10日間のがっつりとしたマインドフルネス訓練で得られた様々な効果とは?
マインドフルネスとは「雑念にとらわれずに今ここに集中すること」で、マインドフルネス瞑想などを通じて広く実践されるようになりました。これまでの研究でもマインドフルネスには様々な効果があることが確認されていて、
- ストレスの低減
- メンタル面の改善
- 自己コントール能力の向上
- 集中力の高まり
などが確認されています。
そこで、メルボルン大学の研究(*1)では
- 10日間のマインドフルネスの訓練プログラムで、メンタル面や認知能力がどのように向上するのか?
を実験していましたので、本稿ではその中身を見ていきましょう。
マインドフルネス訓練とその効果
この研究では20名を対象に、10日間のマインドフルネスの訓練を実施しています。どのような訓練なのかというと、
- 10日間のやることの時間割はみっちりと決められている
- 訓練の間はゲームみたいな娯楽は禁止
- 10日間で合計110時間の瞑想訓練をする
といった感じのかなりがっつりとした訓練になっています。
それで、この訓練の前後で参加者のメンタルや認知能力にどのような変化が起きたのかというと、
- 自分の実感としてマインドフルネスが向上した
- 反芻して同じことが頭に思い浮かんでしまうことが減った
- 気分の落ち込みが改善した
- ネガティブな感情が減った
- ワーキングメモリが向上した
- 集中力が持続できるようになった
ということ。マインドフルネスにより様々な良い効果が得られていて、これは嬉しいですね。
ちなみに、マインドフルネスが改善しなかった項目もあって
- タスクの切り替えにかかる時間はマインドフルネスでも改善されなかった
ということ。なので、いくらマインドフルネスで集中力を向上させたとしても、マルチタスクで複数のことを同時にやろうとするとパフォーマンスは低下してしまうでしょう。
なぜマインドフルネスは効果が高いのか?
マインドフルネスの重要なポイントは2つあって、
- 今ここに集中して、自分の内面や外の刺激に気づきを得る
- 考えや感情を判断することなくありのままに受け入れる
ということです。
この2つのポイントは、上記で説明したマインドフルネスの様々な効果の源泉にもなっているようで、
- 今ここに集中すると普段は気づけなかったことにも気づけるようになる
- 判断することなくありのままに感情や考えを受け入れることで、嫌なことにも過度に反応しにくくなる
- 客観的な視点に立つことができて、考え方の柔軟性や行動の選択肢が広がる。
- マインドフルネス瞑想を実践するとリラックスできるので、気分が改善したり、のびのびとパフォーマンスが発揮できるようになる
といったことがメンタルの改善や認知能力の向上につながっているようです。
まとめ
本稿では「マインドフルネスの10日間の訓練の様々な効果」についてお話ししました。
ポイントをまとめると、
- マインドフルネスの訓練で、メンタルが改善し、ワーキングメモリや集中力といった認知能力の向上する
- マインドフルネスでも、タスクの切り替えはうまくならないので、マルチタスクでパフォーマンスは落ちてしまう
- マインドフルネスの実践には「今ここに集中すること」と「判断せずにありのままに受け入れること」の2点が大切
ということです。
今回の研究は10日間のがっつりとした訓練でした。10日間も時間が取れなくても、マインドフルネス瞑想だけなら1日5分とかでもできるので少しずつトライしてみてはいかがでしょうか。
以上、本校はここまで。
[参考文献]