クレアチンで筋肉のダメージの回復が早くなるというメタ分析
クレアチンは筋トレをする人に定番のサプリメントで、トレーニングの後に飲むことで筋肉がつきやすくなると言われています。実際にクレアチンの効果は研究でも確認されていて、私も筋トレの後にはプロテインと一緒にクレアチンを飲むようにしています。
そこで本稿では、クレアチンが筋トレに与える効果として、
- クレアチンを飲むことで、筋トレ後のダメージの回復は早くなっているのか?
を調べてくれた研究を見ていきましょう。
クレアチンと筋肉の回復
そもそもクレアチンがどんな物質なのかというと、クレアチンは筋肉の中にいて、筋肉が使うエネルギーの生成を助ける物質です。
もう少し具体的にいうと、筋肉はATPを分解してエネルギーを得るのですが、ATPは限られた量しかないのですぐに枯渇してしまいます。そこでクレアチンが登場して、一度分解したATPを再生して、持続的に筋肉にエネルギーが供給されるようにしてくれているんですね。
そのため、筋肉の中にクレアチンが多く蓄えられれば、筋肉が使うエネルギーを多く供給できるようになり、筋トレのパフォーマンスも向上します。また、筋トレをして疲労すると、クレアチンも消費されて減ってしまいます。なので、筋トレのダメージから回復するためには、筋肉を再生するだけでなく、筋肉にクレアチンを再度補給してあげる必要もあるんですね。
クレアチンは体内で合成されるものですが、直接口から摂取しても筋肉のクレアチンの量を増やせることが分かっています。例えば、1日に20gのクレアチンを5日間続けて飲んだ人は、筋肉のクレアチン量が15〜40%向上していたという研究結果もあるんですね。
クレアチンを飲めば回復が早まるのか?
クレアチンのサプリを飲むことで、実際に筋トレの回復が早くなるのか?についてはこれまでに研究が進んでいます。本稿で注目するのは、これらの研究結果をまとめてくれたメタ分析の研究。
この研究では、クレアチンの回復効果を調べた研究9件をまとめていて、
- 筋肉にダメージを示すクレアチンキナーゼ(CK)と乳酸脱水素酵素(LDH)が、クレアチンを飲むことでどれだけ早く減るのか?
が分析されています。
結果
メタ分析の結果を見てみると、
- クレアチンを飲むことで、CKは有意に減っていて、筋肉の回復が早まっていた
- クレアチンの回復効果は筋トレの48時間後〜96時間後で有意に得られ、1日に20g以上のクレアチンを摂取すると効果がよく発揮されていた
- 全体的にはクレアチンを飲むことで、LDHは有意には減っていなかった
- ただし、筋トレから48時間後と、1日に20g以上のクレアチンを摂取した場合のみ、有意な効果はあった
ということ。
つまり、クレアチンを飲むことで、筋トレから48時間経った時点で、筋肉のダメージがより大きく回復されているということ。この効果は20g以上のクレアチンを摂取したときに強まるようです。本当に20gも必要なのかは疑問ですが、よく推奨されるクレアチンの摂取量は1日3gなので、最低でも3gは摂取した方が良いでしょう。
まとめ
本稿では「クレアチンで筋肉の回復が早まるのか?」についてお話ししました。
ポイントをまとめると、
- クレアチンを摂取すると、48時間後により大きく筋肉が回復している
- この効果は1日20g以上のクレアチンを摂取すると、効果が高まる
ということ。
クレアチンは筋肉の疲労回復に効くということで、筋トレをする人はプロテインと一緒に摂取すると良いでしょう。
以上、本稿はここまで。
[参考文献]