オメガ３脂肪酸は運動のパフォーマンスを向上させるのにも役立つのか？

本稿で注目するのはオメガ３脂肪酸です。

オメガ３脂肪酸とは、DHAやEPAといった、いわゆる「体に良い油」のことです。オメガ３脂肪酸は必須脂肪酸で体内で自分で作ることができないため、魚などを食べて外から摂取する必要があります。もっと魚を食べようは健康の基本ですよね。

それで本稿で注目するのは、ただのオメガ３脂肪酸の健康効果ではなく

です。オメガ３脂肪酸で健康になって体の機能が向上すれば運動のパフォーマンスが向上するかもしれませんし、健康的なオメガ３脂肪酸を摂取すれば運動後の回復も早くなるかもしれませんよね。そこら辺のところを研究を参考に探っていきましょう。

オメガ３脂肪酸と運動

スターリング大学の研究(*1)が、オメガ３脂肪酸と運動のパフォーマンスの関係についてのこれまでの研究をまとめてくれていましたので、その中身を見ていきましょう。

まず最初に、オメガ３脂肪酸が筋力やパワーの向上につながるのか？を調べた研究結果としては

2週間以上オメガ３脂肪酸の摂取量を増やせば、筋肉に合成されるオメガ３脂肪酸も多くなっていく
プロテインと一緒にオメガ３脂肪酸を飲んだ場合と、プロテインのみの場合を比べても、筋肉の合成に違いは出なかった。（プロテインだけで筋肉の合成は上限になる）
高齢者を対象にした実験だが、オメガ３脂肪酸が神経系の働きをよくしてくれて、最大筋力を向上させてくれる効果が確認されている。
（ただし若者やアスリートでどうかはデータなし）

ということが分かっています。まとめると

ということですね。DHAは脳の中にも多く含まれる脂質で、オメガ３脂肪酸の良い油をとることは、脳をはじめとする神経機能を改善してくれるみたいですね。

次にオメガ３脂肪酸を増やしたときの持久系の運動パフォーマンスを調べた研究結果としては、

動物実験ではオメガ３脂肪酸でミトコンドリアが増えることが確認されていて、これが持久パフォーマンスを向上してくれる可能性はある
オメガ３脂肪酸で心臓や筋肉の細胞膜の質が上がる。これによってインスリン感受性が改善されて、心臓や筋肉がエネルギー源であるグルコースを効率よく取り込めるようになる
オメガ３脂肪酸を摂取すると、運動中の酸素消費量や心拍数が低下することも分かっている。
実際に持久系の競技のパフォーマンスが向上したという研究結果もまだ数は少ないけど存在する（サイクリングのタイムが向上したなど）

ということが分かっています。どの効果を見ても、有酸素運動系のパフォーマンス向上にはオメガ3脂肪酸は有効だということが分かります。ただし、実際に競技のパフォーマンスが向上したという研究はまだ数が少ないということなので、そこら辺は注意が必要ですね。

オメガ３脂肪酸と運動のその他の側面を調べて研究結果では、

サッカー選手を対象にした実験では、プロテインと一緒にオメガ３脂肪酸を摂取した人は、早く筋肉痛が消えて、筋肉のダメージの回復も早かった。つまり、オメガ３脂肪酸は運動のダメージの回復を早くしてくれる効果がある
カロリー制限中のオメガ３脂肪酸の摂取で、筋肉や脂肪の落ちやすさを比較した実験では、オメガ３脂肪酸の摂取量では差は出なかった
動物実験では、運動をしていない期間にオメガ３脂肪酸を増やすことは、筋肉量を維持するのに効果があった。ただし、人間で効果があるのかはまだわからない。

ということも分かっています。

中でもオメガ３脂肪酸が運動後の回復を早めてくれるのは嬉しい効果ですね。また、オメガ３脂肪酸に悪い効果は確認されていないようなので、運動する人も積極的にオメガ３脂肪酸を増やした方が良さそうです。

本稿では「オメガ３脂肪酸が運動に効果があるのか？」についてお話ししました

ポイントをまとめると

ということですね。

オメガ３脂肪酸は健康にいいだけでなく運動にも良いということで、運動をする人はタンパク質をプロテインや鶏肉から取るだけでなく、もっと積極的に魚を食べるようにすると良さそうですね。

以上、本稿はここまで。

[参考文献]

カテゴリー:健康運動

Naoto