【お金と幸福】収入が増えればもっと幸せになれるのか?
今回のテーマは”お金と幸福”です!
お金がもっとあれば、もっといい部屋に住めのになぁ〜 とか
お金がもっとあれば、もっといい昼飯が食べられるのになぁ〜 とか
やっぱり生きているともっとお金が欲しいと思うわけですよ。
その一方で、お金があれば本当に幸せなのかって疑問もあります。
そこで本稿では
収入が高い人って本当に幸福度が高いのか?
を経済学の研究をもとに見ていきたいと思います。
収入と幸福
収入と幸福の相関関係はこれまでにも多く研究されてきた分野みたいで、
実は収入と幸福は関係しないって結果と、関係するって結果の両方が得られているんですね。
収入が幸福と関係しない派の意見では、
- 収入と幸福度には弱い関係しかないって研究結果が多い
- 時代とともに経済は発展して豊かになってるけど幸福度は下がってる
という感じ。
逆に収入と幸福が関係する派の意見では
- 収入の高い国に住む人ほど平均の幸福度は高い
- 同じ国の中で比較的収入の高い人の方が幸福度が少し高い
という感じ。
ということで、両方の研究結果が得られてしまっている。
それでは、両方をうまく説明できるように、
他の要因を考慮してもっと深掘りした説明が必要なんですね。
そこで出てきた説明が
収入は生活に必要な分までは幸福度を上げてくれる
収入が低すぎると普通の生活すら満足に送ることができなくなってしまうので、
幸福度は下がってしまうんですね。
これはまあよく分かる話ですね。
一方で、普通の生活を遅れる程度の収入があれば、
それ以上に収入が増えて贅沢できても、幸福度は上がらない。
つまり、
収入が上がると幸福度はだんだん上がっていくが、普通の生活に必要なラインまで上がると、それ以上は幸福度は上がらなくなってしまう!
ということですね。
収入の絶対額でなく相対額が幸福度を決める
もう一つの収入と幸福の関係に抜けていた観点が
収入への満足度や幸福度は周りと比べた相対額で決まるんじゃないか?
ってことなんです。
例えば、年収1000万円もらっていても、ご近所さんがみんな年収1億だったら、
自分の収入に満足ができなくなってしまいますよね。
逆に自分の年収が500万でも、周りが年収200万だったら、
自分が一番いい暮らしをしていて気分がいいかもしれません。
確かに幸福度は主観的な感覚なので、この観点は大切かもしれませんね。
研究、相対的収入と幸福度
相対的な収入と幸福度の関係を調べてくれた経済学の研究(*1)を見てみましょう。
この研究ではドイツの16,000人分のデータを分析していて、
この研究からわかったことは
- 収入は幸福度に少しだけ影響する
(幸福度はそもそも様々な要因の影響を受けるので、一つの要因が大きく影響することは少ない) - 相対的に収入が低い人は幸福度が低かった
- 相対的に収入が高い人は別に幸福度は高くなかった。
ということ。
相対的な収入が幸福度に影響することが分かったみたいなんですが、
それは相対的に貧しい人の場合のみで、相対的に裕福でも幸福度は上がらないようです。
つまり、いくら収入が増えても周りと比べて低かったら幸福度を下がってしまうかもしれないということですね。
まとめ
本稿では収入と幸福の関係についてお話をしました。
ポイントをまとめると
- 収入は生活に必要なラインまでは幸福度を上げてくれる
- 生活に必要なライン以上の収入では幸福度は上がらない
- 収入の額が高くても、周りと比べて収入が低いと幸福度は下がってしまう。
- かといって、収入が周りの人より高くても幸福になるわけではない。
ということですね。
いい会社に入っていい給料をもらいたいというのは、周りよりいいステータスが欲しいという相対的な収入の高さを求めているようなものなのですが、これでは幸せにはなれないようですね。
ブランド品が欲しいなんてのも周りの目を気にした相対的なステータスが欲しいとも言えます。
周りの目を気にしないってのが、収入に満足して幸福になる上で大切なことみたいですね。
以上なり。
【参考文献】
*1 : Income and well-being: an empirical analysis of the comparison income effect