他人の評価を気にするほど、プレッシャーに弱くなっちゃうよねという話

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練習では上手くできているのに、本番になるとプレッシャーでうまく実力を発揮できないことがあります。これは仕事の面接や、学校の試験、スポーツの試合など、色々な場面に当てはまるもので、誰しも経験があることでしょう。

そこで本稿では、プレッシャーに強い人と弱い人の違いとして、

  • 他人の評価を気にする人ほどプレッシャーに弱くなってしまうのでは?

ということを調べてくれた研究を見てみましょう。

実験:プレッシャーでパフォーマンスの低下する人の特徴とは?

バララット大学の研究では、プレッシャーが弱い場合と強い場合で、パフォーマンスに差が出やすい人の特徴を実験により確かめています。この実験が少し面白くて

  • バスケットのフリースローに50回挑戦したとき、プレッシャーが高い時にどれだけ成功率が低下してしまうか?

を測定しています。

参加者はバスケの経験者138人で、

  • プレッシャーが弱い状況でのフリースロー
    特にプレッシャーを与えずに、50回のフリースローを行ってもらう
  • プレッシャーが強い状況でのフリースロー
    フリースローが成功するたびにお金がもらえる。さらに周囲には4人の観客がいて、フリースローの様子をビデオで録画がされている

という2つの状況でフリースローを行っています。

そして、プレッシャーに弱い人の特徴を調べるために、

  • フリースローでどれだけ不安を感じているか?
  • 他人からネガティブな評価をされることをどれだけ気にするか?

といったことが測定されています。

結果:不安の感じ方の違い

最初に他人に評価を気にする人とあまり気にしない人で、不安の感じ方違いを見てみると、次のグラフのようになっています。

このグラフは、左が練習時の不安、真ん中がプレッシャーが低いフリースロー時の不安、右がプレッシャが高いフリースロー時の不安を表しています。そして2本の直線は、上側の点線が他人の評価を気にしやすい人の結果、下側の実線が他人の評価をあまり気にしない人の結果となっています。

このグラフからわかるのは

  • 他人の評価を気にする人は、他人の評価を気にしない人よりも、練習時から不安が高い傾向がある
  • さらに、プレッシャーが高い状況になると、他人の評価を気にする人は不安がグッと向上していた

ということ。

他人の評価をあまり気にしない人は、プレッシャーが高い状況でもあまり不安が上昇していません。つまり、他人の評価を気にするかどうかが、プレッシャーにうまく対処するための一つのキーポイントであるわけですね。

結果2:フリースローのパフォーマンス

それでは最終的なフリースローのパフォーマンスがどのように影響されたのを見てみましょう。

こちらはフリースローの成功率を表していて、先程のグラフと同様に、点線が他人の評価を気にする人、実線が他人の評価をあまり気にしない人になっています。

このグラフから分かるのは、

  • 他人の評価を気にする人は、プレッシャーが高まるとフリースローのパフォーマンスが低下してしまった
  • 他人の評価を気にしない人は、プレッシャーが高まってもフリースローのパフォーマンスは低下しなかった

ということ。

他人の評価を気にする人は、プレッシャーで不安がグッと高まっていたので、それがパフォーマンスにも影響してしまったのでしょう。

まとめ

本稿では「プレッシャーに強い人と弱い人の違い」についてお話ししました。

ポイントをまとめると、

  • 他人に評価を気にする人ほど、プレッシャーで不安が高まり、パフォーマンスも低下しやすい
  • 他人の評価を気にしない人は、プレッシャーが高い状況でも不安が高まらず、パフォーマンスの低下もしない

ということ。

失敗を恐れずに挑戦しようと言いますが、他人の評価を気にしていては、なかなか思い切って踏み出すことができません。スポーツの試合や仕事の面接の前など、プレッシャーが高い状況で不安を感じやすい人は、他人の評価を気にせずに「今自分がやるべきこと」に集中すると、高いパフォーマンスを発揮していけるでしょう。私も他人の目を気にしやすいタイプなので、普段からもっと自分らしさを発揮してこうと思いました。

以上、本稿はここまで。


[参考文献]

*1 : Choking under pressure: The role of fear of negative evaluation

Naoto

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