畏敬の念ってなんなのか?畏敬の念で自分が変わるかもという研究

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畏敬の念とは、「大自然や神などの崇高なものに、おそれうやまう気持ちを感じること」と言います。

これでは少し分かりにくいので具体例をあげると、

  • 富士山の頂点から広大な大地を見渡したときの感動
  • 宇宙飛行士が宇宙から地球を見たときの感動
  • ものすごく尊敬できる人に出会って感服する気持ち

など、自分の理解を超えるものに触れて、自分がちっぽけに思えるような体験のことですね。

それで畏敬の念を感じることは、自己中心的な認識から抜け出して、より大きな視点で物事を考えることに役立ったり、畏敬の念を感じる人ほど幸福感が高いということも分かっています。

そこで本稿では、

  • 畏敬の念は具体的にどのような要素を持つ体験のことなのか?
  • 畏敬の念は自分を変えるきっかけとなるのか?

についてまとめてくれた文献(*1)を見ていきましょう。

畏敬の念の2要素と5パターン

まず最初に、畏敬の念がどのような体験かというと、次の2つの要素を含む体験のことを言います。

  • 広大さ(Vastness)
    広大さには、知覚的な広大さと、概念場の広大さの両方を含みます。まず知覚的な広大さとは、「山の頂点から広大な大地を見渡す」ように、五感を通じて近くする広大さのこと。そして、概念場の広大さとは、「複雑な現象を解明する真理を見つけたとき」のように、思考の中で広大な考えに達することです。
  • 順応の必要性(Need for accommodation)
    それまでの思考から抜け出して、新しい思考へと移行すること。例えば、アインシュタインの相対性理論では、時や空間の概念そのものの理解を変える必要がある。ただし、この要素には斬新さや驚きも含まれるため、広大な自然に驚いて、自分がちっぽけに感じられたとかの思考の変化も含まれる。

ということ。

つまり、これまでの自分の理解を超える、自分よりもずっと大きな存在に触れて、思考が変わるような体験のことですね。

畏敬の念の体験の5パターン

そして、より具体的に畏敬の念の体験には次の5パターンがあると言います。

  • 恐れ
    何か恐れを感じるものに対面するタイプの体験。例えば、ロッククライミングで危険な崖を登るとか、命懸けでエベレストの頭頂に挑むとか。急死に一生を得た人が、その後に人生観が大きく変わることがあるのも、このタイプの畏敬の念なのかもしれませんね。
  • 美しさ
    広大な自然を見たときの感動や、システィーナ礼拝堂の天井の美しさに感動するとか、美しいものに惹かれるタイプの畏敬の念。
  • 能力
    卓越した能力を持った人と対面したときに、あまりの凄さにその人を称賛するような体験。例えば、ものすごく上手な歌手の歌を聞いたときや、アスリートのプレイを目の前で見たときにその凄さに感動するような体験。
  • 美徳
    格別に道徳的なものに触れたときの体験。例えば、聖人の人生を綴った本を読んで感動したり、ガンジーのような徳の高い人を見て、自分ももっと道徳的になろうと思えるような瞬間。
  • 神秘
    このパターンは明確な定義が決まっていないが、スピリチュアルな体験や宗教的な体験など、神秘的な体験で畏敬の念を感じること

なので、畏敬の念を感じたかったら、この5つのパターンから自分の世界を変えてくれそうなものに触れてみればいいわけですね。

畏敬の念は自分を変えるのか?

畏敬の念を感じたときには

  • より広大な世界に触れて、それまでの自分の小さな思考に気づく
  • その広大な世界に合わせて、思考が一つレベルアップする

といったことが起きるわけです。

そのため、畏敬の念を感じた人は、

  • 自己中心的な行動が減って、社会的な行動が増える

ということが分かっています。例えば、広大な自然に触れたときには、環境に良い行動が増えるなど、畏敬の念をきっかけに思考の変化が行動まで変えることがあるんですね。もちろん畏敬の念のインパクトの強さにもよると思いますが、その体験は確実に一つの自己超越的な気づきを与えてくれて、一時的あるいは恒久的に行動が変わる可能性があるわけです。

まとめ

本稿では「畏敬の念とはどういう体験なのか?」についてお話ししました。

ポイントをまとめると、

  • 畏敬の念とは、「広大さ」に触れること、その広大さに「順応」して思考が変化することの2つを含む体験
  • 畏敬の念の体験には、「恐れ」「美しさ」「能力」「美徳」「神秘」の5つのパターンがある
  • 畏敬の念を感じると、それまでの思考が一新して、行動まで変化する可能性がある

ということ。

私も初めてソロキャンプに行ったときに、広大な大自然の眺めに畏敬の念を感じたことを覚えています。そのときに、自分はちっぽけな存在に思えると同時に、自分も地球の一部であることを実感して、なんだか仕事の悩みとかそんなものが本当はちっちゃなことで、もっと自分らしく生きることが大切なんだと考えも変わったんですね。

なので、たまには大自然を満喫するとか、スカイダイビングに挑戦してみるとか、広大さを求めてみるのもいいでしょう。

以上、本稿はここまで。

Naoto

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