1.6gがおすすめされていましたので、それと比べて減量中には2.3g~3.1gがオススメということで超高タンパク質が良いみたいですね。
まとめ
本稿では筋肉を減らさずに脂肪を減らす方法についてお話ししました。
ポイントをまとめると
- 体脂肪率が低くなるほど筋肉も減りやすくなってしまうので、
減量期には必要以上に絞り込もうとしない方が良い - 減量のペースは週に0.5kg(または体重の0.7%)以内が良い
- タンパク質の摂取量は除脂肪体重1kgに対して2.3~3.1g
ということです。
カロリー制限をしつつ2.3~3.1g/kgのタンパク質の摂取はなかなか大変そうなので、プロテインなど手軽にタンパク質を摂取できる方法を使うのもいいと思います。
以上、それでは良い筋トレライフを!
[参考文献]