睡眠のエキスパートが選ぶ、睡眠に関する20の嘘(前半)

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食事や運動など健康に関する話題には多くの人が関心を持っていて、その中の一つとして睡眠に関してもネット上などで多くの話題が出回っています。しかし、それらの情報の中には、専門家からすると根拠のないデタラメな話も多いということ。

そこで、面白い論文があって、この論文ではネット上で広く信じられている睡眠の話題を、10人の睡眠のエキスパートが1〜5点でそのウソの度合いを採点してくれています。本稿はこの論文を参考に科学的に正しい睡眠の知識を習得していきましょう。

睡眠時間に関するウソ

ウソ1:いつでもどこでも寝れるは健康の証(ウソ度:4.75)

専門家が言うには、いつでもどこでも寝れるのは健康的の証ではなく、単に睡眠が不足しているだけということ。なので、いつでもどこでも寝れるのは健康の証ではなく、むしろ不健康の兆しと言うことですね。

ウソ2:5時間寝れば健康には問題ない(ウソ度:4.63))

5時間以下の睡眠が、メタボや心臓血管病のリスクの向上、メンタルの低下、免疫力の低下を招いてしまうことが研究でわかっています。短い睡眠時間でも大丈夫なショートスリーパーの存在もあり得るものの、ショートスリーパーは極少数なので、一般的には7時間の睡眠が推奨されています。

ウソ3:短い睡眠を続ければ脳や体は慣れる(ウソ度:4.63)

短い睡眠は脳の機能を低下させたり体にとってストレスになります。短い睡眠を続けたからと言って脳や体がそれに慣れることはなく、ただダメージを蓄積してしまうだけです。夜勤で睡眠時間が少ない人は、死亡率も高いこともわかっているので、短い睡眠が続くと自分では気がつかないうちにも健康リスクが高まってしまっているようです。

ウソ4:年をとるほど睡眠時間は長くなる(ウソ度:4.63)

年齢に応じて睡眠時間が変動することはわかっていますが、年齢が高い人の方が睡眠時間が短く、若い人の方がよく眠ることが分かっています。大人は十分な睡眠を取る時間がないだけと言う可能性もありますが、年をとるほど睡眠時間が増えるというエビデンスはないようです。

ウソ5:睡眠時間は長い方が良い(ウソ度:3.25)

睡眠時間が短いのはもちろん健康に悪いのですが、逆に長すぎても健康のリスクが高まってしまうことが研究により分かっています。人によっても変わりますが、ベストな睡眠時間は7時間で、8時間を超えると逆に健康が悪化してしまうということです。ただし、睡眠不足から回復したいときや、子供の時期など、長時間の睡眠が有効な場面も考えられます。

ウソ6:1日の睡眠不足の影響が長い間残存する(ウソ度:3.25)

1日でも睡眠不足があれば脳のパフォーマンスなどが低下することはわかっています。他にも血圧や心臓血管、メタボなどの健康に悪い効果もあるということ。しかし、1日の睡眠不足であれば、これらの効果は短期的にしか続かず、しっかりとリカバリーの睡眠を取れば、悪い効果も解消できるということです。

ウソ7:睡眠時間さえ十分なら、いつ寝ても良い(ウソ度:4.63)

通常勤務の人と夜勤の人を比べて研究で、夜勤の人は健康のリスクが高いことがわかっています。つまり、睡眠時間をしっかりととっても、昼夜逆転してしまうと、健康には悪いということです。

睡眠中の行動に関するウソ

ウソ8:ベッドに寝転んで目をつむっているだけでも睡眠と同じ効果がある(ウソ度:4.63)

睡眠にはレム睡眠やノンレム睡眠といった、深い眠りと浅い眠りのサイクルがあって、それぞれ異なる役割をこなしています。ただベッドで目をつむっていても、これらの深い眠りのサイクルに入ることはできないので、目をつむるだけで睡眠と同等の効果を得ることはできないということです。

ウソ9:なかなか寝付けない時は、ベッドでじっとしてる方が良い(ウソ度:4.63)

睡眠のセラピーなどで最近行われるのは、「寝付けない時は、一度ベッドから離れて、眠くなったらまたベッドに戻る」という手法ということです。ただし、ベッドから離れて何をやってもいいというわけではなく、ブルーライトなど睡眠を妨げる刺激は避ける必要があります。

ウソ10:いびきはうるさいだけで健康には悪くない(ウソ度4.25)

いびきをかいてしまうのは、気管が詰まるなどの睡眠中の呼吸の乱れが原因で、いびきは健康に悪い傾向があることがわかっています。

ウソ11:寝返りが少ないほどよい(ウソ度:3.88)

寝返りは別に悪いことではなく、睡眠中に起きる普通の動作ということ。なので、寝返りが多いからといって、特に睡眠の質が悪かったり、健康に悪いということもないようです。

まとめ

本稿では「睡眠のエキスパートが選ぶ睡眠の20のウソ」について、1〜11番目までの嘘を見てきました。後半は日中や寝る前の行動に関する嘘などを見ていきましょう。

後半はこちら

[参考文献]

*1 : Sleep myths: An expert-led study to identify false beliefs about sleep that impinge upon population sleep health practices

Naoto

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