頭から離れないネガティブな感情にはマインドフルネスが有効だという研究結果

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本稿のテーマは嫌な感情を頭から切り離す方法です。

実は何か嫌なことがあってネガティブな感情が頭から離れないときには、マインドフルネスが有効なんですね。

そこで本稿では次の内容について説明していきたいと思います。

  • 反芻思考とは
  • マインドフルネスとは
  • マインドフルネスが反芻思考を抑える効果
  • まとめ

反芻思考とは

失敗したときや誰かから嫌なことをされたときのネガティブな感情がなかなか頭から離れずに、ずっと嫌な思いをしてしまうことってありますよね。

実はこのように同じ考えを何度も繰り返して思い出して悩み続けてしまうことを反芻思考(rumination)といって、メンタルに非常に悪いものです。ネガティブな感情は思い出すたびに刺激されて増長してしまうので、ひどくなるとうつ病などにもつながる恐れがあるんですね。

なので、反芻思考を止めてネガティブな感情は頭から切り離すことが大切なんですけど、ネガティブな感情は止めようとしても、止めようとすること自体がその感情を刺激してしまう可能性があるのですごく難しいんですね。

そこで反芻思考を止めるのに有効だと考えられているのがマインドフルネスというわけです。

マインドフルネスとは

マインドフルネスは、簡単にいうと「今」に集中するということです。

例えば、普段食事をするときに何も意識していないと、テレビ番組のことだったり、明日何やろうだったり、様々なことが頭に浮かんでいると思います。マインドフルに食事をするということは、”今の食事”に集中するということで、噛む動作やそのときに感じる味わいに集中しながら食べるということです。

マインドフルネスの実践方法として一番有名なのがマインドフルネス瞑想です。これは目をつむって呼吸に集中したり、頭の中に浮かんでくる考えを客観的に手放すことに集中することで今に集中する方法です。実は毎日瞑想をするだけで集中力が上がったり、睡眠の質が向上したり、ストレスを軽減したりと様々な効果が得られるということで注目されているんですね。

マインドフルネスが反芻思考を抑える効果

それで、このマインドフルネスが反芻思考を止めるのに有効なのではないか?ということを確かめてくれた研究(*1)があるんですね。

この研究では11件の研究をメタ分析でまとめて、マインドフルネスベースの治療方法が反芻思考へどのくらい効果があるのかを確認しています。

その結果が

  • マインドフルネスは反芻思考に中程度の効果あり!
    (反芻思考を減らす効果量: −0.59)

ということで、マインドフルネスの反芻思考への効果は科学的にも確認されているんですね。

なぜマインドフルネスは反芻思考に効果があるのか?

マインドフルネスベースの治療のポイントは、自分の中に湧き上がってくる考えや感情に客観的になるということなんですね。

反芻思考はネガティブな感情を繰り返して思い出してしまうことが悪いので、無理にその感情をコントロールしようとすると、かえってその感情を刺激して悪化してしまう可能性があります。

それに対して、マインドフルネスは感情をコントロールしようとするのではなく、「今自分はネガティブな感情を感じているなぁ〜」と客観的に受けれるだけなので、ネガティブな感情が悪化するということなく自然と弱まっていくんですね。

まとめ

本稿ではネガティブな感情を頭から切り離す方法についてお話をしました。

ポイントをまとめると

  • マインドフルネスに反芻思考を軽減する効果がある!
  • 反芻思考を止めるには、感情をコントロールしようとせずに、客観的に受け入れることた大切

ということですね。

何か嫌な感情が頭から離れない時は、瞑想をしたり、その感情を客観的に日記に書き出してみるなどするといいかもしれませんね。

以上、本稿はここまで。


[参考文献]
*1: Mindfulness-based interventions for the treatment of depressive rumination: Systematic review and meta-analysis

Naoto

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