持続的に幸福感は向上するには、毎日ユーダイモニックな行動をしよう
人それぞれ幸福の感じ方は千差万別で、幸福とは何かを一言で表すことは難しいもの。
しかし、幸福にもいくつかの考え方や分類の仕方があって、ユーダイモニックな幸福とヘドニックな幸福の2つの幸福感があります。
本稿ではこの2つの幸福に基づいて
- ただ楽しくなれる行動をする人よりも、生きがいを感じる行動をする人の方が、幸福感は向上するのでは?
について調べてくれた研究を見てみましょう。
ユーダイモニックな幸せとヘドニックな幸せ
ユーダイモニックな幸福とは、「自分の人生のポテンシャルを最大限発揮するような幸福」のこと。このタイプの幸福には、
- 豊かな人間関係
- 自律
- 成長
- 自己受容
- 人生の意義
- 人生のコントロール感
といったことが関連しています。社会的に意義のある仕事に打ち込んだり、スポーツで世界一を目指して頑張ったりと、長期的な自己実現に向かうような幸せのイメージですね。
これに対してヘドニックな幸福とは「快楽的な幸福」で、楽しさやといったポジティブな感情を増やして、苦痛などのネガティブな感情を減らすこと。例えば、美味しいものを食べて嬉しいとか、ゲームをして楽しいなど、この手の幸福は瞬間的に得られるものの長続きはしないことが特徴です。
どちらの行動が幸福感を高めるのか?
ルイビル大学の研究では、65人を対象にして、毎日の行動と幸福感のデータを取得しています。
毎日の行動を分析すると、
- 一時的な快楽を求めるヘドニックな行動が多い人
- 生きがいや成長を目指したユーダイモニックな行動が多い人
の違いが出てくるので、この差がどのように幸福感に影響するのかを調べたんですね、
結果
早速、結果を見てみると、
- ユーダイモニックな行動をした人は、その日のポジティブな感情が向上し、ネガティブな感情は低下していた
- ユーダイモニックな行動をした人は、人生の意義を強く感じ、幸福感が向上していた
- ヘドニックな行動をした人は、幸福感は特に変わらず、人生の意義は低下してしまっていた
ということ。
やはりユーダイモニックな行動はヘドニックな行動よりも幸福感を大きく向上してくれるという結果になっています。この研究では毎日の終わりに幸福感の測定をしているので、ヘドニックな行動の喜びはすでに薄れてしまっているのかもしれませ。
この幸福感の持続性について、もう一つ大事なことがわかっていて
- ユーダイモニックな行動をした人は、翌日の幸福感も向上したままであった
ということ。
つまり、ヘドニックな幸福はすぐに薄れてしまう反面で、ユーダイモニックな幸福は長続きするんですね。幸福になりたいときは、快楽的な行動を増やすことよりも、生きがいや人生の充足感を増してくれる行動を選ぶことが大切ということですね。
まとめ
本稿では「持続的に幸福感を向上する行動」についてお話ししました。
ポイントをまとめると、
- 一時的な快楽を求めた行動は、瞬間的にポジティブを高めてくれても、持続的に幸福感は高まらない
- 自律や成長、生きがいなど、人生の意義を高める行動をすると、持続的に幸福感が高まる
ということ。
快楽的な楽しみが全くない人生もつまらないので、2つのバランスが大切なのかもしれません。生きがいを感じるような活動を持ちつつ、週末に快楽的な楽しみをするなど、うまく両方を楽しめれば良いのではないでしょうか。
以上、本稿はここまで。
[参考文献]
*1 : Being good by doing good: Daily eudaimonic activity and well-being