ミニマリストになると幸福感は高まるのか?の研究
ミニマリストとは、生活に必要な最低限のもののみを購入し、できるだけ少ない物でシンプルに生活するスタイルの人のこと。
ミニマリストに利点としては、
- 部屋が余計なもので溢れかえることがなく、綺麗に整理させた状態を保てる
- 余計なものを掃除したり処分する手間がなくなる
- 余計なことに使うお金が減る
- お金や時間を自分が本当に自分がやりたいことに多く使えるようになる
といったことがあげられます。
もう使っていない筋トレ器具、結局着ることのなかった洋服、必要以上に多くある食器など、自分の部屋を見渡してみると意外と余計なものって多いですよね。これらで部屋が散らかっていると、メンタル的にも気が散ってしまうかもしれません。
そこで本稿では、
- ミニマリストは本当に幸福感を高めてくれるのか?
について調べてくれた研究を見てみましょう。
ミニマリストと幸福
今回注目する研究では、ブラジルの395人を対象に
- ミニマリストの傾向
- 経験への消費の多さ
- 人生の満足度
- 幸福感
を測定しています。
経験への消費の多さを測定しているのは一つのポイントで、ミニマリストだからといってなんでも消費を減らせばいいというものではないんですね。大切なのは「物を買う消費量」を減らして、自分の人生のためになる「経験を買う消費量」を増やすということ。例えば、高級車やブランド物を買うよりも、旅行に行ったり、ジムに通ったりと経験のためにお金を使うのが大切というわけです。
結果:ミニマリストになると幸福は高まるのか?
早速結果を見てみると、
- 経験の消費が増えると、幸福感が高まっていた
- 人生の満足感が高まると、幸福感が高まっていた
- ミニマリストになると、物の消費よりも経験の消費が増えて、幸福感につながっていた
- ミニマリストになっても、経験の消費が増えなければ幸福感は高まらなかった
ということ。
想定の通りで、ミニマリストになると経験の消費が増えて幸福感が高まるという結果になっています。注意点としては、ミニマリストになること自体に直接幸福感を向上する効果はなく、経験の消費を増やすことに幸福感を向上する効果があるということ。
難しいのが物が経験を生む場合もあるということ。例えば、本は物ですが、本を読むことは新しい経験です。なので、物を減らそうと頑張りすぎると、体験も損なわれて幸福感が低下してしまう可能性もあります。物を捨てすぎて生活が不便になって、普段の生活の体験が低下することもあり得るかもしれませんね。
そのため、目指す方向性としては、「普段の生活も含めて体験を充実させるためにお金や時間を使う」のが理想的でしょう。
まとめ
本稿では「ミニマリストになると幸福感が向上するのか?」についてお話ししました。
ポイントをまとめると、
- ミニマリストになると、物よりも経験のためにお金を使うようになり、幸福感が向上する
- 大切なのは経験の消費を増やすことで、ミニマリストになること自体には幸福感を向上する効果はない
ということ。
私の部屋のクローゼットの中も余計な物でいっぱいなので、もう少しミニマリストになった方が良さそうです。物を買うときは私の人生の体験を向上してくれるのかをちゃんと考えないとダメですね。
以上、本稿はここまで。
[参考文献]
*1 : Relationship between minimalism, happiness, life satisfaction, and experiential consumption