自分にあった楽しさとは?楽しさの5つの要素と5つの考え方

人間ならやっぱり楽しい経験を増やしたいわけですが、「楽しい」という感情はなかなか広い意味を持った感情で、色々な場面で感じることができます。

「友達と遊園地で遊んで楽しい」
「芸人の漫才が楽しい」
「数学の問題が解けて楽しい」

などなど、楽しいも千差万別です。

そこで、本稿では「楽しい」の中にはどんなタイプの楽しいがあるのかをお話ししていきたいと思います。

楽しいの5つの要素

ロンドン大学の研究(*1)が「楽しい」とはどんな感情なのかを1,100人にアンケート調査をして、因子分析という手法で分析してくれています。

その分析結果によると楽しいには5つの要素があるということ。

要素①:社交的な楽しさ
会話や、笑い、ジョーク、エンターテインメントといった楽しさのこと。
「友達と一緒にいるときの楽しさ」がまさにこのタイプの楽しさになります。

要素②:満足感の楽しさ
平穏や暖かさ、くつろぎ、親切さに関連して感じる楽しさのこと。
例えば、「家でゆっくりと映画を見たときの楽しさ」などが満足感の楽しさに当たります。

要素③:達成感の楽しさ
集中やチャレンジ、達成、没頭に関連して感じる楽しさのこと。
「困難な仕事を達成して楽しい」や「時間も忘れるほど絵を描くのに没頭して楽しい」というのが達成感の楽しさになります。

要素④:恋愛の楽しさ
異性と一緒にいるときに感じるロマンティックな楽しさのこと。
「彼女/彼氏と一緒に過して楽しい」というのがまさにこのタイプの楽しさです。

要素⑤:興奮の楽しさ
何かに熱狂したり、興奮したりする楽しさのこと。
例えば「クラブに行ってノリノリになって楽しい」とか「お酒で気分が高揚して楽しい」とかの楽しさのこと。

何を楽しいと感じるかは性格で変わる

楽しいには5つの要素があるということが分かりましたが、人によってどのタイプの楽しさを好むのかは違いますよね。そこでこの研究ではビッグファイブ性格分析と楽しさの好みの傾向を調べてくれています。

その結果によると

  • 外向性の高い人は「社交的な楽しさ」と「興奮の楽しさ」を楽しいと感じる傾向がある
  • 開放性の高い人は「達成感の楽しさ」を楽しいと感じる傾向がある
  • 同調性の高い人は「社会的な楽しさ」を好んで、「恋愛の楽しさ」には負の相関がある

といった傾向があるということ。

なので大事なのは、

  • 楽しさの中にも自分の性格にあった楽しさと自分には合わない楽しさがある

ということ。みんなが楽しいと感じているからという理由で何かをやっても、自分には合わないということもあり得るので、自分の楽しさの傾向を知ることが大切ということですね。

楽しさの考え方の5つのタイプ

さらにこの研究では楽しさに対する考え方についても因子分析を行っていて、5つのタイプの考え方があることがわかっています。

楽しさの考え方①:リスクテイキング
この考え方は、多少のリスクをとってでも楽しさを求めたいというものです。例えば「お金を失うリスクをとってギャンブルを楽しむ」とか「健康リスクをとってお酒やタバコを楽しむ」とかいうことですね。

楽しさの考え方②:楽しさは付き合う人による
この考え方は、楽しさを得るためには他の人と一緒に行うことが必要で、かつ同じような性格の人で集まった方が楽しいという考え方です。例えばサークルやオンラインサロンなど、同じ趣味を持った人同士で集まるのが好きな人は、この考え方が強いと思います。

楽しさの考え方③:幸福につながる楽しさ
この考え方が強い人は、一時的な楽しさではなく、長期的な幸福につながる楽しさを好んで取る傾向があります。例えば、「健康のために友達とスポーツを楽しむ」とか「将来のための勉強を楽しいと感じる」といった感じですね。

楽しさの考え方④:お金が楽しさを増やす
この考え方のタイプの人は、お金が増えるほど楽しいことも増える、あるいはもっとお金を使えばもっと楽しいことができると考える傾向があります。例えば、「高級なブランド品を買うことを楽しいと感じる」のはこのタイプの考え方が強い人だと思います。

楽しさの考え方⑤:偶然の方が楽しい
このタイプの人は、事前に計画した楽しさよりも、偶然発生した楽しさを好む傾向があります。例えば「旅行に行くにしても事前に計画を決めずに、当日の気分で好きなとこに行く」ような人のことですね。

以上、5つの楽しさの考え方ということでしたが、どの考え方が良くて、どの考え方が悪いということではありません。なので、今の自分はどのような考え方の傾向があって、他にもこんな考え方もできるんだという参考にすればいいと思います。

まとめ

本稿では「楽しさの中身の分析」についてお話ししました。

ポイントをまとめると

  • 楽しさには5つの要素がある
    「社交的」「満足的」「達成感」「恋愛」「興奮」
  • 楽しさの考え方のポイントも5つある
    「リスクテイキング」「付き合う人」「長期的幸福」「お金」「偶然」
  • 人それぞれ何を楽しいと感じるかは違うので、これらを参考に自分なりの楽しさや楽しさの考え方を見つければOK

ということですね。

今の自分が楽しいと感じるもの、逆に楽しくないと感じるもの、あるいはまだ経験のない未知のものもあるかもしれません。まずは食わず嫌いをせずに色々なことを経験してみて、自分なりの楽しさを広げていければいいと思います。

以上、本稿はここまで。


[参考文献]

*1: “Fun, fun, fun”: Types of fun, attitudes to fun, and their relation to personality and biographical factors

Naoto

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