欠点と思われている性格が、仕事の成功につながるときとは?
「なんでこんな性格の悪い人が上司なんだろう?」
仕事ができる一流のビジネスマンは、社交的で誠実で性格が良いというイメージとは裏腹。現実を見てみると、部下への当たりがキツい上司であったり、神経質で気難しい上司であったりと、性格に難がある人が意外と仕事で成功しているもの。さらには、オタク気質なプログラマーや、とにかく気合任せの体育会系など、癖の強い性格が仕事ですごい成果を出したりもします。
本稿では
- 欠点と思われる性格が、実は仕事の成功につながっているのでは?
を調べてくれたロンドン大学の研究(*1)を見ていきましょう。
性格の欠点と仕事の成功
ロンドン大学の研究では、欠点と思われる11つ性格が、仕事のスキルにどのように関係しているのかを4943人を対象に調べています
性格 | 説明 |
興奮しすぎ | 少しのことでも大げさに喜ぶ。初めはすごくモチベーションが高いのに、すぐに消えてしまうような性格。 |
疑り深い | 他人を信用しにくく常に疑っている。皮肉を言いやすい性格 |
慎重 | 失敗することを恐れて、リスクを取れない性格 |
ひかえめ | 他人と距離をとって、コミュニケーションが少ない性格。他人の感情があまり理解できない。 |
のんびり屋 | 他人の要求を気にせずにマイペースで仕事をする性格 |
大胆 | 異常に自信があって、大胆な行動を取る性格 |
いたずら好き | リスクを取るのが楽しくて、実験的に様々なことを行なってしまう性格。他人に対しては口がうまく、他人をうまく操作しようとする |
華やか | 表情豊かで劇的な人。自分か注目の中心にいないと気が済まないタイプ |
独創的 | 想像力豊かで周りから見ると何を考えているのかわからない不思議ちゃんタイプ |
勤勉すぎ | 細かなことに厳しくて他人に対して批判的。ルールを絶対視して、柔軟な対応ができない。 |
従順 | 自分の意見がなく、他人に頼らないと何も決断できないタイプ。 |
そして、これらの性格が、次の6つの仕事のポテンシャルとどのように関係しているのかを分析しています。
- サービスのポテンシャル
感じが良くて、クライアントに親切にするスキル - 信頼のポテンシャル
誠実で信頼される人かどうか、仕事で反生産的な行動をとっていないか - ストレス耐性のポテンシャル
ストレスに適切に対処する能力があるか - 事務のポテンシャル
明確にコミュニケーションをとって、指示されたことをきっちりできること - セールスのポテンシャル
エネルギッシュで社交的、クライアントの問題解決ができること - マネジメントのポテンシャル
リーダシップがあって、計画や決断ができること
結果
結果を見てみると、
- 大部分の性格の欠点はない方が仕事のポテンシャルが高かったが、一部の欠点は仕事のポテンシャルを向上させていた
ということ。具体的にどんな性格が良かったのかというと、
- いたずら好きな性格の人は、ストレス耐性・サービス・セールスのポテンシャルが高かった
- 華やかな性格の人は、サービス・セールス・マネジメントのポテンシャルが高かった
- 大胆な性格の人は、事務・マネジメントのポテンシャルが高かった
- 勤勉な性格の人は、信頼・事務・マネジメントのポテンシャルが高かった
- 独創的な性格の人は、セールスのポテンシャルが高かった
ということ。特に強くポテンシャルと関係していたのは、いたずら好きな性格と華やかな性格の2つみたいです。私は華やかな性格とは真逆ですが、いたずら好きな部分はあるので、これは仕事に行かせるかもしれませんな。
ちなみにマネジメントのポテンシャルが高いのは、華やか・大胆・勤勉との3つ。華やかさが入っているので、自分中心で考える上司が多いのもうなづける結果なのかもしれませんね。
まとめ
本稿では「性格の欠点が、仕事の役に立つのか」についてお話ししました。
ポイントをまとめると
- 性格の欠点は、できれば無い方が良いものが多いが、一部の性格は仕事のポテンシャルを向上してくれる
- 特に、いたずら好きな性格(実験的に色々試しちゃう性格)と華やかな性格(自分が中心でいない嫌な性格)は、高い仕事のポテンシャルにつながっていた
ということ。
性格のクセが強い人を見ると、第一印象で変な人になってしまいがちです。しかし、これらの性格が仕事のポテンシャルにつながることもあるということで、それぞれの持ち味を活かせるといいですね。
[参考文献]
*1 : Bright aspects to dark side traits: Dark side traits associated with work success