進捗確認で目標の達成率を上げるためのポイントとは?
ダイエットや貯金など、何か達成したいことがあるときにはまず目標を立てる人が多いと思います。確かに目標を立てることは達成へのモチベーションを高めるためにもいいことではありますが、目標を立てたはいいもののなかなか行動が伴わなずに失敗してしまうこともよくあることだと思います。
そこで、目標の達成まで継続的に行動を続けるために、目標に対する進捗の確認をこまめに行うという方法があります。
本稿では、この目標の進捗確認が本当に目標の達成率を上げてくれるのか?を調べてくれたシェフィールド大学らの研究(*1)を参考に、目標達成率をあげるための進捗確認方法について紹介したいと思います。
進捗確認で目標の達成率は上がるのか?
シェフィールド大学らの研究(*1)では、目標の進捗を確認することを促進した場合に、実際に目標の達成率が上がるのかを実験した138件の研究結果をメタ分析という手法でまとめてくれています。これらの研究の総対象者数は19,951人にも及び、目標の種類はダイエットや運動、血圧の管理などヘルスケア系のものが多いとのこと。
そして、これらのデータから分析したのは
- 目標の進捗確認を促進すると、実際に進捗確認が増えるのか?
- 目標の進捗確認を促進すると、目標の達成率は高まるのか?
ということです。
そして、その結果がどうだったのかというと
- 進捗確認の回数は大きく増えた(効果量d=1.98)
- 目標の達成率は少し高まった(効果量d=0.40)
ということ。想像の通り、進捗確認を増やせば目標の達成率も高まるということが確認されたわけですね。ちなみに、目標達成の効果量がd=0.40で効果の大きさ的には小さめとなってしまっていますが、研究によって達成率の向上効果にはバラツキがあったということで、目標の種類や進捗確認の方法の違いなどでもっと大きな効果も得られる可能性はあるということでした。
どんな進捗確認がいいのか?
先の研究では達成率をより高めることができるかもしれない進捗確認の方法についても示唆されていましたので、その3つのポイントについてみてみましょう!
- 進捗確認の頻度は多い方が良い
進捗確認の回数が多い人ほど、目標達成率も高かったということ。なので、進捗確認は週一回でなく毎日行うなど、できるだけこまめに行うようにすると達成率が向上できるでしょう。
- 進捗確認の結果は公開された方が良い
2つ目に進捗確認の結果は、他の人の前で報告したり、あるいはネット上の誰でも見れる場所に公開するなど、外に公開した方が達成率が高かったということ。進捗が他の人に見られるとなると、恥ずかしい思いをしたくないと責任感が増すので、それがゴール達成への強制力になるようです。
- 進捗確認は記録された方が良い
3つ目に進捗確認は物理的に記録された方が達成率が高まるということ。例えば、ダイエットなら毎日の体重を記録するといったようなことですね。記録がないとこれまでの変化が目に見えないので、進捗しているという感覚が薄まってしまうのかもしれませんね。
まとめ
本稿では「目標の進捗確認」についてお話ししました。
ポイントをまとめると
- 目標の進捗確認を増やせば、目標の達成率は少し高まる!
- 効果的な進捗確認のポイントとしては
①頻度を多くすること
②他の人に公開すること
③進捗を記録をすること
ということですね。
ちなみに、「時間の単位を変えるだけで将来のための行動が増えるかもしれない」の記事でもお話しした通り、将来が現在とつながっているという感覚が強いほど、その将来のための行動が増えるということが分かっています。なので、進捗確認の際には、最終ゴールと現在のギャップを明確にして、そのギャップを埋めるための具体的な次の行動を決められれば、もっと行動が取りやすくなると思います。
以上、本稿はここまで。
[参考文献]
*1: Does monitoring goal progress promote goal attainment? A meta-analysis of the experimental evidence.