食事と幸せの関係とは?朝食を食べる方が幸福感が高いという観察研究

「朝食をきちんと食べましょう」とよく言われますよね。

なぜこれだけ朝食が大切だと言われるのかというと、それはもちろん健康に良いと考えられているからで、

  • 朝食を食べる人の方が長生きだったり
  • 朝食は免疫を改善してくれたり
  • 朝食を食べる人の方がBMIが低く、肥満の人ほど朝食を抜いている
  • 朝食は記憶力などの認知機能とも関係している

などなどの研究結果があるようです。

そして、今回注目するのはこの朝食に関する研究(*1)なのですが、この研究では朝食には健康以外にもいい効果があるんじゃないか?ということで、「朝食と幸福感」の関係について調べてくれています。

朝食と幸福感

それで、この研究(*1)がどんなふうに食事と幸福感について調べたのかというと、541人の学生を対象にアンケート調査を実施していて

  • 朝食を週何回食べるのか?
  • 1日の食事の回数は何回か?
  • フルーツを週にどれだけ食べるのか?
  • 野菜を週にどれだけ食べるのか?

といったデータをとって、これらの要因が幸福感とどう関係しているのかを分析してくれたんですね。

そして、その結果として分かったことは大きく3つあるので、順番に見ていきましょう。

結果①:朝食を取る頻度と幸福感

まず最初に分かったことは、朝食をとる頻度と幸福感の関係で、

  • 朝食を毎日食べる人ほど幸福感が高かった(p<0.001)

ということです。

1週間のうちの朝食を食べる日数が低くなるほど幸福感も低くなっていって、朝食を1日も食べない人が最も幸福感が低かったようです。

つまり、幸福感の観点では朝食は食べた方がいいということですね。

もちろん、朝食を食べない人は前日に夜更かしをしていて、それが幸福感の低下につながっているのでは?みたいに、朝食以外の要因が間接的に影響していることも考えられます。なので今回の結果からわかったことは、「朝食が絶対に幸福感に良い」というわけではなく、「規則正しく朝食を毎日食べるような人はより幸福な傾向がある」というレベルのものだと考えた方がいいと思います。

結果②:1日の食事回数と幸福感

次にわかったことは、1日の食事回数と幸福感の関係です。

この研究では次の5つの食事パターンのどれが幸福感が高いのかを分析しています。

  • 1日に3食 + 軽食を1~2回
  • 1日に3食
  • 1日に2食 (朝食含む)
  • 1日に2食 (朝食を除く)
  • 1日に1食

そして、どの食事回数が一番幸せだったのかというと

  • 1日に3食 + 軽食1~2回が一番幸福感が高かった!

ということです。

面白いことに1日3食に加えて軽食があった方が幸福感は高かったということ。なので、3時のおやつなんかは幸福感にとって良いものなのかもしれませんね。もちろん、お菓子などを食べ過ぎて健康を損なってしまったら逆効果だとは思いますのでそこら辺は注意ですね。

結果③:野菜とフルーツの量と幸福感

最後にこの研究では野菜とフルーツを食べる量と幸福感についても調べていて、

その結果は

  • 野菜を多く食べる人の方が幸福感は高かった!(p=0.045)
  • フルーツを多く食べる人の方が幸福感は高かった!(p=0.020)

ということです。

野菜もフルーツも多い方が幸福感は高いということで、やはり食事は回数だけでなく質も大切ということですね。

それではどれだけ野菜やフルーツを食べればいいのかというと、1日に7 ~8サービングがオススメされています。1サービングとは小鉢一つ分くらい量で、一皿の野菜炒めとなると2サービングくらいになります。1日に7~8サービングとなると1日3食の全てでサラダやフルーツを取った方がいいということですね。

まとめ

本稿では「食事と幸福感の関係」についてお話ししました。

ポイントをまとめると

  • 朝食は毎日取る人の方が幸福感が高い!
  • 食事回数は3食+1~2軽食の人が幸福感が高い!
  • 野菜とフルーツを多く食べる人の方が幸福感が高い!

ということです。

イメージでいうと、「野菜の多くて質の良い食事を1日3食ちゃんと食べる。そして一日の間に1回は軽食(おやつ)を楽しむ時間を作る」というライフスタイルが良さそうですね。

食事の健康効果についてはあれこれとよく聞きますが、今回の研究は「食事と幸福感の関係」という新しい視点で、なかなか面白い研究だったと私は思います。

ただし、今回の研究は観察研究で、朝食を食べたらそれだけ幸福感が上がるという直接的な因果関係までは分かっていないので、あくまで参考程度で考えてみてください。

以上、本稿はここまで。


[参考文献]

*1: Eating breakfast, fruit and vegetable intake and their relation with happiness in college students

Naoto

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