ワークライフバランスで人生の質を向上するために外せないポイントとは?

ワークライフバランスとは、仕事を充実させるだけでなく、家族と過ごす時間などの生活面を充実させることで、仕事面と生活面のバランスを取ろうということです。働き方改革の一環として、最近よく聴くようになりましたよね。

それで仕事と生活の両方が充実すると、人生の質が向上することが期待できます。なぜ人生の質が向上するのかというと、

  1. 生活面で家族と過ごす時間などが幸福感を高めてくれる
  2. 仕事以外で複数の役割を持つことが、一つの役割で失敗しても他の役割があるという安心感を与えてくれる
  3. 仕事と生活を調和させることで、仕事の影響で生活や家族間に問題が生じたり、逆に生活面の問題が仕事に支障をきたすような事態を減らすことができる

と考えられるからですね。

そこでドレクセル大学の研究(*1)が

  • ワークライフバランスがいい人の方は、本当に人生の質がいいのか?

を調べてくれていましたので、本稿ではその中身を見ていきましょう。

ワークライフバランスと人生の質

この研究ではワークライフバランスを複数の観点から調べています。

なぜかというとワークライフバランスには定義が曖昧なところがあるからで、バランスといっても、割り当てる時間のバランスのことを言っているのか、充実感のバランスのことを言っているのかよく分かりませんよね。

そこで、ドレクセル大学の研究では

  • 仕事と生活に割り当てる時間のバランス
  • 仕事と生活のどちらを大切にしているかの心のバランス
  • 仕事と生活からもらえる満足感のバランス

の3つをワークライフバランスとして調査を行っています。

ワークライフバランスの調査

この研究では会計を仕事にする428人の社会人を対象に3つのワークライフバランスと人生の質の調査を行っています。全体の傾向としては

  • 家族との時間より仕事に割り当てている時間の方が長かった
    (仕事:47.43時間 vs 家族:27.57時間)
  • 家族の方が大切と考えている人が多かった
    (仕事の大切さ:3.26 vs 家族との時間の大切さ: 4.24)
  • 家族からもらえる満足感の方が大きかった
    (仕事の満足感: 3.46 vs 家族の満足感: 4.05)

ということ。家族は大切だけど仕事で時間がなかなか取れないというよくあるパターンですね。

結果1:人生の質とワークライフバランス

次に、ワークライフバランスが人生の質にどう影響してたのかというと、

  • 仕事に割り当てる時間が多い人ほど人生の質は低く、家族に割り当てる時間が多い人ほど人生の質は高かった
  • 仕事の方が大切だと感じている人ほど人生の質は低く、家族の方が大切だと感じている人ほど人生の質は高かった
  • 家族からもらえる満足感が高い人ほど人生の質も高いという弱い傾向があった。

ということ。

この結果をグラフにしたのが上の図になっています。左から時間のバランス、大切さのバランス、満足感のバランスの結果を表しています。グラフの黄色線を見れば分かるように、時間と大切さは仕事に傾くほど人生の質が低下してしまっています。一番右の満足度のグラフでは、他のグラフよりも右肩下がりの傾きが弱くなっていて、人生の質への影響は弱めであることがわかります。

結果2:ボリュームの影響とは?

それで面白いのがグラフの青線で、この線はそもそも仕事と家族の両方の時間や大切さ、満足度の総量が少ない人の結果を表しています。青線はどれも横ばいに近いグラフになっていて

  • そもそも仕事と家族に対して、割り当てている時間の総量や満足感の総量が少ないなら、いくらその中でバランスが良くても人生の質は向上しない

ということが示されています。なので、人生の質を向上させるためには、仕事と生活のバランスだけでなく、この2つを合わせた総ボリュームもあげた方が良いということですね。

結果3:なぜ人生の質が向上するのか?

最後にこの研究ではなぜワークライフバランスが人生の質を向上させるのかを確かめるために、仕事-家族間でのトラブルやストレスの多さを分析しています。

その結果、

  • 時間のバランスと大切さのバランスが取れている人ほど、仕事-家族間でのトラブルが少なく、感じているストレスも低かった

という結果が得られています。働きづめがストレスになるのは当たり前なので、ストレスの低減はよく分かります。もう一つの結果は、ワークライフバランスが良いと仕事の影響で家族問題が起きたり、逆に家族との問題で仕事に支障をきたすことが減るということですね。

まとめ

本稿では「ワークライフバランスと人生の質」についてお話ししました。

ポイントをまとめると

  • 時間・大切さ・満足感のワークライフバランスが取れている人ほど、人生の質が高い
  • ただし、そもそも時間や大切さの総量が少ない人は、バランスが良くても人生の質は向上しない
  • ワークライフバランスは仕事-家族間のトラブルとストレスを減らしてくれるため人生の質が向上する

ということですね。

人生の質を向上させるには、なんとなくバランスよくしているだけではダメで、仕事と生活の両方に十分にリソースを注ぎ込んで充実させていく必要があるということですね。

以上、本稿はここまで。


[参考文献]

*1 : The relation between work–family balance and quality of life

Naoto

シェアする