弱みやネガティブなフィードバックに向き合うのには、Whyの視点が良いかも
物事には抽象的な考え方と、具体的な考え方があります。
例えば、ダイエットを例にとって考えてみると、抽象的な考え方とはWhyの視点で「なぜダイエットをするのか?」を考えること。一方で具体的な考え方とは、Howの視点に立って「食事は何キロカロリーにしようかとか」とか「運動量はどのくらいにしようか」とかを考えることにあたります。
もちろん抽象的な考え方と具体的な考え方は両方とも大切なものですが、自分の考え方がどっちに偏るのかで、活動へ取り組む姿勢などが若干変わってくることでしょう。
そこで本稿では
- 抽象的な考え方と具体的な考え方で、フィードバックの好みが変わる
ということを実験してくれたニューヨーク大学の研究を見てみましょう。
抽象思考・具体思考とフィードバック
この研究では、3つの実験により、抽象思考と具体思考がフィードバックの好みにどのように影響するのかを調べています。これらの実験では、
- 参加者は抽象思考グループ、具体思考グループ、コントロールグループに分けられる
- 抽象思考グループでは、活動の目的や意義を考えることの大切さが強調され、実際に「体の健康を保つこと」がなぜ大切かを書き出して、頭を抽象志向に寄せる
- 具体思考グループでは、活動の取り組み方などを具体的に考えることの大切さが強調され、実際に「体の健康を保つこと」の具体的な実践方法を書き出して、頭を具体志向に寄せる
- その状態で、他人にフィードバックをするときはどのようなフィードバックが望ましいのかを聞き取り調査する
という感じになっています。
結果①:抽象志向が好むフィードバック
まず最初に抽象思考グループの人がどのようなフィードバックを好んでいたのかというと
- 抽象思考の人は、強みのフィードバックも大切だと考えていたが、弱みのフィードバックも大切だと考えていた
- 抽象思考の人は、多少相手の自尊心を傷つけてしまうとしても、より正確なフィードバックをするべきだと考えていた
- 抽象思考の人は、感情的に元気付けるようなフィードバックよりも、正確なフィードバックの方が目標達成の役に立つと考えていた
ということ。
抽象思考の人はなぜで物事を考えるので、最終的な大きな目標へ意識が向きます。そのため、強みを活かすだけでなく弱みに向き合う必要性を高く感じたり、最終ゴールに対して自分の足りない部分を正確に知るために、ネガティブであっても正確な内容のフォードバック好むということ。
結果②:具体思考が好むフィードバック
次に具体思考の人が好むフィードバックを見てみると、
- 具体思考の人は、その人の強みに関してフィードバックすることがより大切だと考え、弱みに関するフィードバックの大切さは低く感じていた
- 具体思考の人は、相手の感情や自尊心を傷つけないように、正確なフィードバックよりも、正確でなくてもポジティブなフィードバックを大切に感じていた
- 具体思考の人は、長期的に有益なフィードバックよりも、今活動をするめるために感情面を損なわないことを重視していた
ということ。
抽象思考では最終的な大きな目的に目が行くのに対して、具体思考では一歩先の目標や具体的の今の活動に目が行きます。そのため、ネガティブなフィードバックでモチベーションが低下するのを恐れて、多少正確でなくてもポジティブなフィードバックを好むようです。
まとめ
本稿では「抽象思考・具体思考とフィードバックの好み」についてお話ししました。
ポイントをまとめると、
- 抽象思考で物事の目的や意義を考える人は、弱みに関するフィードバックや、より正確なフィードバックを大切にする
- 具体思考で物事の具体的な進め方を考える人は、強みに関するフィードバックや、感情を損なわないポジティブなフィードバックを大切にする
ということ。
相手の弱みに関してフィードバックするときには、それが最終的にどのような意味を持つのかといった抽象的な観点で話をすると、相手も聞き入れやすいかもしれませんね。一方で相手のモチベーションを高めたいときは、相手の具体的な行動を褒めたりするフィードバックが有効でしょう。
以上、本稿はここまで。
[参考文献]