ソイプロテインとホエイプロテインで筋肉のつき方に差は出るのか?
筋トレをする人はプロテインを飲む人が多いと思いますが、プロテインにも色々種類があります。一番メジャーなのが牛乳が原料のホエイプロテインで、次に有名なのが大豆が原料のソイプロテイン、他にもマイナーなプロテインとして卵が原料のエッグプロテイン、牛肉が原料のビーフプロテインなどがあります。
そして、本稿で注目するのはソイプロテインです。ソイプロテインは植物由来のプロテインなのでダイエットにいいと言われる一方で、筋肉を増やす効果はホエイプロテインより弱いのでは?という批判もあるんですね。
そこで、本稿ではこの疑問について調べてくれた研究(*1)を参考に
- ソイプロテインとホエイプロテインで筋肉の増え方に差はあるのか?
を見ていきたいと思います。
ソイプロテインの効果
この研究ではソイプロテインと他のプロテインの効果を比較した過去の研究を集めて、メタ分析により研究結果をまとめてくれています。
集められた研究の特徴としては
- 18歳以上の成人が対象であること
- ソイプロテインと他のプロテインを飲んだ場合の、筋肉量や筋力の変化の差を測定していること
- 週2回以上の筋トレを6週間以上続けたときの長期的な効果を測定していること
という感じ。1回のトレーニング後の筋肉の合成量といった短期的な効果ではなく、しっかりと長期的に筋肉が増えるかを比較してくれています。
結果1:筋力の伸び
まず最初に6週間のトレーニングの結果として、ソイプロテインとホエイプロテインでの筋力の伸び方には次の結果が得られています。
- ベンチプレスの最大重量は、ソイプロテインでもホエイプロテインでも同じくらい向上した
- スクワットの最大重量は、ソイプロテインでもホエイプロテインでも同じくらい向上した
つまり、筋力の向上効果はソイプロテインでもホエイプロテインでも同じということですね。
結果2:筋肉量の伸び
次に筋肉の増え方にソイプロテインとホエイプロテインで差が出るのかを分析した結果では
- ソイプロテインの筋肉量(除脂肪体重)の効果量0.39
- ホエイプロテインの筋肉量(除脂肪体重)の効果量0.41
ということで、筋肉量の増え方に関してもソイプロテインとホエイプロテインでほとんど差はないという結果になっています。
ソイプロテインでも筋肉は十分につく
研究結果から分かったのは、ソイプロテインでもホエイプロテインと同じくらい筋力・筋肉はつくということです。それで、そもそもなんでホエイプロテインの方が筋肉がつきやすいと考えられていたのには2つの理由があるようです。
- ①ホエイプロテインの方がロイシンが多い
ロイシンは筋肉の合成を促進してくれるので、筋トレ後にはロイシンの多いホエイプロテインを飲んだ方が筋肉がつきやすいはず
- ②ソイプロテインのイソフラボンが多い
ソイプロテインに含まれるイソフラボンを多く摂取すると、mTORの活動が阻害されて筋肉が合成されにくくなってしまうのでは?
これに対して、ソイプロテインがホエイプロテインと同じだけ筋トレ効果があったことから、研究者は次のように考えています。
- ①ソイプロテインでも十分にロイシンは取れている
ソイプロテインにもロイシンは含まれていて、38gのソイプロテインと飲めば推奨されている3gのロイシンは摂取できる。なので、ソイプロテインでも必要な分のロイシンは摂取できているのでは?
- ②イソフラボンもそこまで問題にならない
大豆食品には〜3.5mg/gのイソフラボンが含まれるが、ソイプロテインに加工されると〜1mg/gに低下するため問題にはならないのでは?そもそもイソフラボンがmTORを阻害するという研究はマウスを対象にした実験なので、人間ではそこまで影響がない可能性もある
ということで、ソイプロテインはホエイプロテインと同じくらい効果があると考えられようです。
ちなみに、この研究ではホエイプロテイン以外とソイプロテインの比較もしていて、ソイプロテインはホエイプロテイン以外のプロテインとも同じくらいの効果があることが分かっています。ただ、今回の研究のメタ分析はまだ規模が小さいので今後の研究結果次第ではまた変わってくれる可能性もあるので注意が必要です。
まとめ
本稿では「ソイプロテインとホエイプロテインで筋肉の増え方に差はあるのか?」についてお話ししました。
結論をまとめると
- ソイプロテインでも他のプロテインと同じくらいの筋力・筋量の向上ができる
ということですね。
私はホエイプロテインを飲み慣れているので、これからもホエイプロテインを飲むと思いますが、ホエイプロテインだとお腹の調子が悪くなっていまう人とかはソイプロテインにしてみるのもいいと思います。
[参考文献]