睡眠不足はどれだけ筋トレに影響するのか?
睡眠不足になると集中力が落ちたり、やる気が湧かなくなったりして、仕事や勉強のパフォーマンスが落ちてしまうことは当たり前ですよね。
それでは、睡眠不足になるとトレーニングにはどのような影響があるのか?
ということを本稿では考えていきたいと思います。
寝不足と最大筋力の低下
早速、不十分な睡眠が筋肉のパフォーマンスにどう影響するのかを調べた研究(*1)を見てみましょう。
この研究では、睡眠不足と筋トレの関係を調べた17件の研究をまとめてレビューをしてくれています。
実験の結果としてどのようなことが起こったのかというと、
- 3日間の睡眠不足が続くと、睡眠不足の度合いに比例してレッグプレスとデッドリフトの最大重量が落ちた。また、ベンチプレスの最大重量は3日目だけ落ちた。
- トータルのトレーニングの負荷は1日の睡眠不足でも落ちた
- 朝から起きている人が夜遅く(23:00〜翌3:00)にトレーニングをした場合に最大筋力が落ちた
- 1日の睡眠不足では、ひざや肘を伸ばしたり曲げたりする力や握力は変わらなかった
- 寝不足であっても朝にトレーニングした場合は筋力は落ちなかった
といった感じで、筋肉の種類や寝不足の日数、トレーニングのタイミングによって最大筋力が落ちる場合と落ちない場合があるみたいなんですね。
さらに、他の研究でわかっていることとして、寝不足になると成長ホルモンの分泌が最大で15%も減ってしまう可能性があります。なので、寝不足になると最大筋力が落ちるだけでなく、筋肉もつきにくくなってしまうということですね。
これらのポイントをまとめると
- 複数の筋肉を使うコンパウンド種目は寝不足によって筋力が落ちやすい
(デッドリフトやベンチプレス、スクワットなど) - 睡眠不足の日数が長引くほど筋力の低下の影響が現れやすい
(1日くらいではそこまで筋力は落ちなさそう) - 寝不足の人はトレーニングの時間が遅くなると筋力が落ちやすい
(朝のまだ元気なときにトレーニングをやった方が良い) - 寝不足な人は成長ホルモンが減って筋肉がつきにくくなってしまう
ということですね。やっぱり寝不足はトレーニングにとってマイナスな効果が大きいみたいですね。特にコンパウンド種目は筋肉をつけるのに効率が良く、人気もある種目なので、これが寝不足で効率が落ちてしまうのは痛いですね。
寝不足だけどトレーニングしたいときの対処法
トレーニングの効率以外にも寝不足は様々な悪影響があるので、ちゃんと寝ることが第一なのはもちろんなのですが、ときには友人と遅くまで飲んで寝不足なんて日もあると思います。
それではそんな日にトレーニングの効率を下げないためにどうすれば良いのかのポイントを考えてみました。
- トレーニングの時間を午前中にするか、昼寝をする
寝不足で疲れ切った状態でトレーニングをするのは良くないので、まだ元気な午前中か、昼寝をして疲れを少しでも取る - トレーニング前にカフェインを摂取する
カフェインを摂取することで、疲労物質であるアデノシンのブロックすることができるので、寝不足の悪い効果もブロックしてくれる効果が期待できます。 - アイソレーション種目(単関節種目)でトレーニングを組む
コンパウンド種目の筋力は寝不足で落ちやすいということなので、寝不足な日にはアイソレーション種目をメインにやるのもありだと思います。
注意点として、カフェインは午後3時以降にとってしまうと、夜眠れなくなって睡眠不足を悪化させてしまう可能性があるので、摂取時間には注意をした方がいいでしょう。
まとめ
本稿では睡眠不足が筋トレに与える悪影響についてお話ししました。
ポイントをまとめると
- 寝不足になると特にコンパウンド種目の最大筋力が下がってしまう
- 寝不足になると成長ホルモンが減って筋肉もつきにくくなってしまう
- 寝不足は日数が長引くほど悪い効果も大きくなってしまう
- 寝不足な日はトレーニングは早めの時間が良い
ということです。
やっぱり寝不足には悪い効果があるので、寝不足にならないということが一番大切ですね。運動には睡眠の質を良くしてくれる効果もあるので、運動と睡眠のバランスが取れた生活習慣を整えるのがいいと思います。
以上、それでは良い筋トレライフを!
[参考文献]
*1: Inadequate Sleep and Muscle Strength: Implications for Resistance Training