筋トレは多関節と単関節のどちらの種目を先にやるのが良いのか?の新しいメタ分析

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筋トレには様々な種目があって鍛えられる筋肉も違うため、どの種目を選ぶかは当然重要です。しかし、大切なのは種目の選定だけでなく、選んだ種目を実施する順番でも筋トレの効果は変わってきます。最初に行う種目は100%の力が発揮できますが、後半になるほど疲労が蓄積して力が発揮できなくなるので、どの種目を最初に持ってくるかが大切なんですね。

そこで本稿では、

  • 筋トレは多関節種目と単関節種目のどちらを先にやる方がいいのか?

について新しくメタ分析してくれた研究を見ていきましょう。

多関節種目と単関節種目

筋トレには様々な種目がありますが、それらは単関節種目と多関節種目という二つの分類の分けることができます。

単関節種目とは一つの関節しか動かさない種目のことで、アームカールやサイドレイズといった種目が当てはまります。これらの種目は動きも小さく使う筋肉も少ないので、比較的軽い重量しか扱えません。ピンポイントに特定の筋肉を狙ったトレーニングだったり、メイン種目の後で行うサブ種目として採用されることが多いのが単関節種目ですね。

一方で多関節種目とは、二つ以上の関節を動かす種目のことで、例えばベンチプレスやスクワットなどが多関節種目に当てはまります。多関節種目は単関節種目よりも動きが大きくなり、使う筋肉の範囲も広くなるため、高重量をガッツリをあげるようなメイン種目が多くなります。

一般的に言われているのは、メインの多関節種目を最初に行って、その後でサブ種目として単関節種目を行うのが良いということ。最初の単関節種目で特定の筋肉を披露させてしまうと、その筋肉だけがネックになって多関節種目全体の筋力が落ちてしまいます。そのため、最初に多関節種目で高重量をガッツリ扱った後で、単関節種目で細かな筋肉を鍛えるというのが理想だと考えられるわけですね。

筋肥大と筋力で種目の順番の効果が違うのか?

今回注目する研究では、多関節種目と単関節種目の順番を実験した11件の先行研究をメタ分析でまとめています。

この研究では筋肥大と筋力を分けて効果の分析を行っていて、筋肥大は筋肉が肥大して大きくなること、筋力は持ち上げられる最大重要が伸びることを意味します。

結果:種目の順番と筋力の伸び

まず最初に多関節種目と単関節種目の順番が筋力の伸び与える効果の違いの結果を見てみると、

  • 多関節種目→単関節種目の順番では、多関節種目の筋力の伸びが大きかった
    (効果量d=0.32)
  • 単関節種目→多関節種目の順番では、単関節種目の筋力の伸びが大きかった
    (効果量d=−58)

ということ。

つまり、簡単に言えば筋力は最初にやった種目ほど伸びやすいということ。筋力を伸ばすには回数は少なくていいから高重量を上げることが大切だと言われています。なので、まだ疲労がない最初の方にガッツリと高重量を扱った方が筋力は伸びるわけですね。

結果:種目の順番と筋肥大

次に筋肥大の効果の違いを見てみると、

  • 多関節種目と単関節種目の順番を変えても、筋肥大の効果に差は出なかった
    (効果量d=−0.02)

ということ。

面白いことに、筋力は最初にやった種目ほど伸びましたが、筋肥大では種目の順番は関係ないという結果になっています。もともと筋肥大には重量でなくボリュームが大切だと言われています。なので、疲労が溜まって重量が落ちても、回数を稼げれば筋肥大の効果は十分に得られるんですね。

まとめ

本稿では「多関節種目と単関節種目の順番」についてお話ししました。

ポイントをまとめると、

  • 多関節種目でも単関節種目でも、筋力は最初に行った種目の方が伸びやすい
  • 筋肥大は多関節種目と単関節種目のどちらを先に行っても変わらない

ということ。

なので最大重量を伸ばしたい種目があれば、その種目を最初に行うと良いでしょう。多関節種目は高重量を扱うため、怪我のリスクなども考えると、前半の疲れがないうちに行うのが良いかもしれませんね。筋肥大は特に順番は関係ないので、大きくしたい筋肉は重量よりもボリュームを増やしましょう。

以上、本稿はここまで。


[参考文献]

*1 : What influence does resistance exercise order have on muscular strength gains and muscle hypertrophy? A systematic review and meta-analysis

Naoto

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