お金より時間を大切にする人の方が幸せだという心理学の研究結果
本日のテーマは「時間とお金」です。
お金と時間はトレードオフの関係になることも多く、どちらを取るのかの選択は人生の中でも多くあります
例えば、
残業が多くて給料のいい仕事を選ぶか?
残業がなくてその分だけ給料も低い仕事を選ぶのか?
新幹線で短時間で行くのか?
在来線でお金を節約するのか?
といったふうなことです。それでは、
「時間とお金のどちらを大切にする方がより人生が豊かになり幸せになれるのか?」
という疑問について心理学の研究(*1)が行われていたので、本稿ではその内容を参考に幸せになるための時間とお金の使い方を紹介したいと思います。
お金と時間はどちらが大切か?
この研究では、総計4,680人を対象に6つの実験を行うことで、時間とお金のどちらを大切にするかの傾向が幸福にどう関係するのかを調べてくれています。
それぞれの人が時間とお金のどちらを大切にしているのかの価値観を測定した上で、実際に時間とお金のトレードオフの選択でどちらを優先するのか、そして幸福度はどの程度かなどを測定しています。
その結果として分かったことは
- 時間の方が大切だと考える人は実際に時間を優先する選択をする傾向があり、お金の方が大切だと考える人は実際にお金を優先する選択をする傾向があった。
- お金を大切にする人の方が物欲が高くて、物質主義的な考えが強かった
- 時間を大切にする人の方が幸福度が高かった
- これらの傾向は学生でも社会人でも同じだったし、2週間後に再測定しても一貫して変わらなかった。
ということで、幸せなのは時間を大切にする方という結果が得られています。
どのくらい幸福度が高いのかというと効果量的には0.12と小さな値となっています。しかし、幸福度には様々な要因が影響するので、そもそも一つの要因が大きな効果を持つことがないということ。ちなみに、今回の研究で分かった時間が幸福度を上げる効果は、結婚が幸福度を上げる効果の半分くらいだったということで、そう考えると意外と効果はあるのかもしれませんね。
なぜ時間を優先する方が幸福なのか?
それでは、なぜ時間を優先する方が幸せなのか。
お金を優先することで得られるものはより高級な物や贅沢です。他の研究でも分かっているのですが、お金は普通の生活に必要な分以上増えても幸福度は上がりにくくなってしまいます。
一方で時間を優先することで得られるものは、自分の好きな活動をする時間であったり、友達や家族と交流する時間です。これらも幸せのためには大切なもので、特に人間関係は幸せに大きく影響します。
なので、これらの2つを比較したときに、お金から得られる幸せよりも、時間から得られる幸せの方が大きいということですね。
お金を節約したい人はどうすればいいのか?
時間を優先したくてもお金も節約しないといけないという人もいると思います。
そこで時間とお金のトレードオフをどのように選ぶのかを考えるときのポイントをいくつか考えてみました。
まず一つ目のポイントは「隙間時間を有効に使う」ということです。
例えば、新幹線を使わずに在来線を使うというお金を優先する選択をした場合でも、電車に乗っている時間を自分の趣味などに使えれば、お金を節約しつつ時間も有効に活用することができます。なので、隙間時間を有効に使うことでお金を節約しつつ時間も活用できることをまず増やすと良い思います。
2つ目のポイントとして「幸せの頻度を上げる」ということオススメしたいと思います。これは大きな幸せが1回あるよりも、小さな幸せがたくさんある方が人は幸せになれるという研究結果に基づくものです。
つまり、毎日の小さな出費を節約することで、毎日の小さな幸せがなくなってしまったり、毎日小さな不便を感じてしまうようになると、幸福度が大きく低下してしまうということです。
なので、まずは無駄な大きな出費を減らすことが第一優先で、頻度の高い節約は幸福度を下げないかに気をつけましょう。
まとめ
本稿では「お金と時間の関係と幸福」についてお話をしました。
ポイントをまとめると
- お金よりも時間を大切にする方が幸せ
- 贅沢するためのお金はそれほど幸福度を上げてくれないので、お金が十分あるなら時間を優先しよう
- お金を優先しなけれないけないときには「隙間時間を活用して時間とお金を両立できないか」と「幸福の頻度を失わないか」を意識しよう
ということです。
最近では家事代行サービスなどもあって時間をお金で買うこともできるので、こういったものを活用して時間を増やすのもいいですね。
以上、本稿はここまで。
[参考文献]
*1: Valuing Time Over Money Is Associated With Greater Happiness