学習の効果を高めるにはアクティブラーニングがオススメ
今でも学校の授業は席に座って講義を受ける形式のものが主流です。
もちろん、この形式が悪いわけではないのですが、
生徒がもっとアクティブに参加してくれる方が
学習の効果って上がるんじゃないのっていう考えがあり、
これをアクティブラーニングと言います。
本稿では2つの文献(1,2)を参考に
学習効果を上げるためのアクティブラーニングのポイント
を説明したいと思います。
アクティブラーニングとは
アクティブラーニングの中心となるポイントは、
生徒が主体的に動く活動を学習プロセスに取り入れることで、
生徒の学習へのエンゲージメントを高めよう
ということです。
例えば、ただ席に座って話を聞くだけの授業よりも、
生徒同士のディスカッションを取り入れた授業の方が、
生徒がより積極的に授業に参加してくれますよね。
このように、生徒が自ら積極的に学んでいく姿勢を
授業に何らかのアクティビティを取り入れることで実現しようというわけです。
それではどんなアクティビティがいいのか?というと
大きく3つの方針があります。
- コラボレーション学習
- コーポレーション学習
- 問題ベース学習
それでは、これらの3つのアクティビティがどういうものか見てきましょう。
コラボレーション学習
コラボレーション学習は、生徒を小グループに分けて、
グループ内の生徒同士で協力して学習させる方法です。
例えば、
授業の中でグループ内でわからないことを教えあう時間を作ったり、
ディスカッションで意見を共有する時間を作る、
課題を与えてグループで解かせるといった感じです。
従来の学習方法と比べると、
コラボレーション学習には様々な効果があります。
- 学力の向上(効果量0.53~0.64)
- 自尊心の向上(効果量0.29~0.44)
- 学習態度の向上(効果量0.55)
- 生徒同士のやりとりの質の向上(効果量0.60)
- 生徒がよりサポートされている感じる(効果量0.51~0.70)
学力の向上が向上するだけでなく、
チームワーク能力が高まったり、
自分で調べて学習する姿勢が身につくんですね。
コーポレーション学習
コーポレーション学習は、生徒を小グループに分けて、
グループで協力して何かのタスクに取り組ませる方法です。
コーポレーション学習では
みんなで同じことに取り組むというわけではなく、
タスクの解決に向けてメンバーそれぞれが違う役割を担っていく
ということがあります。
従来の学習方法と比べたとき、
コーポレーション学習にも様々な効果があります。
- 学力の向上(効果量0.49~0.67)
- 自尊心の向上(効果量0.47~0.67)
- 生徒同士の関係の向上(効果量0.82)
- 生徒がよりサポートされている感じる(効果量0.60~0.83)
コラボレーション学習と同じように、
コーポレーション学習にも学力の向上以上の効果が確認できますね。
コラボレーション学習とコーポレーション学習の違い
コラボレーション学習とコーポレーション学習は似ているのですが、
コラボレーション学習は
・”一人で学習するよりグループで学習”という考えで研究されてきた方法
・みんなで協力して同じアクティビティを行う
コーポレーション学習は
・”競争するよりみんなで協力”という観点で研究されてきた方法
・それぞれが違う役割を担いつつも、一つのタスクの解決に向かう
という微妙な違いがあるようです。
ですが、両方の学習方法で同じような効果が得られているので、
グループで協力させるというポイントを押さえておけば間違いなさそうですね。
問題ベース学習
問題ベース学習は何か課題を与えて、
それを生徒たちに主体的に解いてもらう方法です。
ただし、問題を解くプロセスには研究によってばらつきがあり、
一人で課題を黙々とこなす事もあれば、
学習アシスタントがサポートする場合もあったり、
グループで問題に取り組むケースもあったり
と様々です。
問題ベース学習にも学力の向上効果が確認されているのですが、
それもプロセスの影響を受けるようです。
ということで、
問題ベース学習で学力の向上を得るためのポイントは、
・指導できるエキスパートをつけること
・グループで協力させること
・問題解決について指導があること
のようですね。
まとめ
本稿では、学習効果を高めるための方法としてアクティブラーニングという考えを紹介しました。
アクティブラーニングとは、
生徒が主体的に動く活動を学習プロセスに取り入れることで、
生徒の学習へのエンゲージメントを高めよう
というもので、
- コラボレーション学習
- コーポレーション学習
- 問題ベース学習
の3つの方法がありました。
従来の学習方法と比べると、これらの方法には
- 学力が高まる
- チームワーク能力が高まる
- 自分で学習する姿勢が身につく
という効果が確認されているとのことです。
やはりアクティブに参加できる形式の授業は、
席で話を聞くだけの授業よりずっと良い効果があるみたいですね。
以上、本稿はここまで。