健康的な食生活の人ほど筋力も高いという研究
筋トレ好きに限らず、日常生活で役に立つくらいの筋力を備えておくことは健康のために大切です。筋力が高いと転倒などによる怪我が減りますし、肥満や心臓血管病などのリスクも低下して、全体として死亡率まで低下することが分かっているんですね。
そして特に最近では、座りっぱなしの生活が増えていたり、ジャンクフードなどの栄養の偏った食生活が増えていたりで、筋力が落ちやすくなっているという背景もあります。なので、筋力を維持するための生活習慣を維持することが大切になるわけです。
そこで、この問題についてケルマーンシャー大学の研究(*1)が
- 健康的な食生活な人ほど、筋力も高いのか?
について分析してくれていましたので、本稿ではその中身を見ていきましょう。
健康的な食生活と筋力
この研究では4,010人を対象に
- 食生活の健康度
- 握力
の2つの関係を分析しています。
なぜ握力のデータを使うのかというと、握力は全身の筋力との相関が確認されているため、握力を使うことで全身の筋力を簡単に予測できるからです。
そして、食生活の健康度の指標としてはHEI-2015という指標が使われていて、これがどんなものかというと、
- フルーツ、野菜、まめ、ナッツ、オリーブオイル、低脂質の乳製品を多く摂取していること
- 鶏肉と魚介類を適度に摂取していること
- レッドミート、加工肉、デザートの摂取が少ないこと
というような基準で健康度のスコアが判断がされています。
ちなみに、この研究では筋トレの経験者を対象にしているわけはなく、一般人の食生活と筋力の関係を分析しています。
結果
それで健康的な食生活と握力の関係がどうだったのかというと、
- 握力が弱い人ほど食生活も不健康で、握力が強くなると食生活も健康的だった
- 食生活が不健康な人ほど握力が低く、食生活が健康的な人ほど握力も強かった
ということ。握力は全身の筋力とも相関するので、健康的な食生活の人ほど筋力が高いことが予測できるわけですね。
さらに、具体的にどのような食品が筋力に関係していたのかというと、2つのポイントが分かっていて
- フルーツの摂取が多い人ほど握力が強かった
- 砂糖入りの食品の摂取が少ない人ほど握力が強かった
ということ。なので、お菓子の代わりにフルーツを食べるようにすることが、特に健康を良い効果がありそうですね。
まとめ
本稿では「健康的な食生活と筋力」についてお話しました。
ポイントをまとめると
- 健康的な食生活の人ほど握力が高く、全身の筋力も高いことが予測できる
- 特にフルーツを多く食べ、砂糖入りの食品を食べることが少ない人ほど握力が高い傾向がある
ということ。
筋力を維持するには運動ももちろん大切ですが、健康的な食生活も大切ということですね。今回の研究は筋トレをしている人を対象にしていませんでしたが、筋トレをする人でも筋肉を成長させるのに様々な栄養が必要なのは変わらないので、鶏ムネ肉とかに偏りすぎずにバランスの取れた食事を心がけた方が良いのかもしれませんね。
[参考文献]