幸せな人ほど人生がうまくいくのはなぜか?ポジティブな感情とレジリエンスが関係しているぞという話
「幸せな人ほど人生はうまくいく」
ということは様々な研究から分かっていて
- 幸せな人の方が経済的に成功しやすい
- 幸せな人の方が人間関係うまくいく
- 幸せな人の方が精神的にも肉体的にも健康
- 幸せな人の方が物事にうまく対処できる
などなど幸せが人生に与える効果はすごいんですね。
それでは「なぜ幸せな人は人生がうまくいくのか?」を考えた研究(*1)が面白くて、
その答えは
ポジティブな感情がレジリエンスを育ててくれるから
とのことなので、本稿でその中身を紹介したいと思います。
ポジティブな感情の役割とは?
人はポジティブな感情とネガティブな感情の両方を感じることができます。
ネガティブな感情は例えば不安であったり恐怖心や怒りなどがあります。これらはヒトが生き残って進化していく上では危険を回避するなどの重要な役割を持ってきたわけです。例えば、ライオンを見ると恐怖心を感じて逃げることで生存して来れたわけです。
それではポジティブな感情にはどのような役割があるのでしょうか。ネガティブな感情は目の前にある回避すべきことに感じるのに対して、ポジティブな感情は長期的にみて人生にプラスになることに感じるのではないかという考えがあります。例えば、仲間と話して楽しいというのも、その後に良い人間関係になって助け合えるようになるので、人生にプラスになるわけですね。
逆にライオンを見てポジティブな感情を感じてしまうヒトを考えて見ましょう。そんなヒトは自分からライオンを探しに行ってしまうので食べられて絶滅してしまうでしょう。つまり、これまで生き延びて進化してきたヒトが持つポジティブな感情が人生にマイナスになることに感じることはなく、プラスになることに対して感じるはずだというわけですね。これは面白い考えですよね。
実際にこのような考えを指示する研究結果も得られていて、ポジティブな感情を感じると、視野が広がってより柔軟な考え方ができるようになり、行動のパターンの幅も広がるというんですね。
ポジティブな感情とレジリエンス
エゴレジリエンスというのは、新しい環境への適応する力のことです。
周りの環境がガラッと変わったときにうまく対処ができたり、運悪く逆境に立たされたときでも負けずに対処できたり、あるいはストレスの多い環境でうまく自分をコントロールできたりというような能力ですね。
レジリエンス能力は人生の成功にとって大切なものであると同時に、ポジティブな感情を多く感じている人ほどレジリエンスが高いということもわかっているんですね。
なので本稿の本題
なぜ幸せな人ほど人生がうまくいくのか?
の答えとして、
幸せな人はポジティブな感情を多く感じることでレジリエンスが成長していて、その結果として人生がうまくいくのでは?
と考えることができるんですね。
研究によると
この着眼点を検証してくれた研究(*1)を見てみると面白いことがわかります。
この研究では86人を対象に1ヶ月間にわたってポジティブな感情とネガティブな感情をどれだけ感じたかをモニタしていて、さらに1ヶ月間での人生満足度とレジリエンスの変化も測定しています。
その結果から分かったことが
- ポジティブな感情が高い人ほどレジリエンスが高かった
- ポジティブな感情が高い人はレジリエンスが高まった結果として人生満足度も高くなっていた
(レジリエンスの効果を抜くとポジティブな感情には人生満足度を高める効果は有意には現れなかった) - ネガティブな感情はレジリエンスや人生満足度にはあまり関係がなかった
ということなんですね。
幸せな人ほど人生がうまくいくのは、ポジティブな感情を多く感じることで、人生の様々なチャンスや逆境に対処するためのレジリエンスが鍛えられているからということが分かったわけです。
面白いのがネガティブな感情はあまり関係なかったという点で、実はネガティブな感情とポジティブな感情は全く別のもので、人は両方の感情を同時に持つこともあるんですね。
なので、幸せになって人生を成功させたいという人は、ネガティブな感情を減らすことはあまり効果がなくて、ポジティブな感情を増やすことの方が大切ということかもしれませんね。
以上、本稿はここまで。
[参考文献]
*1: Happiness Unpacked: Positive Emotions Increase Life Satisfaction by Building Resilience