重いブランケットで安心感が高まって、睡眠の質が改善するかもしれないという研究
睡眠の質を高めるのには、マットレスや枕などの寝具も大切になります。枕の高さやマットレスが合わなかったりすると、腰が痛くなったり、寝返りがとりづらかったりして夜中に目覚めてしまうこともありますよね。
それで今回注目するのはブランケット(掛け布団)です。しかし、ただのブランケットではなく、7kg程度の重量を重くしたブランケットです。これが睡眠の質にいいのではないかと最近注目されているんですね。
そこで本稿では、
- 重いブランケットで寝たときに安心感が増すのか?
について実験してくれた研究(*1)を見ていきましょう。
重いブランケットはなぜいいのか?
なぜ重いブランケットが安心感につながると考えられるのかというと、
- 重いブランケットは体を圧迫してくれるから
ということなんですね。重いブランケットに包まれて体が圧迫される状況は、
- 体をハグされて抱きしめられている状況
- マッサージを受けてリラックスしている状況
- 赤ちゃんが抱き抱えられて体を包まれている状況
に近しいものがあって、人を安心させてくれると考えられるわけです。ハグをしてくれるマシーンに体を圧迫されたときでも人の安心感は高まるということも分かっているみたいなので、重いブランケットでも効果はありそうですよね。
重いブランケットは安心感を高めるのか?
それでマサチューセッツ大学の研究(*1)が重いブランケットの効果を実験により確かめてくれています。
この実験では32人を対象に
- 重いブランケットで寝た場合
- ブランケット無しで寝た場合
の両方を実際に体験してもらって、安心感(皮膚電位測定とアンケート測定)や心拍数、血圧などを測定しています。
ちなみにこの実験で使われたブランケットの重さは30ポンド(約13.5kg)です。よくお勧めされるのは体重の10%の重さということなので、この研究は少し重めの重量設定になっています。
結果
それで重いブランケットを使った結果として分かったことは、
- 33%の人は皮膚電位が低下していた(不安が大きく軽減されていた)
- 63%の人は不安感が軽減されたと主観的に感じていた
- 78%の人はブランケット無しよりも重いブランケットの方がリラックスができたと答えた
ということ。
なので、重いブランケットは全ての人に効果があるとまでは言えないものの、人によっては不安を軽減して安心感を高めてくれる効果があることが確認されたというわけですね。
それで、重いブランケットにすると体に悪いのではないかという不安もあると思いますが、
- 心拍数や血圧、血中酸素飽和度はブランケットなしと変わらなかった
- 13.5kgの重めのブランケットでも、80%の人はいい感じの重さだと感じていた
という結果も得られています。なので、心拍数や血圧を見る限り体に悪い影響は特にないということですね。
まとめ
本稿では「重いブランケットの安心効果」について説明しました。
ポイントをまとめると
- 重いブランケットは安心感を高めてくれる効果がある
(ただし人によっては効果は出ない可能性もある) - 重いブランケットは心拍数や血圧で見る限り、体に悪い効果はない
ということですね。
人によって効果が出たり出なかったりということなので、リラックスできなくて睡眠の質が低下してしまっているような人は重いブランケットを一度試してみると良いでしょう。最近では重いブランケットも随分と一般的になってき始めたみたいで、Amazonなどの通販で簡単に手に入るようになっているようです。
以上、本稿はここまで。
[参考文献]