【趣味と健康】アートが好きな人ほど寿命が長いという研究
充実した人生を送るためには、何らかしらの趣味を持つことも大切です。定年で退職した後で、楽しめる趣味がなければ、残りの人生がなんとなくつまらなくなってしまいそうですよね。
それではどんな趣味がいいのかについては色々あって、スポーツをすれば体の健康も高められますし、何かのコミュニティに入れば人間関係を広げることができます。ガーデニングのような自然を触れ合う趣味も健康に良いですし、クリエイティビティを発揮して何かを作るのも脳に良いでしょう。
つまり、色々な趣味があって、どれもそれぞれ良い面があるわけですが、本稿ではこうした趣味の候補の中から
- 趣味としてアートを楽しむ人は、寿命が長いのか?
について調べてくれた研究を見てみましょう。
アートと寿命
今回注目するのは、アートと寿命の関係について調べたロンドン大学の研究です。この研究の特徴としては
- 50歳以上の6710人が対象
- 14年間にわたって追跡調査し、その中で起きた2001人の死亡記録を分析
- 寿命へ影響する要因として、性別や年齢の人口統計、収入や教育などの社会ステータス、身体的・心理的な健康状態、飲酒や喫煙などの習慣行動、趣味や親しい友達の有無などの社交面、といった幅広い要因を考慮
といった感じになっています。
そしてこの研究では、アートに関する活動も分析がされているのですが、自分がアートをする側である必要はなく、
- 劇場やオペラ、コンサート、博物館、美術館などに行く
というように、アートを見る側の活動も含んでいます。
結果:アートの頻度と寿命
早速分析の結果を見てみると、
- アートを1年間全く見ない人の死亡数は、1000人当たり6人だった
- アートを1年に1~2回ほど見る人の死亡数は、1000人当たり3.5人だった
- アートを1年に3回以上見る人の死亡数は、1000人当たり2.4人だった
ということ。
アートをよく見る人ほど死亡数が低いことが分かります。
それでは、なぜアートを見る人ほど寿命が長いのかの要因分析の結果を見てみると、アートをよくみる人の特徴として
- 認知能力(記憶力や脳の処理速度など)が高かった(15.2%)
- 社会的交流や趣味の活動へのエンゲージメントが高かった(12.1%)
- 移動能力に問題を抱えていることが少なかった(12.1%)
- 健康に良い行動習慣だった(9.1%)
- 経済的に豊かな傾向があった(9.1%)
- 座っている時間が少なかった(6.1%)
- 孤独であることが少なかった(6.1%)
ということ。
ざっとみると、アートが好きな人は脳が衰えにくくて認知能力が高い、そして趣味や社会的交流に活動的で多く孤独になりにくい、という2点が長い寿命の秘訣として影響していそうですね。
まとめ
本稿では「アートを見る人ほど寿命が長いのか?」というお話をしました。
ポイントをまとめると、
- アートを見る頻度が多い人ほど、死亡率が低くて寿命が長い傾向がある
- 寿命が長い要因としては、認知能力が高く維持できていることや、社会的交流に積極的なことが考えられる
ということ。
今回の研究ではアートを見るだけでも寿命が長いをいうことで、美術や音楽、博物館など幅広いものに興味を持つようにすると、脳のボケにくくなるのかもしれませんね。もちろん、自分でアートを実践するのも、クリエイティビティが刺激されていいかもしれませんね。
以上、本稿はここまで。
[参考文献]