断食系のダイエットは通常のダイエットよりも痩せやすいのか?

ダイエットにも様々な種類がありますが、その中に一つに断食系のダイエットもあります。断食系のダイエットとは、16時間以上何も食べてはいけない時間を作るタイプといった感じで、食べ物を制限するわけではなく、食べていい時間を制限するわけですね。
研究結果を見てみても、断食系のダイエットは確かに痩せる効果がある信頼できるダイエット法です。しかし、気になる問題は
- 断食期間は作らないけど1食当たりのカロリーを制限する通常ダイエットと比べて、断食系のダイエットは痩せる効果は高いのか?
ということ。本稿ではこの点を調べてくれたコロラド大学らの研究(*1)をみてみましょう。
断食系ダイエット vs 通常ダイエット
コロラド大学の研究では、断食系ダイエットと通常ダイエットの効果を比べた過去の研究11件をメタ分析でまとめてくれています。これらの研究の特徴としては
- 断食系ダイエットでは、週に2,3日以上カロリーを40%以下に抑える断食日がある。あるいは、毎日食べる時間を8〜10時間以下に制限している。
- 実験期間は8週間以上である
- 実験の対象は肥満体型の人である
という感じです。
結果:断食系ダイエットは効果が高いのか?
早速メタ分析の結果を見てみると、
- 断食系ダイエットには確かに痩せる効果があった
- しかし、断食系ダイエットと通常のダイエットで体重や脂肪の減少量はほとんど同じだった(11件の研究中9件は有意差なしの結果だった)
ということ。断食系のダイエットでも通常のダイエットでも、ちゃんとカロリーを制限できればどちらでも同じように痩せるということですね。
体重の減少に差がないのであれば、ダイエット方法は定着のしやすさで選ぶのが良いでしょう。例えば、1日の食事時間を8時間以内に抑えるプチ断食ダイエットは、朝食を抜いて昼と夜の2食だけにすればいいので、非常にシンプルでやりやすいダイエットです。食事時間を8時間以内に抑える方法は、食事時間内はカロリーを気にせずに好きなように食べていいという条件でも、自然と摂取カロリーが〜20%落ちるという研究結果もあるんですね。
断食系ダイエットの種類
次に自分のライフスタイルあった断食系ダイエットを知るために、いくつかの断食系ダイエットの種類を見ていきましょう。まず断食系ダイエットには大きく2種類の方法があります。
- 毎日の食事時間を制限する系
毎日の食事時間を8時間以内に抑えるなど - カロリーを大きく抑える断食日を時々作る系
週に2〜3日だけほとんど食べない断食日を作るなど
さらに細かい実践方法を見ていくと
- 早い時間の食事時間制限
朝〜昼にかけての8時間を食事時間にして、夜は食べない方法。
朝食はしっかりと食べて、日中に空腹感を感じたくない人におすすめ。 - 遅い時間の食事時間制限
朝食は食べずに、昼〜夜にかけての8時間を食事時間にする方法。
寝起きが弱くて、朝にあまり食べられない人におすすめ。
- 断食と普通の交互
断食日と普通に食べていい日を交互に繰り返す方法。
- 週に2〜3日断食
月曜と木曜は断食日にするなど、週に2〜3日だけ断食する方法。
週末は外食したいとか、金曜は飲みたいとか、曜日の予定に合わせて断食を取り入れやすい。
- 2日以上の連続断食
月に1回だけ3日間の断食をするなど、大きな断食をたまに行う方法。
といった感じ。自分のライフスタイルや性格にあったダイエット方法があれば、ぜひ試してみてください。
まとめ
本稿では「断食系ダイエットと通常ダイエットの効果」についてお話ししました。
ポイントをまとめると
- 断食系ダイエットも通常のダイエットも体重の減少は同じくらい
- なので、ダイエットはやりやすさで選ぶのがよく、断食系ダイエットは自分のライフスタイルに合わせて断食時間を調整しやすい
ということ
断食系ダイエットは、食事内容は制限しなくていいので、割と好きな食事が食べられます。空腹感も相まって、ものすごく美味しく感じるのも良いですね。もちろん最初は空腹感がつらく感じますが、慣れると空腹感を感じにくくなり、当たり前の習慣になります。食事内容を制限するタイプのダイエットで失敗しやすい人は、食事時間の制限を試してみてはいかがでしょうか。
以上、本稿はここまで。
[参考文献]