筋力の伸ばすか、筋肉量を増やすか、最適なトレーニング方法の違いまとめ
筋トレにも色々な方法があって、
- どのくらいの重量を扱うか?
- 1セットは何回にするか?
- セット間の休憩は何分にするか?
などなどのトレーニングの組み方で、筋トレの効果は少し変わってきます。
それで、どんなふうにトレーニングを組むのかは、筋トレの目的によって変えるべきで、筋トレには大きく次の2つの目的があります。
- 筋力を向上することが目的
持ち上げられる最大重量を更新したいという人 - 筋肉量を増やすことが目的
筋肉を増やしてかっこいい体を作りたいという人
どちらの目的を優先するかで、最適なトレーニング方法は変わるということですね。
そこで本稿では、筋力向上に最適なトレーニングの組み方と、筋肉量を増やすのに最適なトレーニングの組み方を、こちらの論文(*1)を参考にお話ししていきたいと思います。
筋力を向上させるためのトレーニング
先の論文では、複数の筋トレに関する研究を集めて、筋力を向上させるために重要なポイントは何かをまとめてくれています。なので、早速そのポイントを見ていきましょう。
重量
筋力を向上させるためには、高重量を扱ったほうが効果が高いです。
より高重量を持ち上げられるようになるためには、筋肉を大きくするだけでなく、その筋肉に最大限の力を発揮させるために神経系も鍛えなければいけません。そのためには、トレーニングの時から最大筋力に近い高重量を扱う必要があるということなんですね。
ボリューム
筋力を向上させるためには、高負荷×低回数のトレーニングが効果的です。
筋力目的の場合にはボリュームよりも高重量を扱うことが大切で、1セットの回数は1〜6回にすることが効果的です。例えば、有名なのはストレートセットという方法で、5回×5セットを行うというものです。
そして、週の合計のセットは15セットを超えないように注意してください。15セットを超えると逆に筋力の向上が低下してしまったという研究結果があります。
トレーニングの頻度
筋力を向上のためには、筋トレの頻度は多すぎると逆効果です。
筋トレの頻度を増やしすぎると、筋力の向上が低下してしまうという研究結果もあります。筋力目的の高重量のトレーニングでは神経系がダメージを受けるので、回復に時間がかかるみたいなんですね。なので、筋トレは週に1〜3回くらいにして、しっかりと休息を取るようにするのが良いでしょう。もちろん日によって鍛える部位を変えるのであれば、それ以上の頻度でも大丈夫だと思います。
セット間の休憩
筋力向上のためにはセット間の休憩は2〜5分と長めにとることが良いです。
筋力向上のためのトレーニングでは、短いインターバルで筋肉を追い込むことよりも、セット間でしっかりと筋力を回復させて、次のセットでも筋肉に最大限の力を発揮させることが重要です。
その他
その他で筋力向上のためにトレーニングで行うと良いことは
- 単間接種目よりも多間接種目が効果的
(スクワットやベンチプレス、デッドリフトなど) - 定期的にトレーニング方法を少し変えて刺激を変えることも効果的
(例えば、今週は1セット3回にして、来週は1セット6回にするなど)
という研究結果もあるようです。
筋肉量を増やすためのトレーニング
続いて筋肉量を増やすのに最適なトレーニングのポイントを見ていきましょう。
重量
筋肉量を増やすためには、高重量は必要ないです。
筋力を伸ばすためには、神経系を鍛えるために、高重量を扱う必要がありましたが、筋肉量を増やすためには、重量は中程度でも十分に効果があることが分かっています。
ボリューム
筋肉量を増やしたければ、1セットは10回以上にしてボリュームを増やすことが大切!
筋肉量を増やすためには、重量よりもボリュームが大切になります。特に筋トレの初心者はボリュームが少なくても筋肉は増えるようですが、筋トレの上級者になるほどボリュームを増やさないと筋肉も増えにくくなっていくようです。ただし、週の合計セット数は15セットまでにすることがお勧めされています。
トレーニングの頻度
筋肉量を増やしたい場合は、頻度を増やしてもよい
筋力を向上させる場合には、筋トレの頻度は多すぎると逆効果でしたが、筋肉量の場合には週に15セットを超えないのであれば、頻度は増やしてもOKということ。ただし、週の合計ボリュームが同じなら、それを週2回で分割しても、週5回で分割しても効果は同じようです。
セット間の休憩
筋肉量目的のトレーニングでは、セット間の休憩は1〜2分くらいが良い
筋肉量が目的のトレーニングでは、高ボリューム(1セット10回以上)のトレーニングを短いインターバルで行うことで、筋肉を追い込むことが重要になります。ただし、セット間のインターバルは短すぎてもダメで、60秒以上はとった方が良いということです。
筋肉の意識
筋肉量を増やすためには、使う筋肉をしっかりと意識することが大切です
使う筋肉を意識しながら、フォームが崩れないように、しっかりと筋肉に効かせて、丁寧に筋肉を追い込んでいくことが、筋肉を増やすための秘訣ということですね。
まとめ
本稿では「筋力を伸ばすためのトレーニングと、筋肉量を増やすためのトレーニングの違い」についてお話ししました。
話を簡単にまとめると、
筋力を伸ばすトレーニング
- 低回数でいいから高重量を扱って神経も鍛える(1セット1〜6回)
- セット間のインターバルは2〜5分とって最大筋力を発揮させることに集中する
- トレーニング後は回復に時間がかかるので、頻度は多すぎないように注意
筋肉を増やすトレーニング
- 重量は中程度でいいからボリュームを増やす(1セット10回以上)
- セット間のインターバルは1〜2分と短めにして、筋肉を追い込む
- 使う筋肉を意識して、しっかりと丁寧なフォームで行う
ということですね。
自分がどちらを目的にするのかでトレーニング方法を使い分けてみてください。筋力も筋肉も欲しいという人は、両方のタイプのトレーニングを交互にやるとかもありだと思います。
以上、それでは良い筋トレライフを!
[参考文献]
*1 :Training for strength and hypertrophy: an evidence-based approach