野菜とフルーツを増やすだけで体重は減らせるのか?
ダイエットの基本は摂取カロリーよりも消費カロリーを多くすること。そのため、食事制限で摂取カロリーを減らすことも、運動で消費カロリーを増やすことも、両方がダイエットにプラスに働きます。
そこで本稿で考えていくのは、
- 野菜とフルーツを食べる量を増やすことで体重は減るのか?
ということ。
野菜とフルーツは他の食品と比べればカロリーは低いものですから、野菜とフルーツの摂取量を増やせば自然と総摂取カロリーが減ることが期待できます。しかし、ジャンクフードを食べる罪悪感をサラダを頼むことで和らげてしまうように、野菜やフルーツを増やしても元の食生活に上乗せするだけなら、逆に摂取カロリーは増えてしまうだけです。
本稿ではこの点について調査してくれたケンブリッジ大学らの研究を見てみましょう。
野菜とフルーツを増やすだけで痩せるのか?
ケンブリッジ大学の研究では
- 野菜とフルーツをたくさん摂取グループ
- 野菜とフルールをあまり摂取しないグループ
の2つのグループを作って比較実験した8件の研究をメタ分析でまとめています。
これらの研究では
- 実験の期間は4〜52週間だが、平均すると14.7週間ほど
- 2つのグループでの野菜・フルールの摂取量の差は133gほど
となっています。
野菜133gがどのくらいの差かというと、大きめのトマトで半分くらい、玉ねぎでも半分ちょっと。つまり、日々のちょっとした野菜の摂取量の差がどれだけ体重に影響するのかが調べられたわけですね。
結果:体重と摂取カロリー
早速メタ分析の結果を見てみると、
- 野菜を多く摂取したグループの人は、0.68kgほど体重が大きく減っていた
- 野菜を多く摂取したグループの人は、摂取カロリーが54〜116kcalほど低くなっていた
ということ。
効果の程度としては小さめとなっていますが、確かに野菜を多く摂取した人の方が痩せやすいという結果になっています。ただし、8件の研究の中から大きな効果のでた1つの研究を除くと、この効果はなくなってしまうようなので、そこまで有意な効果でもないみたいです。
つまり、結論としては
- 野菜とフルーツを増やすことを意識するだけでも、体重は少しだけ減る可能性はある
くらいのもの。ちゃんと体重を減らしたいのであれば、高カロリーなお菓子の代わりにフルーツにする、サイドメニューをサラダに置き換えるなど、野菜を増やすと同時に他のカロリーを減らすと良いでしょう。
まとめ
本稿では「野菜とフルーツを増やすだけで体重は減るのか?」についてお話ししました。
ポイントをまとめると、
- 野菜とフルーツをたくさん食べるように意識すると、少しだけ体重が減る可能性はある
- 体重をちゃんと減らしたいなら、しっかりとカロリー制限したり、運動をした方が良さそう
ということ。
野菜やフルーツには健康にとって非常に良いものですから、摂取量を増やすこと自体はもちろんいいことです。しかし、目的が体重を減らすことになると、野菜を増やすよりも、高カロリーな食品を控える方がずっと影響力は大きいようですね。
以上、本稿はここまで。
[参考文献]