3100種類の食品を調べてわかった抗酸化物質の多いは食べ物とは?
抗酸化物質は活性酸素のような体内で発生した有害物質を排除するために必要なもので、抗酸化力が高まれば体は健康になり老化も遅らせることができます。
そのため、若々しく健康な体を保つためには抗酸化物質の多い食品を食べることが大切なのですが、調べてみると抗酸化物質にも様々な種類があることがわかります。例えば、ブルーベリーに含まれるアントシアニンや、大豆に含まれるイソフラボン、トマトに含まれるリコピンなどですね。
そこで、オスロ大学の研究(*1)が3100の食品に含まれる抗酸化物質の総量を測定してまとめてくれていましたので、本稿ではこの研究を参考に抗酸化物質が多い食品とは何か?を見ていきましょう。
抗酸化物質の多い食品とは?
まず最初に3100 の食品のデータから分かった全体的な傾向としては
- 植物性の食品は抗酸化物質が高い(中央値: 0.88 mmol/100g)
- 動物性の食品は抗酸化物質が低い(中央値: 0.10 mmol/100g)
ということで、やはり野菜やフルーツといった植物性の食品の方が約9倍も抗酸化物質が多いという結果になっています。
そして、食品を24分類に分けた結果を見てみると
食品分類 | 抗酸化物質の量 [mmol/100g] |
サプリメント類(ビタミンなど) | 98.58 |
ハーブや植物で作った薬 | 91.72 |
スパイスとハーブ | 29.02 |
ベリー類 | 9.86 |
飲み物 | 8.30 |
チョコレート | 4.93 |
ナッツ類 | 4.57 |
フルーツ/フルーツジュース | 1.25 |
シリアル | 1.09 |
野菜 | 0.80 |
調味料 | 0.77 |
赤ちゃん用の食品 | 0.77 |
スープ/ソース/ドレッシング | 0.63 |
スナック/ビスケット | 0.58 |
油/オイル | 0.51 |
豆類 | 0.48 |
デザート/ケーキ | 0.45 |
穀物 | 0.34 |
肉 | 0.31 |
鶏肉 | 0.23 |
ミックス | 0.19 |
乳製品 | 0.14 |
魚 | 0.11 |
卵 | 0.04 |
上位の2つは食品というよりは薬で、100g当たりでみるとものすごい抗酸化物質の量になっていますが、薬やサプリは100gも飲まないのでここでは置いておきます。そうすると、普段の食事で抗酸化物質を増やしたい場合にはベリー系やナッツ、ハーブ類、チョコレート、フルーツ・野菜、飲み物(お茶やコーヒー)を増やすのが良さそうですね。
ちなみに上記のランキングで下位にある食品であっても抗酸化物質が少ないだけで、健康に悪いというわけではないので注意してください。例えば、下位2つの魚や卵が栄養面や良質な脂質で健康にいいことは周知の事実ですよね。
抗酸化物質が特に多い食品とは
先ほどのランキングでは食品を24分類で括っていましたが、1つの分類の中でも食品によって抗酸化物質の量に多かったり少なかったりとがあります。そこで、具体的な食品単位でどんなものが抗酸化物質が多かったのかを見てみると
- ベリー類
ベリー類はどれも抗酸化物質が多い傾向がある。しかし、ジャムになってしまうと抗酸化物質は少なくなってしまうので注意。 - チョコレート
ブラックチョコレートのようにカカオの含有率が高いほど抗酸化物質も多い。ホワイトチョコレートになると抗酸化物質の量はブラックチョコレート(カカオ70%以上)の5分の1以下になってしてしまうので注意。 - 飲み物
コーヒーやお茶、紅茶、赤ワインなどが抗酸化物質が多く含まれている。ただしコーヒーはミルク入りだと抗酸化物質の含有量は低下してしまう。ソフトドリンクやビール、水は抗酸化物質はほとんどない。 - ナッツ
ナッツの中ではくるみがダントツで抗酸化物質が多い。他にもピーカンナッツやひまわりの種、クリの実なども良い。 - スパイスやハーブ
どのハーブも抗酸化物質がかなり多く含まれている。しかし、スパイスやハーブは調味料の部類なので、一度に多くの量を摂取できないのが難点。 - 野菜やフルーツ
生の野菜やフルーツも抗酸化物質を多く含むが、100g当たりの抗酸化物質でみると、水分の抜けたドライフルーツが抗酸化物質の量が比較的多くなっている。
という感じ。どれも健康に良い定番の食品ではありますが、アンチエイジングや健康を高めたい人は改めてこれらの食品を増やしてみると良いのではないでしょうか。
まとめ
本稿では「抗酸化物質の多い食品」についてお話ししました。
ポイントをまとめると
- 抗酸化物質を増やすと体は健康になり、老化も遅らせることができる
- 3100の食品を調べて分かった抗酸化物質が多い食品は、ハーブ・ベリー類・ナッツ(特にくるみ)・ダークチョコレート・お茶やコーヒー・赤ワイン・野菜・フルーツ
ということですね。
個人的にはベリー系とくるみ、ダークチョコレートは、普段あまり食べないので増やしてみようかなと思いました。それぞれ含まれる抗酸化物質の種類も違うので、色々な食品から抗酸化物質をとると良いかもしれませんね。
以上、本稿はここまで。
[参考文献]