YouTubeの動画を見るだけで仕事の幸福を上げられるという実験
仕事中にネットサーフィンをしたり、YouTubeを見たりすることが問題となることがあります。アメリカの研究によると、PCを使って仕事をする人の80%は仕事中にYouTubeやネットサーフィンをしたことがあると言われていて、なんとその時間は合計すると週に6時間にもなるということです。
仕事中にYouTube見ることは、仕事をサボっているわけですから、もちろん悪いことです。しかし、YouTubeを見ることで仕事のストレスが軽減されたり、動画からモチベーションをもらったりと、良い効果もあるかもしれません。
そこで、YouTubeの良い効果に注目した研究があって、
- 仕事中にYouTubeを見ることの従業員の幸福感への効果
を調べてくれていたので、本稿ではこの中身を見ていきましょう。
YouTubeの良い効果
この研究では、200人のフルタイムの従業員に、仕事を4時間終えたところでYouTubeの動画を見てもらって、その後のストレスや心理状態を測定しています。
このときに、参加者は見る動画の内容によって次の4つのグループに分けれらています。
- 感謝が高まる動画を見るグループ
- 気分が高まる動画を見るグループ
- 面白い動画を見るグループ
- 特に感情は高まらない動画を見るコントロールグループ
これらの動画は事前に厳選したもので、102人の学生に見てもらって、実際にその感情が高まることは確認済みです。
それでこの実験では、仕事中にこれらの動画を見た後で、下記のような幸福感に関連する感情がどう変化するのかを測定しています。
- 感謝
- 気分の高揚感
- 楽しいといったポジティブな感情
- 持っているものへの満足感(身近な出来事に幸せを感じているか)
- 活力感
- 仕事の意義感
- 仕事での人とつながり感
幸福には様々な形があって、仕事への没頭感や、信頼できる人間関係、楽しさ、使命感など様々な側面が関係しています。この研究ではこれらの多くの心理状態を測定することで、多面的に幸福感の変化を測っているわけですね。
実験結果:YouTubeの効果とは?
それでは、4時間の仕事で疲れたところでYouTubeを見たときに、どのような効果があったのかを見ていきましょう。
面白い動画の効果
まず、面白い動画を見たグループに見られた効果は
- 楽しいといったポジティブな感情を増えた
- ストレスが回復した
- だけど、感謝などの深い幸福感には繋がらず、仕事の活力も向上しなかった
という結果となっています。
つまり、面白い動画は疲れやストレスを癒す程度には使えるけど、仕事の意義や活力を高めてくれる程の効果はないということですね。
感謝と気分が高揚する動画の効果
感謝が高まる動画と、気分が高揚する動画の効果はほぼ同じだったようで、次のような効果が得られています。
- ポジティブな感情が増えた
- ストレスが回復した
- 今持っているものへの満足感が増した
- 活力感が向上した
- 仕事の意義感が向上した
面白い動画と同じくポジティブな感情の向上とストレスの回復効果があるのに加えて、感謝や気分高揚の動画には、仕事への意義感や満足感、活力感といったより深い幸福感を向上する効果があったということです。
これは感動的な映画を見たときや、共感できる歌詞の歌を聴いたときの感覚に近いのでしょう。こうしたときには自分の中の深い感情が呼び起こされて、同じ物事でもその見方が少し変わり、モチベーションや意義感が増しますよね。
つまり、この研究からわかったことは、YouTubeの動画も内容次第では、仕事の幸福感やモチベーションの向上にも使えるということですね。
まとめ
本稿では「YouTube動画を仕事中に見ることの良い効果」についてお話ししました。
ポイントをまとめると
- YouTubeを仕事中に見ることにも良い効果はある!
- 面白い動画は、ポジティブな感情を増やしてストレスを回復してくれる!
- 感謝や気分高揚の動画は、仕事への意義感や活力までも向上してくれる!
- モチベーションが上がらないときや、疲れてきたときは、YouTubeの動画で自分をモチベートするのもあり!
ということですね。
YouTube動画にも仕事に良い効果があるということで、モチベーションを高めたいときに好きな音楽を聴くように、自分を鼓舞してくれる動画を探してみると良いと思います。私なんかは筋トレの動画を見ると無性に筋トレをやりたくなってしまうものです。何か目標があるならそれに関連した動画を見るのも良いのかもしれませんね。
もちろん、仕事中にYouTubeばかり見てしまっては逆効果なので、失敗して落ち込んだときや、残業で疲れが溜まってきたときなど、ポイントポイントで動画を活用するようにしましょう。
以上、本稿はここまで。
[参考文献]