クリエイティビティは日によって大きく変動することを知っておくと良いぞ

最終更新日

Comments: 0

クリエイティビティは、新しい製品の構想やより効果的な問題解決方法など、これまでに無いアイデアを考えだす能力のことです。クリエイティビティは会社の戦略のような大きなアイデアから、日々の仕事の問題解決などの小さなアイデアまで、広く必要になるもので、変化の激しい今の社会で特に大切な能力だとも言われています。

そして、自分はクリエイティビティが高いか?と聞かれると、自信を持って高いと答えられる人はなかなか少ないのではないでしょうか。人と違う奇抜なアイデアを出すのはやはり難しいことなので、自分はクリエイティビティが低いと思ってしまう人が多いわけですね。

しかし、この考えに疑問を投げかけるのがドレスデン工科大学の研究(*1)です。この研究では

  • クリエイティビティの高さは、性格のように固定的なものでなく、同じ人の中でも日々変動する影響の方が大きいのでは?

ということを調べてくれています。本稿ではこの研究を参考に、自分のクリエイティビティを毎日高く保つにはどうすればいいのかを学んでいきましょう。

クリエイティビティと日々の変動

この研究では62人の起業家を対象に、12日間のクリエイティビティの変動を測定しています。なぜ起業家なのかというと、起業家は他の会社にないビジネスアイデアを捻り出さなければいけませんし、会社の様々な問題解決もしなけれないけないなど、特にクリエイティビティが大切な職業の一つだからです。

この研究では、12日間のクリエイティビティの変動に影響する要因を調べるために、次の3つの項目も測定をしています。

  • 睡眠の質
    ベッドにいる時間のうちで実際に寝ている時間の割合を、手首につける専用の装置で測定。寝つきが悪かったり、夜中に目覚めたりして、ベットにいるけど起きている時間が長いと睡眠の質が低いことになる。
  • 仕事の時間以外でどれだけ仕事のことを考えているか?
    仕事が終わった後の私生活の時間で、どれだけ仕事の問題について振り返って考えているかを測定。これは不安のようなネガティブな感情は含まない、ポジティブな思考を測定している。
  • 年齢
    年齢も測定して、高齢者になるほどクリエイティビティが低下してしまうは本当かを検証

それでは、研究の結果を見ていきましょう。

結果:クリエイティビティの日々の変動

クリエイティビティがどれだけ日々変動していたのかというと

  • クリエイティビティのばらつきの77%が日々の変動で、性格などの人による違いは23%しか影響していなかった

ということ。

なんと、人の違いの影響よりも、同じ人の中で日々変動する影響の方が、クリエイティビティに3倍以上も強く影響しているという結果になっています。

なので、自分はクリエイティビティが低いと固定的に考えてしまうことは間違っていて、自分はクリエイティブティが高い日もあれば、低い日もあるというのが適切な考え方になります。クリエイティビティを高めるためには、クリエイティビティの高い日をいかに増やすかがポイントであることが分かりますね。

結果2:どんな日にクリエイティビティが高かったのか?

続いて、どんな日にクリエイティビティが高かったのかの結果を見てみると、

  • 睡眠の質が良かった日は、クリエイティビティが高まった
  • 前日の仕事以外の時間で、仕事のことを考える時間が長いほど、翌日クリエイティビティが高まった

ということ。

なので、「睡眠時間を確保してしっかり休むこと」と、「考える時間を増やすこと」の2点がクリエイティビティを高めるために必要ということですね。斬新なアイデアを出すには、アイデアを温める時間も必要だと言われているので、ひたすら考えた後でしっかりと休憩のコンボが良いのかもしれませんね。

結果3:年齢の影響とは?

最後に年齢の影響を見ていると

  • 確かに高齢者の方がクリエイティビティは低かった
  • 年齢が高い人ほど仕事以外の時間で仕事のことを考える時間が減っていて、それが原因でクリエイティビティは低下していた

ということ。

つまり大切なポイントは、年齢が直接クリエイティビティを低下させているのではなく、考える時間が減っていることがクリエイティビティを低下させているということです。なので、年齢が高くなってもしっかりと考える時間を確保すれば、若者と同等のクリエイティビティを発揮することができます。

まとめ

本稿では「クリエイティビティの変動」についてお話ししました。

ポイントをまとめると

  • クリエイティビティは性格のように固定的なものでなく、日々高まったり低下したりするもの
  • クリエイティビティが高い人を増やすには、睡眠時間の確保と考える時間の確保が大切
  • 年齢が高いとクリエイティビティが低下してしまうのは、考える時間が減ってしまうのが原因

ということ。

なんだかんだで新しいアイデアを生む出すのには、じっくりと時間をかけて考え込むことが大切なのかもしれませんね。特に年齢が高くなると、若者のように仕事に打ち込むことが減って、クリエイティビティは低下してしまうので注意が必要みたいですね。


[参考文献]

*1 : Having a creative day: Understanding entrepreneurs’ daily idea generation through a recovery lens

Naoto

シェアする

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

コメントする