コーヒーをよく飲む人は、どれだけ病気のリスクが下がるのか?のコホート研究

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コーヒーは世界的に多くの人に飲まれている最も一般的な飲み物の一つ。朝食と一緒に、仕事をしながら、ふらっと寄ったカフェで、とコーヒーは私たちの日常の中で欠かせないものになっていますよね。

そんなコーヒーは、カフェインの覚醒作用が頭を働かせてくれることはもちろん、様々な健康効果があることが知られています。例えば、以前の投稿「3100種類の食品を調べてわかった抗酸化物質の多いは食べ物とは?」でも、コーヒーが抗酸化物質が多く含まれていることを取り上げていて、コーヒーがアンチエイジングに役立つことが分かっています。

そこで本稿では、コーヒーの健康効果に注目して、

  • コーヒーをよく飲む人は、心臓や循環器の病気のリスクがどれだけ低くなるのか?
  • コーヒーは何杯くらい飲むのが一番健康効果が高いのか?

についてまとめてくれたハーバード大学らの研究(*1)を見てみましょう。

コーヒーを飲む人は長生きなのか?

ハーバード大学らの研究では、コーヒーの飲む量と病気のリスクの関係を調べたコホート研究31件をメタ分析でまとめてくれています。これらの31件の研究を全てまとめると、

  • 128万3685人を数年間追跡調査
  • この追跡調査の中で、循環器疾患47,779件、心臓疾患28,347件、脳卒中12,030件が発生
  • コーヒーの摂取がこれらの疾患のリスクをどれだけ低減してくれるのかを分析

となっています。データの規模も大きく、十分信頼できる研究結果だと言えるでしょう。

結果:コーヒーの量と循環器疾患リスク

最初に循環器疾患のリスク低下の結果を見てみましょう。コーヒーを全く飲まない人を100%として、コーヒーの摂取量による循環器疾患のリスク低下は次の表のようになっています。

0杯1杯2杯3杯4杯5杯6杯7杯
循環器疾患リスク100%95%92%89%88%89%91%93%

これをグラフで見てみると、次のようなU字型の曲線となっています。

出典: *1

つまり、これらの結果からわかるのは、

  • コーヒーを飲むことで確かに循環器疾患のリスクは低減される
  • コーヒーの量は1日に3杯〜5杯飲む人が一番リスクが低く、全く飲まない人と比べて約11%のリスクが低下していた。

ということ。

どんなものも摂取しすぎは禁物で、コーヒーも飲みすぎると効果が低下してしまうようです。1日に6杯以上となるとかなりのコーヒー好きだと思いますが、少しだけ健康効果が落ちてしまうので注意しましょう。

結果2:心臓疾患と脳卒中

続いて、心臓疾患のグラフと脳卒中のグラフも見てみると、次のようになっています。

どちらのグラフでも、循環器疾患と同じようなU字形の曲線を描いていることが分かります。つまり、これらの結果の結論としては

  • 循環器疾患も、心臓疾患も、脳卒中も、1日に3〜5杯のコーヒーで一番リスクが低減していた
  • どの疾患でもコーヒーを飲みすぎることは、リスクの低減効果を弱めてしまっていた

ということですね。

まとめ

本稿では「コーヒーを飲むとどれだけ病気のリスクが低減されるのか?」についてお話ししました。

ポイントをまとめると

  • コーヒーは1日に3〜5杯飲む人が一番病気(心臓疾患、循環器疾患、脳卒中)のリスクが低下していた

ということ。

コーヒーは夕方以降に飲むと夜眠れなくなってしまうので、朝に1杯と仕事中に2〜3杯とかで飲むのが良さそうですね。コーヒーは砂糖を多く入れすぎると逆に不健康になってしまうので、できればブラックコーヒーにするのが健康には良いでしょう。

以上、本稿はここまで。


[参考文献]

*1 : Long-Term Coffee Consumption and Risk of Cardiovascular DiseaseA Systematic Review and a Dose–Response Meta-Analysis of Prospective Cohort Studies

Naoto

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