大容量のパッケージだとどれだけ食べ過ぎてしまうのか?の研究
ポテトチップスやチョコレート菓子など、食品には様々な大きさのパッケージがあります。例えば私の好きなチョコパイだと、コンビニで売っている1個入りのパッケージもあれば、6個入りの箱パッケージ、あるいは10個以上入っている家族・パーティパッケージもあります。
それで大容量パッケージはお買い得なので嬉しいのですが、問題なのは容量が大きくなるとついつい食べ過ぎてしまうということです。何日かに分けて食べようかと思っていてお菓子を、1日で食べ尽くしてしまったような経験がある人も多いのではないでしょうか。
そこで、この大容量食べ過ぎ現象を調べてくれたのがボンド大学(*1)の研究で、
- 大容量になると人はどれだけ食べ過ぎてしまうのか?
- どんな食品や環境が大容量の食べ過ぎを促進してしまうのか?
を分析してくれています。本稿ではその中身を見ていきましょう。
大容量のパッケージ
この研究では、メタ分析という手法を用いて、過去に行われたパッケージの容量と食べ物の消費量に関する研究104件の結果をまとめてくれています。
まず全体として分かったことは、
- パッケージの容量が2倍になると、食品の消費量は平均で35%増えてしまう
ということです。
35%の消費量の増加というと意外と小さいようにも見えますが、それが日常的に続いていくとものすごいカロリーに積み上がっていってしまうので、習慣的にお菓子を買い溜めしてしまうような人は特に注意が必要かもしれませんね。
またこの研究ではパッケージの容量が大きくなればなるほど、消費量の増加も鈍くなっていくということも分かっています。次のグラフを見ればわかる通り、だんだんと増加の傾きが弱くなって、上限に達していますよね。いくら大容量でも食べきれない以上の大容量は消費量の向上につながらないのでしょう。
結果2:食べ過ぎが増えやす場合とは?
そしてこの研究では104件の研究結果の違いから、食品の種類や環境面など食べ過ぎが発生しやすい状況を深掘りして調べてくれています。
その結果として分かったことは
- 大人の方が食べ過ぎになりやすい
(大人が+39%に対して子供は+20%の消費量増加) - 男性の方が食べ過ぎになりやすい
(男性が+52%に対して女性は+27%の消費量増加) - BMIが低い人ほど食べ過ぎになりやすい
(BMI25以上が+18%に対してBMI25以下は+34%の消費量増加) - スナック菓子だと食べ過ぎになりやすい
(スナック菓子が+37%に対して、スナック菓子以外は+27%の消費量増加) - 食べることに意識が向いていないと食べ好きになりやすい
(意識していないと+45%に対して意識すると+26%の消費量増加)
面白いのが最後の食べることを意識しているかどうかで、食べることに意識が向いていない状況とは、映画を見ながらお菓子を食べるなど、食べることそのものに意識が向いていない状況のことです。なので、何かをしながらお菓子を食べるのでなく、一旦手を止めてお菓子を楽しむようにすると食べ過ぎを抑えることができる思います。
まとめ
本稿では「大容量のパッケージだとどれだけ食べ過ぎてしまうのか?」についてお話ししました。
ポイントをまとめると
- パッケージの容量が2倍になると、平均で35%消費量が増えてしまう!
- 特に食べることを意識していない状況や、スナック菓子は食べ過ぎにつながりやすいので注意しよう!
ということですね。
食べ過ぎを防ぎたいのであれば、基本的にはお菓子などの不健康な食品は買い溜めしない方が良さそうですね。コストは少し高くなってしまいますが、食べたいときに食べる分だけ買うようにするのが食べ過ぎには良いということです。量じゃなく質にこだわってみるのも考え方として良いでしょう。
以上、本稿はここまで。
[参考文献]
*1 : Sizing Up the Effect of Portion Size on Consumption: A Meta-Analytic Review