Facebookのいいねが多いほど、さらにいいねは集まりやすくなるという研究
ファッションにしても商品にしても、人気を集めて流行となる要因には、もちろん物の質の良さも関係しますが、他の人がみんな持っているからという周囲への同調が大きく関係してきます。
同じようにYouTubeやTwitterのようなSNSのいいねボタンでも周囲への同調が大きく作用することが考えらて、既にいいねがたくさんついているほど、後から見た人もいいねを押しやすくなることが想定できます。
これを調べてくれたのがストックホルム大学らの研究(*1)で
- Facebookでメッセージの投稿と同時にいいねをつけておくと、その後にいいねがもらいやすくなるのか?
を実験してくれていました。
Facebookといいねの伸び
この研究では5つのFacebookのアカウントを使って、「今どこにいて何をしているのか」のステータスを更新したときに、投稿と同時に意図的にいいねを上げておくことで、その後にいいねがもらいやすくなるのかを実験しています。
このときに最初のいいねの上げ方は次の3パターンを実験していて、それぞれ最初にいいねをつけない場合と比較をしています。
- 見知らぬ人から1ついいねがついた状態
- 見知らぬ人から3ついいねがついた状態
- 友人から1ついいねがついた状態
最後に友人のパターンを用意したのは、見知らぬ人がいいねをしたメッセージよりも、自分の友人がいいねをメッセージの方が、より同調していいねをする確率が高まりそうということを確かめるためですね。
それでこれらの3つのパターンで、その後にいいねをもらえる確率がどれだけ上がるのかを測定しています。
結果:
それで結果がどうだったのかというと
- 見知らぬ人から1つのいいねがついた場合には、その後にいいねをもらえる確率はほとんど向上しなかった
- 見知らぬ人から3つのいいねがついた場合には、その後にいいねをもらえる確率は142%向上した
- 友人から1ついいねがついた場合には、その後にいいねをもらえる確率が200%向上した(いいねをくれた友人グループの中では333%向上した)
ということ。
見知らぬ人のいいねは1つではあまり効果はないようですが、3つと数が増えるほど効果は高まるようですね。また、見知らぬ人のいいねよりも、友人のいいねの方が、その後の同調のいいねを引き出しやすいということです。なので、インフルエンサーのように友人関係の広い人からいいねがもらえれば、多くの人からいいねをもらいやすくなるということですね。
また男女差を見てみると
- 男女ともに見知らぬ人のいいねが3つついた場合と、友人からいいねが1つついた場合の両方で、その後のいいねの確率は向上していた
- いいねの確率の向上を比較すると、女性の方が先にいいねがついているメッセージに同調していいねをする確率が高い傾向があった
ということ。女性の方がSNSを頻繁に使っているイメージがあるので、女性の方がいいねを多くしやすいのかもしれませんね。
まとめ
本稿では「Facebookのいいねの伸び」についてお話ししました。
ポイントをまとめると
- いいねが既に多くついているメッセージほど、いいねがもらえる確率は高くなる
- 特に見知らぬ人でなく友人がいいねをしていることに気づいた人は、そのメッセージに同調していいねをしやすい
ということですね。
一度いいねが増え始めると、次のいいねがもらえる確率も高くなっていくので、どんどんそのメッセージにいいねが集まっていくということですね。なので最初にある程度いいねを集められるかが意外と重要なのかもしれませんね。これはYoutubeの人気動画にしても、Amazonの人気商品にしても同じことですね。
以上、本稿はここまで。
[参考文献]
*1 : Like What You Like or Like What Others Like? -Conformity and Peer Effects on Facebook