Googleやザッポス、仕事の意義が高い会社の10個の共通点とは?
仕事に意義を感じることは、働きがいや仕事のパフォーマンスにもつながるとても重要なポイントです。仕事の意義が低い会社では、優秀な人材が次々とやめていってしまうので、仕事の意義を高めることは会社にも社員にも大切なことなんですね。
そこで、ペンシルバニア大学らの研究(*1)では、
- Googleやザッポスなどの優良企業をインタビューして分かった、仕事の意義を高める10個の共通点とは何か?
についてまとめてくれていましたので、本稿ではその中身を見ていきましょう。
仕事の意義の10ポイント
1. 会社の目的や価値観を決める
仕事の意義が高い会社の1つ目のポイントとして、会社の文化や行動指針を明確に定めています。
そして、社員の一人一人がその文化に合った行動を取ることが必要なので、人材を確保するときには文化に合っているかのポイントが重視されます。例えば、ザッポスでは働き始めて1ヶ月で会社に合わないと感じた場合は、退職時に採用自体ボーナスのお金が出る制度が合って、会社に合わない人が残らないようにしています。
実は会社の行動指針や文化を決めて維持することは、他の9つのポイントとも関係してくる最も重要なポイントとなっています。
2. 強烈な第一印象を作る
仕事の意義が高い会社は新人研修に力を入れていて、その中で会社の価値観や文化を強烈に印象付けます。このような会社の新人研修では、会社のルールを教えるのではなく、会社の文化にしたがって行動することを教え、会社の文化の範囲内であれば恐れることなく自由に行動していいことを教えます。
3. 社員が文化の一員となる
仕事の意義の高い会社では、全社員が会社の文化や価値観を共有していて、この文化を自ら守って促進する一員になっています。他の社員と価値観が共有できることで、所属感や安心感が生まれ、社員の結びつきや一体感も高まります。
4. 言葉だけでなく行動に移す(特にリーダー)
仕事の意義が高い会社では、リーダシップを取る人が言葉と行動の一貫性を持つことが求められます。リーダーはみんなの手本として言葉だけでなく行動を見せなければいけないわけですね。
自分ではできていないくせに偉そうなことを言うリーダーが信頼できないように、言葉と行動の不一致は不信感につながります。このような不信感は部下の反抗的な行動を増やしたり、パフォーマンスを低下させたりしてしまうので注意しましょう。
5. 個人の仕事を大きな目的につなげる
仕事の意義が高い会社では、個人の仕事がより大きな目的につながっていることを認識させます。例えば、トイレ掃除の仕事でも、お金をもらうためと考えるよりも、綺麗にして他の人が快適に過ごせるようにするためと、社会貢献を目的に考えた方が仕事の意義は高まります。
仕事の意義の高い会社では、個人が日々行っている小さな仕事でも、それが最終的に社会貢献レベルのより大きな目的につながっていることが認識されています。
6. 文化の範囲内で自律を推進する
仕事の意義が高い会社では、ルールや制度で人の行動を制限することが少なく、自分で自律して行動することが推進されます。ただし、なんでも自由に行動していいとなると収拾がつかなくなるので、代わりに文化や行動指針が自由な行動の範囲を制限します。
同じ行動であっても、ルールで制限された行動と、文化に沿って自分で判断した行動では、社員の意義の感じ方が全然変わってきます。例えば、ネットフリックスでは”会社の利益になる行動を取ること”が行動の指針となっていて、ルールがほとんどありません。休暇制度すらないので、個人の裁量で自由に休むことができるほどです。
7. 社員が自分をさらけ出せる
弱みをさらけ出せることは、本当の自分自身をさらけ出せるということ。そして、会社で本当の自分をさらけ出せると、会社の仕事が本当の自分のアイデンティティと結びついて強い意義感が生まれます。
仕事の意義が高い会社では、社員が弱みをさらけ出せるように、心理的な安心感が高かったり、リーダーが率先して失敗を共有したりしています。このような会社では、失敗から学んで成長することに重点が置かれ、失敗も非難されることなく積極的に共有することが求められます。
8. 社員同士のプレイべートの関係も推進する
人の幸福感には良好な人間関係が大きく影響することがわかっています。仕事の意義が高い会社では、社員同士が仕事でもプライベートでも深く関わり合うことを推進しています。例えば、仕事面では部門の枠を超えた集合研修を行ったり、プライベート面では部活動やボランティア活動推進したりしています。
9. 会社の仕組みを企業文化に合わせる
企業文化や行動指針は、ただ言葉にするだけでは実態が伴わない意味のないものになってしまいます。そこで、リーダーが積極的に企業文化を推進するように教育をしたり、会社の評価制度を会社の文化に沿った行動を評価するように変えたりと、会社の運用システム面の細かいところまでを徹底的に企業文化に合わせます。例を挙げると、オープンな情報共有を推進する会社では、社長室の扉が常に開かれているとか。会社の隅々まで企業文化を染み渡らせることが大切と言うことですね。
10. 社員のチャレンジと成長を推進する
社員の才能を伸ばしてあげたり、新しい可能性を探してあげたりすることは、その人の仕事の意義の向上につながります。そのため、仕事の意義が高い会社では、社員の成長の機会を与えるように、常に少し高めの難易度のチャレンジレベルの仕事を与えています。
ただし、仕事の難易度が高すぎると、不安やモチベーションの低下につながってしまうので、その人のスキルを加味した難易度設定であったり、リソースやサポートの支援を積極的に行うようになっています。
まとめ
本稿では「仕事の意義が高い会社に10の共通点」についてお話ししました。
共通点をまとめると
- 会社の目的や価値観を決める
- 強烈な第一印象を作る
- 社員が文化の一員となる
- 言葉だけでなく行動に移す
- 個人の仕事を大きな目的につなげる
- 文化の範囲内で自律を推進する
- 社員が自分をさらけ出せる
- 社員同士のプレイべーとの関係も推進する
- 会社の仕組みを企業文化に合わせる
- 社員のチャレンジと成長を推進する
ということ。
社員の行動を細かなルールで縛ると、主体性や働きがいが低下してしまいます。その代わりに文化や行動指針を作って、それに沿って自律して行動させることが、仕事の意義を高める重要なポイントだということですね。
以上、本稿はここまで。