クリエイティビティを上げるにはチームの成長思考が大切だという話
最近ではますますクリエイティビティを発揮して新しいアイデアやビジネスモデルを作り出すことの重要性が高まっています。
本稿では個人がクリチティビティを発揮するには、
- その人の仕事の目的の持ち方
- チームの成長思考
が大切という話を、こちらの研究(*1)を参考にお話したいと思います。
メンバーがクリエイティビティを発揮するチームとは
クリエイティビティとは新しい製品だったり新しいビジネスモデルといった、これまでにないアイデアを出す能力ですよね。ということは、これまでの考えが通用しない困難な課題に挑戦するときには自然とクリエイティビティは高まるはずだとも考えられます。そこで、この研究では困難な課題に挑戦する人ほどクリエイティビティは高いんじゃないか?という視点からクリエイティビティを発揮させる方法を調べています。
仕事の目的の持ち方の3つのタイプ
そのためにこの研究では個人の仕事の目的の持ち方を次の3つのタイプに分けています
①成長を目的にする人
仕事を通じて自分の能力やスキルの向上をいちばんの目的にする人のこと。このタイプの人は困難な仕事であっても自分の成長の機会になると思えば進んで引き受けます。
②成果を目的にする人
高い成果を出すことで他人に自分の能力を認めてもらうことを目的にする人のこと。このタイプの人は他人の評価を気にするので、自分の評価を上げてくれそうな行動を選択して行い、その行動については困難な課題でも積極的に挑戦していきます。
③失敗の回避を目的にする人
このタイプも他人に自分の能力を認めてもらうことが目的だが、挑戦して高い成果を求めるよりも、失敗を回避することを優先する人のこと。
3つのタイプとクリエイティビティ
そして、この研究では25チームにわたる合計198人の従業員を対象に、クリエイティビティと目的の持ち方の3タイプ、そしてチームがどれくらい挑戦を推奨しているかを測定し、その関係を分析しています。
その結果は
- 成長を目的にする人はクリエイティビティが高かった
- ただし、成長思考が高すぎてもクリエイティビティが下がったので、適度な成長思考が大切
- 成果を目的にする人は、チームが挑戦を推奨していてクリエイティビティが高く評価される場合にのみ高いクリエイティビティを発揮した
- 失敗の回避を目的にする人のクリエイティビティは、チームが挑戦を推奨していても特に高くならなかった
ということです。ちなみに成長思考が高すぎるとダメなのは、新しいこと学習することに比重を置きすぎてもダメで、新しく学習したことを実践して成果につなげるところまで考えることでクリエイティビティが高まるからみたいです。成長と成果のバランスも大切ということですね。
まとめると、クリエイティビティを高めたいなら
- チームと個人共に成長のために失敗を恐れずに挑戦する思考が大切
- 成長だけでなく成長で得た能力を成果につなげることも大切
ということですね。
以上、本稿はここまで。
[参考文献]
*1: A CROSS-LEVEL PERSPECTIVE ON EMPLOYEE CREATIVITY: GOAL ORIENTATION, TEAM LEARNING BEHAVIOR, AND INDIVIDUAL CREATIVITY