1日の食事回数を1食にするとどうなるのか?
本稿のテーマは「食事の回数」です。
朝・昼・晩と1日に3回の食事をとることが普通で、3食しっかり取らないと体に悪いということがよく言われています。一方でファスティング(断食)が健康に良いという考えもあります。
そうすると食事はこまめに食べた方が良いのか、それとも食べない期間をある程度作った方が良いのかが気になるところです。
そこで本稿では、1日3食の生活と1日1食の生活を比べてくれた研究(*1)を参考に、1日3食は本当に必要なのかをみていきましょう。
1日3食 vs 1日1食
この研究(*1)では15人を対象にして
- 1日に3食の生活
- 1日に1食だけの生活
のクロスオーバーの実験方式で2つをそれぞれ8週間ずつ行ってもらって、どのような変化があるのかを測定しています。このときに2つの生活で摂取カロリーは同じになるように調整されていて、実際に摂取したマクロ栄養素のバランスは次の通りということです。
1日3食 | 1日1食 | |
タンパク質 | 14.7% | 14.5% |
脂質 | 36.4% | 35.6% |
炭水化物 | 48.9% | 49.8% |
コレステロール | 148mg/1000kcal | 140mg/1000kcal |
食物繊維 | 8.9mg/1000kcal | 7.4mg/1000kcal |
どちらの食生活も栄養素のバランスなどは同じになるように調整されていて、純粋に食事を3回に分けるか1回で全て食べるかを比較しているわけですね。
結果
それでは実験の結果としてどのようなことが分かったのかというと
- 心拍数や体温に差はなかった
- 1日1食を長く続けるほど空腹感が強くなっていった
- 1日1食では脂肪が減って体重が落ちた
- 1日1食では血圧は上がった(ただし測定タイミングの違いかも)
- 1日1食ではLDL-,HDL-はどちらも増えた
- 1日1食の方がコルチゾール(ストレスホルモン)が低かった
ということ。
1日1食のときに体重が減っていたのは、空腹の期間に体内のグリコーゲンがなくなって脂肪がエネルギーとして使われているのかもということ。運動も空腹時に行う方が脂肪が燃えやすいので、これはありえるかもしれませんね。
血圧は空腹時の血圧を取るために、1食の場合は夕食の前、3食の場合は朝食の前に測定していたみたいで、このタイミングのズレが影響しているかもしれないということ。
まとめ
本稿では「食事の回数」についてお話ししました。
この研究はサンプル数も多くないので、確かなことは言えませんが、1日1食にすると脂肪が落ちやすくなるかもしれないので、興味がある人は試してみるといいと思います。1日1食ダイエットとして、1日のうち食べていいのは4時間だけに制限するというような方法ができると思います。カロリー制限のようにいちいち計算しなくて良いので、そういった面では楽ですね。しかし、空腹感は強いみたいなので、そっちの辛さはあるかもしれません。
以上、本稿はここまで。
[参考文献]
*1: A controlled trial of reduced meal frequency without caloric restriction in healthy, normal-weight, middle-aged adults