許しの8つのステップで嫌なやつから心を解放する
本稿のテーマは”許し”です。
身近に嫌な人が一人いるだけでも、
その人に対する嫌悪感にばかり目がいって人生の質がガタ落ちしてしまう
なんてこともあります。
許しはこういった怒りや嫌悪感を手放すということで、
メンタルを健全に保つのに大切なことだったりします。
本稿では
許しはどれだけ効果があるのか?
効果的な許しの手順とは?
について紹介していきたいと思います。
効果のある許しとは?
許しのテクニックは心理カウンセラーのような臨床の場で応用することに向けて研究が進んでいます。
これらの研究結果にを見ると、
効果があった許しの手順もあれば、
残念ながら効果のなかった許しの手順もあるんですね。
10件の研究をメタ分析でまとめた研究によると、
まず現在行われている許しのカウンセリングの方法は大きく2つに分けられるとのこと。
①決断ベースの方法
決断ベースの方法は、
許しを行うには心の中で許すと決断することが大切という考えに基づいていて、
自分の中で生まれている怒りや苦痛に気づいて、それを手放そうと決断するような方法です。
②プロセスベースの方法
プロセスベースの方法は、
怒りや苦痛を手放して相手を許すことを決断するだけでなく、
相手への共感や愛情を向けられるようになるまでを大切にする方法です。
ただ決断するだけで簡単に嫌な感情は消えないんじゃないかってことですね。
嫌いな相手に愛情を向けるわけですから、
この方法は決断ベースの方法よりも時間と努力が必要になります。
効果のあった方法とは?
メタ分析の結果、どれだけ許せたかを比較すると
- 決断ベースの方法はほとんど効果がなかった(効果量d=-0.04)
- グループセッションで行うプロセスベースの方法は効果があった(効果量d=0.82)
- 個人セッションで行うプロセスベースの方法は特に効果が高かった(効果量d=1.66)
ということで、
ただ決断するだけでは効果はあまりなく、
時間をかけて相手への共感を感じるくらい深く考えないと
効果が得られないようですね。
具体的にどんな手順をすればいいのか?
プロセスベースの方法が効果があることがわかったので、
これが具体的にどういう手順なのかを見て行きたいと思います
(参考文献)
①許せない相手をリストアップする
まず最初のステップでは、許せない相手をリストアップして、
それぞれの相手がどれだけ自分に負の感情を与えているのかを1~ 10点で点数付けをします。
②どういう影響を受けているのかを書き出す
相手にどんなことをされて、
それによって自分はどんな悪い影響を受けているのかを書き出します。
悪い影響はメンタル面や身体面の両方を含みます。
例えば、怒りを感じた、人を信じられなくなった、眠れなくなった、などなど。
③許すことを決断する
心の準備ができたら、許すことを決断します。
許すことを決断したら相手に慈悲の心を向けます。
相手への親切や尊敬を取り戻すことで、負の感情が軽減されていきます。
④相手の立場を考える
続いて相手の立場を考えることで相手への理解を深めていきます。
相手はどういう成長をしてきた人で、自分とはどんな違いがあるんだろう?
相手が自分に対して嫌な行動をとってしまう原因はなんだろう?
相手も自分を責めることでプレッシャーや嫌な思いを感じてのでは?
というような質問をすることで、
相手が感じている痛みの理解を深める
相手も人としての弱さを持っていることを認識する
ことができます
⑤自分の心の変化に気づく
どんな小さな変化でもいいので、
相手に共感し始めていることに気づきます。
相手が嫌な行動をとってしまったのは誤解だったり混乱があったのかも。
相手もその行動を後悔しているかも。
など、相手について考えると、
今まで感じていた負の感情が前よりも軽くなっていることに気づくはずです。
⑥痛みを受け入れる
6つ目は自分の中で痛みと向き合って受け入れることです。
嫌なことをされると相手を必要以上に責めてしまったり、
仕事で嫌なことがあったのに家庭でそれをぶちまけてしまったりと
人は自分の心に痛みを感じたときに、他人にそれを投げつけてしまうことが多くあります。
許すためには、痛みを投げ捨てるのではなく、
自分の中で意識して痛みと向き合って受け入れる必要があります。
⑦相手に小さなギフトをする
許したい相手に何か親切なギフトをしてあげます。
電話をかけるでもいいですし、
相手の良い面を認めてあげる言葉でも
笑顔だけでもOKです。
⑧この経験の意味を考える
最後にこの経験が自分にとってどんな意味があったのかを考えます。
人の痛みを知るからこと優しくなれると言います。
この経験を通じて気づいたことや
自分の中で成長したこと、
将来この経験がどう役に立つのか
を考えればこの経験の意味が見つけれると思います。
以上が許しの8ステップです。
まとめ
本稿では許しとその手順について解説しました。
研究によると
プロセスベースの方法には大きな許しの効果がある
ことが確認でき、その手順は
- 相手をリストアップする
- 相手のから受けている影響を書き出す
- 許すことを決断する
- 相手の立場を考える
- 自分の心の変化に気づく
- 痛みを受け入れる
- ギフトをする
- 経験の意味を考える
ということでした。
嫌なことがあって心のモヤモヤが取れないときは
この手順が使えそうですね。
以上