地中海式の食事をしている人ほどコロナの発症率が低いという研究
地中海式の食事とは、イタリアやギリシャといった地中海沿岸の地域で食べられている伝統的な食事のこと。その特徴としては、
- 肉はほどほどにして、魚介系をたくさん食べる
- 野菜や果物をふんだんに食べる
- 油はオリーブオイルを使用する
- パンやパスタは穀物を多く食べる(全粒粉を使ったものを食べる)
- チーズやヨーグルトといった乳製品も食べる
といった感じ。これらの特徴を見ればわかるように見るからに健康的な食事で、実際に様々な研究で抗炎症効果などの健康効果が確認されています。
そして本稿で注目するのは、
- 地中海式の健康的な食事をしている人ほど、コロナの発症や死亡率が低いのか?
を調べてくれたオーバーン大学の研究(*1)です。この研究を参考に、コロナのリスクを抑えるために、普段の食事がどれだけ大切なのかを見ていきましょう。
地中海式の食事とコロナの発症
オーバーン大学の研究では、地中海式の食事とコロナの発症・死亡率について、次の二つの分析を行っています。
- スペイン内の17地域で、地域毎の地中海式食事の度合いとコロナの発症・死亡率の傾向
- 世界23カ国で、国毎の地中海式食事の度合いとコロナの発症・死亡率の傾向
2つ目の分析に含まれた国としては、地中海式の食事の度合いが強い順に、トルコ、ギリシャ、イタリア、日本、チリ、スペイン、ポルトガル、イスラエル、フィンランド、ノルウェイ、アイスランド、イギリス、アイルランド、フランス、デンマーク、スウェーデン、カナダ、ハンガリー、ドイツ、オーストリア、オーストラリア、スイス、アメリカとなっています。日本も健康的で長寿な国に分類されますが、意外と地中海式の食事に近いみたいですね。
ちなみに、国ごとの幸福感の違いや運動量の違いがコロナに与える影響は、今回の分析の結果には影響しないようにうまく加味されています。
結果:
早速分析の結果を見てみると、
- スペインの17地域の分析結果として、地中海式の食事の度合いが高いほど、コロナの発症・死亡数が低い傾向があった
- 23カ国を対象にした分析結果でも、地中海式の食事の度合いが高いほど、コロナの発症・死亡数が低い傾向があった
ということ。
やはり、地中海式の健康的な食事をしている人ほど、コロナの発症や死亡が少ないという結果になっています。地中海式にはポリフェノールがたくさん含まれるので、抗炎症作用や体の免疫が高まりによりコロナのリスクが低減されているのでしょう。
まとめ
本稿では「地中海式の食事とコロナ」についてお話ししました。
ポイントをまとめると、
- 地中海式の食事をしている地域・国ほど、コロナの発症・死亡数が少ない傾向がある
- やはりコロナのリスク低減のためには、健康的な食事をして体の免疫を高めることも大切である
ということですね。
皆さんも地中海式の食事を見習って、野菜や果物をたくさん食べる、オリーブオイルや魚の良質な脂質を摂取するなどに気をつけてみてはいかがでしょうか。
以上、本稿はここまで。
[参考文献]