食べ過ぎを防ぐには食事の雰囲気も大切という研究

食事の量は環境からの刺激に大きく作用されます

例えば、レストランでは食欲を刺激する赤色を多く見せようにしているとか、音楽によって食欲が変わるとかいう話はよく聞きますよね。

それで、レストラン側からすれば多く注文してもらって欲しいわけですから、食べる量が増えるように環境を整えるわけです。しかし、環境の力は逆方向に利用すれば、ダイエット中に食欲を減らすことにも使えるかもしれません。

そこで本稿では、この環境と食べる量の関係を実験してくれたコーネル大学の研究(*1)を参考に、どのような環境が食欲に影響するのかを見ていきましょう。

レストランの雰囲気と食事量

この研究では、同じレストランを2つのエリアに分けて、どちらが食事量が多いのかを比較しています。

一つ目のエリアは、典型的なファミレスタイプの雰囲気のエリアとなっていて、

  • 赤や黄色の刺激的な色が多い
  • 照明は明るめ
  • 店内はガヤガヤしている

2つ目のエリアは、リラックスできる落ち着いた雰囲気のエリアとなっていて

  • 絵が飾ってあったり、テーブルクロスが敷いてあったりしておしゃれ
  • ロウソクなどの間接照明を使っている
  • 店内はソフトなジャズが流れている

という違いがあります。

想定としては、2つ目のリラックスできるエリアの方が、お客さんは長居してくれて、追加の注文もしてより多く食べてくれるのでは?ということですね。

結果

それで結果がどうだったのかというと

  • 最初の注文では、どちらのエリアのお客も同じくらい量の料理を注文した
  • リラックスエリアの方が、お客さんは4.7%長く滞在してくれた
  • リラックスエリアの方が、最初の注文を食べる量が少なかった
  • リラックスエリアのお客さんが多く追加注文をしてくれることもなかった

ということで、リラックスできる雰囲気だと滞在時間が増える一方で食べる量は減っています。おそらくリラックスしたおかげて食べるスピードがゆっくりになって満腹感が感じやすかったのでしょう。逆にファミレスのように刺激的な雰囲気は滞在時間が短くても食べるようは多かったということで、やはりレストラン側からすると優秀な環境のようですね。

ちなみにこの量の差がどれくらいになるのかというと

  • ファミレスっぽいレストランで食べた平均量:657.6 kcal
  • 落ち着いた雰囲気のレストランで食べた平均量:524.6 kcal

ということで、大体130kcalほどの差が生まれています。

ダイエットに活かすなら

この研究結果をダイエットに活かすなら、

  • ガヤガヤとした外の刺激の強い環境での食事を避ける
  • 食事はリラックスした雰囲気で、ゆっくりと時間をかけて食べる

というのが言えますね。

例えば、家で食事をする場合には、テレビを見ながら食事をすると、テレビの強い刺激を受けてしまうので、知らず知らずのうちに食べすぎてしまうかもしれません。なので、家で食事をするときにも、まったりできる音楽をかけたり、ロウソクをつけたりと、リラックスをできる雰囲気で食事を楽しめるようにするのが良いでしょう。

またダイエット中に外食をするときには、雰囲気の良いお店を選ぶことが大切です。なので、ガヤガヤした居酒屋に行くよりは、おしゃれなバーにいくなどの工夫をすると良いと思います。

まとめ

本稿では「食事の雰囲気と食事量」についてお話ししました。

ポイントをまとめると

  • 食べる量は環境からの刺激を大きく受ける
  • ファミレスのような刺激的な環境では、食事時間は短くなる反面、食べる量は多くなってしまう
  • 落ち着いたリラックスできる雰囲気では、食事のスピードが落ちて、食べる量も約130kcalだけ抑えることができる

そして、ダイエットに活かすなら

  • テレビなどの刺激の強い環境を避けて、リラックスできる雰囲気でゆっくりと食事をする
  • 外食をするときにも、雰囲気の良いお店を選ぶようにすると良い

ということですね。

食事は内容だけでなく、雰囲気作りも大切ということで、音楽や照明など自分好みの雰囲気を作ってみてはいかがでしょうか。

以上、本稿はここまで。

[参考文献]

*1 : Fast Food restaurant lighting and Music can reduce calorie intaKe and increase satisFaction

Naoto

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