マインドフルネスがチームで高ければ、仕事のエンゲージメントがさらに向上するか?

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マインドフルネスとは「今ここに集中」すること。頭の中に浮かんでくる雑念や感情に振り回されることなく、今行っている活動にマインドを集中させるということですね。

今ここに集中するのは難しいように思えますが、瞑想をしたり、食事を集中して味わったりなどの方法でもマインドフルネスは鍛えられます。そして、マインドフルネスを実践すると

  • 集中力の向上
  • ストレスの低減
  • 幸福感の向上

とした色々な良い効果が得られることが分かっているので、やらなきゃ損とも言えます。

こうしたマインドフルネスの背景から、マインドフルネスを仕事に取り入れる企業も増えていて、Googleがマインドフルネスをいち早く取り入れたことは有名な話です。マインドフルネスで仕事の集中力が向上できれば、パフォーマンスアップも期待できますし、ストレスの低減や働きがいの向上なども狙えるので、従業員にとっても会社にとってもお得なんですね。

そこで本稿では

  • マインドフルネスは個人的に仕事に取り入れても効果があるけど、チーム全体として高められればもっと良い効果があるのでは?

ということを調べてくれた研究を見てみましょう。従来のマインドフルネスの研究は個人ベースで行われることが多かったのですが、この研究ではチームベースで分析しているのが面白い観点であります。

マインドフルネスと仕事のチーム

この研究(*1)では、84チームにわたる311名の従業員を対象にマインドフルネスの測定を行なっています。具体的に測定された指標としては

  • 個人毎のマインドフルネス
  • チーム毎のマインドフルネス
  • 仕事のエンゲージメント
  • ストレスからのリカバリレベル

ということ。6ヶ月間に3回の測定が行われていて、エンゲージメントやストレスの変化にマインドフルネスがどう影響しているのかを分析しています。

結果:個人のマインドフルネスの効果

早速分析の結果を見てみると、まず個人のマインドフルネスの効果として

  • 個人のマインドフルネスが高いほど、仕事のエンゲージメントが高かった
  • 個人のマインドフルネスが高いほど、ストレスのリカバリレベルも高かった
  • ストレスのリカバリが高いほど、仕事のエンゲージメントも高かった

ということ。

やはり個人のマインドフルネスでもしっかりとストレス低減やエンゲージメントの向上に役に立つことが確認されています。

また、ストレスが減ることでエンゲージメントが向上する効果も確認されていて、これは資源保存理論とも一致します。資源保存理論とは、リソースが豊かな人はどんどんと豊かになり、リソースが貧しい人は新しいリソースを獲得しにくく貧しいままになりやすいというもの。マインドフルネスでストレスが低減されれば、悩む時間が減ったりポジティブな姿勢が得られて、それが仕事の集中力やモチベーションにつながり、仕事に集中できればスキルの向上が加速して働きがいも向上するという感じで、ポジティブなリソースが連鎖的に増えていくことが期待できるわけですね。

結果2:チームのマインドフルネスの効果

個人のマインドフルネスでも効果はありましたが、さらにチームのマインドフルネスの影響も見てみると、次のグラフが得られています。

これはストレスのリカバリレベルをプロットしてグラフで

  • チームのマインドフルネスが低いと、個人のマインドフルネスが高くてもそれほどリカバリレベルは向上しない(下の直線のグラフ)
  • チームのマインドフルネスが高く、さらに個人のマインドフルネスも高まると、ストレスのリカバリレベルがグッと向上する(上の点線のグラフ)

ということが読み取れます。

つまり、マインドフルネスは個人として効果があることはもちろん、チームとしてマインドルネスを高められればもっと効果が向上できるということなんですね。

まとめ

本稿では「仕事のチーム全体のマインドフルネスの効果」についてお話ししました。

ポイントをまとめると

  • 個人としてマインドフルネスが高いと、仕事のエンゲージメントの向上しストレスの低減できる
  • チームとしてマインドフルネスが高いと、個人のマインドフルネスの効果がさらにアップできる

ということ。

マインドフルネスとは今ここに集中することですが、感情的にならずに客観的に物事を観察できることも含みます。なので、マインドフルネスが高いチームとは、ストレスのかかる状況であっても、お互いを受け止めてあげられるチームという意味もあるので、そうしたチームを目指していきましょう。

以上、本稿ではここまで。


[参考文献]

*1 : The Influence of Individual and Team Mindfulness on Work Engagement

Naoto

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