音楽を聴くとタスクのパフォーマンスが上がるのか?について

本稿のテーマは「音楽とタスクのパフォーマンス」についてです。

勉強や仕事、車の運転などの何かのタスクをしながら音楽を聴くという人は多いと思います。私も学生時代に勉強するときには好きな音楽を聴きながら勉強をしていました。そこで気になったのが、音楽を聴きながら勉強すると勉強の効率が悪くなってしまうのではないかということです。

調べてみると、ノイズと音楽がタスクに与える影響をまとめてくれた面白い論文があったので、本稿ではその内容をシェアしたいと思います。

ノイズがタスクに与える影響

ノイズ(雑音)はタスクのパフォーマンスに悪い影響を与えてしまうことが様々な研究でわかっていますので、これらの悪い効果についてみていきましょう。

ノイズは睡眠を妨げる
まずノイズは睡眠を妨げる効果があり、すると翌日のパフォーマンスも下がってしまいます。飛行機や車の交通音、隣人の生活音など、特に都会に住む人ほどノイズが多い傾向にあり、ノイズが原因の睡眠障害も多いということです。

ノイズはタスクのパフォーマンスを下げる
ノイズはタスクのパフォーマンスを下げてしまいます。特にタスクの種類としては、勉強や読書などの理解力が必要なタスクと、監視などの警戒心の必要なタスクのパフォーマンスに悪い影響があるということ。

■突発のノイズと持続的なノイズの両方悪い
ノイズにもいくつか種類があって、うるさいエアコンのような持続的なノイズもあれば、物の落下音のような突発のノイズもあります。研究によるとどちらのノイズもタスクのパフォーマンスの悪化につながってしまうみたいです。

音楽がタスクに与える影響

音楽はタスクに対してパフォーマンスを上げることもあれば下げてしまうこともあるみたいで判断が難しいようです。

音楽はパフォーマンスを上げることもある
まず音楽には集中力をあげる効果があるようです。試合前のスポーツ選手が音楽を聴いて集中しているような感じですね。実際に研究でも音楽を聴いた後に空手を行うとパフォーマンスが向上したという結果も得られているようです。また、特定の信号を識別するタスクや、監視のように警戒心の必要なタスクでも音楽がパフォーマンスを上げたという研究結果もあるとのこと。音楽がこれらのパフォーマンスを上げることができたのは、音楽がモチベーションを上げてくれたり、活力を感じさせてくれるからのようです。

■音楽がパフォーマンスを下げてしまうこともある
一方で音楽はタスクの種類によってはパフォーマンス下げてしまうようで、例えば勉強や読書といった理解力が求められるタスクの場合には音楽は悪影響を与えてしまうようです。また、テンポの速い音楽はタスクをこなすスピードを上げてくれる一方で、タスクのミスも増やしてしまうという副作用もあるという面白い研究結果もあります。

運転と音楽
音楽を聴きたくなる場面といえば運転中ではないでしょうか。それでは運転中に音楽を聴くのが良いのかというと、適切なレベルの音楽だったら良いんじゃないということです。音楽を聴くと音楽に意識を向けるため、周囲への警戒が弱まってしまうというリスクもあるので、物凄い音量でガンガンと音楽をかけるのはオススメできません。一方で、音楽は運転を快適にしてくれる効果があるので、例えば渋滞などでイラつくような場面では、音楽に意識を向けることが逆に良いリラックス効果になります。なので、運転中の音楽は適切なレベルで快適に楽しみましょうということです。

まとめ

本稿では音楽とタスクのパフォーマンスについて紹介しました。

ポイントをまとめると

  • ノイズは悪い効果しかないのでとにかく避けるべし
  • 音楽は集中力をあげたりモチベーションを上げる良い効果がある
  • だけど理解力が必要なタスクでは音楽は聞かない方が良さげ
  • 運転中の音楽は快適なレベルにしよう

ということです。

私も学生時代によく音楽を聴きながら勉強していましたが、勉強は理解力を上げるタスクにあたるので、それは効率が悪かったようですね。確かに今でも読書をするときに音楽を聴くと、音楽に気がとられて読むスピードがだいぶ遅い気がします。皆さんもタスクの種類や場面に応じて音楽を使い分けられると良いと思うので、本稿の知識をぜひ活用してみてください。

以上、本稿はここまで。

[参考文献]
*1:Effects of noise and music on human and task performance: A systematic review

Naoto

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