ゲーミフィケーションで仕事のモチベーションを高めるための6つのポイントとは
本稿のテーマは「ゲーミフィケーション」です。
ゲーミフィケーションというのはゲーム化するという意味で、つまらない仕事なんかを達成ポイントをつけたりしてゲームのように楽しんじゃおうというものです。
1980年代に初めてゲーミフィケーションが提唱されてからだんだんと注目が増してきていて、特にスマホの普及した現代ではSnsなどを使ってゲーミフィケーションを実施する企業も増えているんですね。
しかし、ゲーミフィケーションを導入して見たけど、あまり効果がなかったというケースも多く見られるようです。モチベーションは単純に上げられるものでもないので、ゲーミフィケーションは上手くやらないと効果が無いということです。
そこで本稿では、学術誌Bussiness Information ReviewのSteve Dale氏の論文(*1)を参考に、ゲーミフィケーションを成功させるためのポイントについて学んでいきましょう!
ゲーミフィケーションはどんなことをするのか?
ゲーミフィケーションの実施方法には様々な種類があります。
なので、まずはどんな種類があるのかをざっと見て、ゲーミフィケーションがどんなものかのイメージを掴みましょう。
- 達成報酬をつける
特定の行動や成果に対して、達成ポイントをつけたり、ボーナスを与えること - 課題に挑む
少し難易度の高い目標に挑戦したり、これまで経験のないことに挑戦して新しい発見を得ることを促進すること - コミュニティを作る
スコアボードを作ってみんなのスコアを共有したり、コラボレーションを促進したりすること - 結果を見える化する
全体のどこにいるのかの進捗を見える化したり、スキルや能力をレベルで表示をしたり、結果に対して継続的にフィードバックを与えること。 - 時間を制限する
期限までの時間をカウントダウンしたり、タスクにかかった時間を測定してスピードを測るなど - 運の要素を取り入れる
ランダムでちょっと報酬が変わったり、抽選で報酬を与えたりする。
といったようなことがゲーミフィケーションになります。
共通するポイントとしては、行動や成果に対して細かく報酬やフィードバックを与えて、一つ一つのタスクを楽しめるようにすることですね。
ゲーミフィケーションを成功させるためのポイント
続いてゲーミフィケーションを成功させるためのポイントを見ていきましょう!
これだけ種類が多いと何をどうやっていいのかが分からずにやってしまうと、失敗してしまう可能性が高いですからね。
- ゲーミフィケーションを取り入れる目的を明確にすること
ゲーミフィケーションを何のためにやるのかが明確になっていないと、どのようにゲーミフィケーションを設計していいのかも決まりません。なので、明確に目的を決めて、そのためにどうゲーミフィケーションを活用するのが最適なのかを考えましょう。 - 組織の文化を考慮すること
組織の文化にあったゲーミフィケーションを取り入れると成功しやすいです。例えば、新しい知識の習得が好きなエンジニア集団なら、技術的挑戦を増やすようなゲーミフィケーションにするとか、チームメンバーの仲が良いならコラボレーションを増やすゲーミフィケーションにするとかですね。 - どの行動を増やしたいのかを明確にすること
具体的にどんな行動を増やしたいのかが決まると、その行動に関係する活動やその行動のトリガーがわかるので、そのポイントに対して効果的に下ーミフィケーションを取り入れることができるようになります。 - 達成報酬は適切に設定し、定期的に変えると良い
行動に対してポイントを付与するなどの報酬系のゲーミフィケーションの場合には、ずっと同じ報酬だと飽きてしまいます。なので新しい行動に報酬をつけたり、報酬にランダム性を持たせると良いです。また、何でもかんでもポイントをつけるというのもダメで、どの行動にどの報酬をつけるのが効果的かをしっかりと考える必要があります。 - お金は報酬にしない方が良い
お金のような外発的なモチベーションは、人の視野を狭くして、お金欲しさにその行動ばかりとるようにしてしまいます。なので、お金でなく達成感などを報酬にするようにしましょう。 - 見た目はゲームっぽくなくても良い
大事なのはゲーム性を持たせることで、見た目がゲームっぽいことではありません。なので、ゲーム性の基本である細かなゴール設定→達成の見える化を仕事の中に作るようにしましょう。
まとめ
本稿は「ゲーミフィケーションを成功させるためのポイント」についてお話ししました。
まとめると、ゲーミフィケーション成功のポイントは
- ゲーミフィケーションを取り入れる目的を明確にすること
- 組織の文化を考慮すること
- どの行動を増やしたいのかを明確にすること
- 達成報酬は適切に設定し、定期的に変えると良い
- お金は報酬にしない方が良い
- 見た目はゲームっぽくなくても良い
ということです。
仕事をゲーム化すると聞くと、なんか楽しそうで面白半分でゲーミフィケーションを実施してしまいそうですが、目的に合わせてしっかりと中身を設計していきましょう。
以上、本稿はここまで。
[参考文献]
*1: Gamification: Making work fun, or making fun of work?