ナッツを食べる人はどれだけ病気のリスクが低いのか?
ナッツは言わずと知れた健康食品の一つ。ナッツには良質な脂質や抗酸化物質が多く含まれていて、これらが病気のリスク低減やアンチエイジングに効くと言われているんですね。
しかし、ナッツで具体的にどんな病気が防げるのかは知らない人も多いと思います。そこで本稿では
- ナッツと様々な病気の死亡率の関係はどうなっているのか?
- ナッツの摂取量はどのくらいが効果的なのか?
を調べてくれたノルウェー科学技術大学の研究を見てみましょう。
ナッツの摂取量と病気のリスク
この研究では、ナッツと病気のリスクを調べたコホート研究20件をメタ分析でまとめてくれています。どんな病気を調べたのかというと
- 冠動脈心疾患(サンプル数315,397人)
- 脳卒中(サンプル数396,768人)
- 心血管疾患(サンプル数376,28人)
- ガン全般(サンプル数304,285人)
- 全死因死亡率(サンプル数819,448人)
となっています。サンプル数を見ればわかるように、結構大規模なメタ分析となっています。過去のメタ分析と比べてもサンプル数は多めで、信頼度は高めと言えるでしょう。
結果:リスクの低下
結果として、ナッツの摂取量が多い人にみられた傾向としては
- 冠動脈心疾患のリスクが24%低かった
- 脳卒中のリスクが11%低かった
- 心血管疾患のリスクが19%低かった
- ガン全般のリスクが18%低かった
- 全死因死亡率のリスクが19%低かった
ということ。どの病気でもナッツを食べる人はリスクが低減されていることが分かります。やはりナッツの健康効果はすごいですね。
ちなみに、ナッツの摂取量に関する分析結果も見てみると
- ナッツは食べれば食べるほど効果が上がるわけではなく、一定量を超えると効果の上昇幅も小さくなっていた
- 冠動脈心疾患、脳卒中、心血管疾患、ガン全般、全死因死亡率のどのリスク低減も、ナッツの摂取量が毎日15〜20gまたは28gを週に5〜6回で最も高かった
ということ。
健康維持に必要なナッツの量は1日20gで、意外と少ない量で大きな効果が期待できるようです。逆に美味しくて食べすぎてしまう方があり得そうで、特にナッツはカロリーが高いので食べ過ぎには気をつけましょう。
参考:ナッツの種類やその他の効果
研究で分かった他のポイントをさっと取り上げると
- ピーナッツと木の実系(アーモンドやクルミ)を比べると、脳卒中にはピーナッツ、ガンには木の実系、他の病気には両方効果ありだった
- ピーナッツバターは逆に健康に悪かった(砂糖など塩が多く含まれているためピーナッツの良い効果がなくなっている)
- 研究の数は少なくて信頼度は低めだが、呼吸器疾患には52%のリスク低減、糖尿病には39%のリスク低減、感染症には75%のリスク低減も確認されている
- 計算によると毎日20gのナッツによる病気のリスク低減効果は、世界全体で440万人の死亡数を防いでくれる
ということ。
ナッツの種類と病気の種類によって若干の違いはあるみたいですが、そこなで大きな差ではないので自分の好きなナッツを食べれば良いのではないでしょうか。ちなみに、抗酸化物質が一番多いのはクルミということも以前のブログに書いていて、私はクルミを食べるようにしています。
まとめ
本稿では「ナッツの摂取量と病気のリスク低減」についてお話ししました。
ポイントをまとめると
- ナッツの摂取量が多い人は、冠動脈心疾患、脳卒中、心血管疾患、ガン全般、全死因死亡率のリスクが11%〜24%低い
- ナッツは毎日20g、あるいは28gを週5〜6回を摂取することと効果が高い
ということです。
朝のヨーグルトにナッツを入れたり、おやつでナッツを食べたり、ナッツは料理する必要がないので続けられるのも簡単だとお思います。食べ過ぎには注意ですが、ナッツは毎日食べていきましょう。
以上、本稿はここまで。
[参考文献]