悪い職場と良い職場のレイアウト、職場の環境面で気をつけるポイントとは何か?
本稿で注目するのは、職場のレイアウトやデスク・観葉植物などのオブジェクト、雑音、部屋の明るさといった、職場の環境面の良し悪しについて。ザッポスのように自分のデスクを思うがままにカスタマイズしていい会社もあれば、共有デスクになっていて使い終わったら片付けなければいけない会社など、職場の環境面って意外と会社の風土と関係していますよね。
そこで本稿では、
- 職場のインテリア環境が、社員の健康と幸福にどのように関係するのか?
についてまとめてくれたデルフト工科大学の研究を見てみましょう。
職場のインテリア環境と幸福
デルフト工科大学の研究では、職場のインテリア環境について調べた50件の研究結果をレビューしてまとめています。これらの研究でどのようなポイントが調べられたのかというと、
- レイアウトの違い(オープンスペースと個別ブース)
- デスクや椅子などの家具
- 職場の照明の明るさ
- 観葉植物などの緑の多さ
- 職場環境の個人的コントロールの多さ
- 雑音の多さ
となっています。
結果:良い職場と悪い職場の違いとは?
それでは早速これらのポイント別に研究結果を見ていきましょう。
- レイアウト
一人一人のデスクがブースでなく、オープンスペースで見渡せるような職場環境は、身体的にも心理的にも健康・幸福感に悪く、人間関係にもマイナスになっていた。しかも、職場の人数多いほどオープンスペースの悪影響も大きかったということ。オープンスペースだとコミュニケーションが取りやすそうに思えますが、逆に他の人に見られている感覚も増えてしまうので、仕事に関係ない雑談はしにくくなってしまうのかもしれませんね。
- デスクやイス
腰痛防止などの人間工学に基づいた家具であったり、高さなどを自分に合わせて調整できる家具は、不快感や体の痛みを軽減していた。さらに、座り仕事用の高さと立ち仕事用の高さを切り替えられるスタンディングデスクや、椅子の代わりに使用できるエアロバイクなど、体の運動量を増やして座り時間を減らしてくれるタイプの家具は、血圧の改善などの健康効果もあったということ。
- 職場の照明
職場の照明は明るいほど社員の雰囲気が良くなり、幸福感も向上していた。さらに、日光を取り入れている職場では、睡眠の質の改善効果もあった。色温度(オレンジっぽい照明か、真っ白の照明かなど)の違いは特に影響はなかったということ。なので眩しいほど明るくすれば良いというものでもありませんが、職場に十分な明るさは確保するようにしましょう。
- 緑の多さ
職場に観葉植物などの緑が多いほど、社員の健康は高まっていたということ。観葉植物には、目で見ることのリラックス効果や、空気を洗浄する効果もあるので、その恩恵が受けられているのかもしれませんね。さらに、自然の景色が見える職場や、自然の景気をポスターなどで取り入れていた実験でも、健康にポジティブな効果を得られていたということ。基本的に自然を取り入れることに悪い効果はないようなので、ところどことに緑を増やすと良いでしょう。
- 個人のコントロール
自分のデスク周りを自分の好きなようにカスタマイズできると、心理的な幸福感が高まり、ストレスが減っていた。さらに、一部分でも自分でコントロールできることがあれば、それが他の部分のコントロール感も高めてくれていたということ。なので、デスク周りなどの個人の仕事スペースはできるだけその人自身でコントロールできるようにしてあげましょう。
- 雑音
周囲の雑音のレベルが高いほど、社員のストレスや集中力に乱れ、疲労感が高まり、社員の幸福感も低下していたということ。まあ当たり前ですが、ガヤガヤとうるさい職場は社員の集中や幸福感を低下してしまうわけですね。なのでノイズ対策はしっかりとしておきましょう。
まとめ
本稿では「良い職場と悪い職場の環境面」についてお話ししました。
ポイントをまとめると、
- オープンスペースのレイアウトはダメ
- デスクは椅子は個人ごとの調整可能なもの、できれば座り時間を減らしてくれるスタンディングデスクが良い
- 職場の照明は十分に明るくすること
- 緑はポスターなどの偽物でもいいので取り入れた方が良い
- 個人でコントロールできる余地をあげた方が良い
- 雑音は当然少ない方が良い
ということ。
スタンディングデスクは私も活用しているのですが、かなりおすすめなので一度使ってみて欲しいです。最初は慣れるまでが疲れるかもしれませんが、一度慣れればと座りっぱなしの腰痛や肩こりも無くなって快適になりました。
以上、本稿はここまで。
[参考文献]